薬剤師が気になる年収・給料コラム

更新日: 2024年6月15日 薬剤師コラム編集部

新卒の薬剤師の年収はどのくらい?就職で注意したいポイントも

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薬剤師は年収が高そう、そう思って薬剤師を目指した方も多いでしょう。
では、実際に大学を出てすぐの薬剤師はどのくらい稼ぐことができるのでしょうか?

また、就職先によって、その後のキャリアに違いが出てくるのでしょうか。
ここでは、新卒の薬剤師の年収や、働きはじめに意識しておきたいポイントについて解説します。

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新卒薬剤師の年収は高い?

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厚生労働省の調査によると、20〜24歳の薬剤師の平均年収は381万円となっています。

ほかの職業も扱う統計の性質上、年齢の区切りが20歳からとなっていますが、薬剤師は6年間大学に通って、国家試験に合格してから就職するので、この381万円という年収は実質的に23〜24歳の年収、新卒で就職したときの年収ということになります。

これは、このあと詳しくみていきますが、20代の新卒時の年収としては高いといえます。

※平均年収は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査/ 令和4年賃金構造基本統計調査」の、「きまって支給する現金給与額」12か月分に、「年間賞与その他特別給与額」を足した金額を平均年収として算出

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ほかの職種と比べて新卒薬剤師の年収は高い?

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まず、一般労働者と薬剤師の年収を比較してみましょう。
厚生労働省の調査によると、一般労働者の平均年収は312万円となっています。これは20代に限らず、全年代を平均した金額です。
薬剤師は、新卒の時点ですでに一般労働者の年収を上回っているのです。

※一般労働者の平均年収は、厚生労働省「付表2 一般労働者の性、雇用形態別賃金及び雇用形態間賃金格差の推移/令和4年賃金構造基本統計調査の概況」より、男女計の正社員・正職員の賃金に12を掛けた数字を平均年収としている

20代薬剤師の平均年収

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次に、20代薬剤師の平均年収について詳しくみてみましょう。
薬剤師の平均年収は、以下のようになっています。

男女計
20~24歳 381万円 406万円 372万円
25~29歳 465万円 501万円 442万円

※平均年収は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査/ 令和4年賃金構造基本統計調査」の、「きまって支給する現金給与額」12か月分に、「年間賞与その他特別給与額」を足した金額を平均年収として算出

薬剤師の給与は男女間で差はなく、勤務条件が同じであれば同じ金額になっています。
男性と女性の間で差があるのは、女性のほうが結婚や出産などで育休をとったり時短勤務をしたりしていることが影響していると考えられます。また、一般的に全国転勤を伴う仕事のほうが給与は高くなります。
フルタイムで働いていれば、男女ともに20代で年収500万円に到達できる可能性があるといえます。

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【業種別】新卒薬剤師が就職を成功させるポイント

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薬剤師が働く場所としては、薬局やドラッグストア、病院などがあります。
同じ薬剤師の仕事といっても、職場によって向いている人や求められるスキルが違っています。
ここでは、業種別に新卒薬剤師が就職を成功させるポイントについて解説します。

調剤薬局

調剤薬局は、新卒薬剤師の就職先として最もメジャーな業種で、求人も多くなっています。
また、年収も薬剤師の年収としては平均的な水準で、薬剤師以外の業界と比べると高くなっています。

調剤薬局への就職は、求人数が多いため、難易度としてはそれほど難しくはありません。
それだからこそ、これからのキャリア形成を考えて就職先を選ぶことをおすすめします。

就職の際には初任給や福利厚生が目に入ってしまいがちですが、その薬局がどの病院、どの診療科の処方箋を扱っているのかもきちんと確認しましょう。
調剤のスキルは薬剤師にとって最も基本的なスキルです。

これから先、転職しようと思ったときに、調剤経験があるかどうかは希望の転職がかなうかどうかを大きく左右します。若いうちにいろいろな診療科の経験があれば、それだけ転職の選択肢も広がり、キャリアアップもしやすくなります。
また、新人に対する研修は、大手薬局チェーンのほうが充実しています。

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ドラッグストア

ドラッグストアは、調剤薬局と並んで新卒薬剤医師の就職が多い職種です。
ドラッグストアの初任給は、ほかの職種と比べて高めなのも人気の理由です。

ドラッグストアの特徴は、薬局というより一般的な小売業という面のほうが強いことです。
ドラッグストアで働くには、OTC医薬品はもちろん、医薬品以外のサプリメントなどについても勉強していくことが必要となります。
また、薬の処方だけでなく、日用品や食品などの品出しやレジ打ちなどの業務を行うこともあるかもしれません。

ドラッグストアは、薬剤師の仕事にこだわらず、いろいろなことに興味を持つコミュニケーション能力が高い人に向いています。マネジメント能力も必要となります。
調剤薬局が少人数の職場が多いのに対して、大手のドラッグストアチェーンは店舗数も店舗で働くスタッフの数も多くなっています。

売上が上がれば、それだけ昇給する可能性も高くなります。自分の努力が店舗の売上や自分の給与に反映してくるという仕事のおもしろさがあります。
マネジメント能力の高い人にはやりがいが感じられる職場といえます。

新卒薬剤師が、調剤経験も積みたいからという理由で、調剤併設のドラッグストアを選ぶこともあります。
調剤併設のドラッグストアでは、調剤業務のみという働き方を選べる店舗もありますが、その場合の給与はOTC医薬品も扱う薬剤師に比べて低くなることが多いようです。
調剤のスキルを伸ばすという面では、調剤薬局で勤務したほうが有利になります。

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病院

病院勤務の特徴は、なんといっても医療の現場で経験が積めることです。それはほかの職場にはない魅力といえます。

また、大学を卒業してそのまま併設の大学病院で働くのは薬剤師の就職の定番ルートですが、それは実質的に新卒のときしか使えないカードです。同様に、日赤などの大手の総合病院に就職するのも新卒でないと難しくなっています。

就職してからも最先端の医療に触れていたい、勉強を続けたいという向学心の強い人には、ぜひ新卒のチャンスを逃さずにチャレンジすることをおすすめします。

ただ、このように人気のある職場のため、病院勤務の薬剤師の初任給は、ほかの調剤薬局やドラッグストアと比べて低くなっています。
また、病院によっては夜勤などもあり、体力面でもハードな面もあります。

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製薬会社

製薬会社には研究、開発、MR、CRC(治験コーディネーター)やCRA(臨床開発モニター)などのさまざまな仕事があります。
製薬会社で新薬の開発に携わるのは、非常に社会的意味もやりがいもあることですが、そのぶん難易度も高くなっています。
また、製薬会社は数も限られていて、都市部にあることが多いため、ますます狭き門となっています。

製薬会社の初任給は、一般企業であり、薬剤師以外の社員も多いため、調剤薬局やドラッグストアほど高くありません。ただ、その後の昇給ペースは早くなっています。結果を出せばそのぶん評価されます。
製薬会社の営業職であるMRは特にそういう面が強く、結果を出せば年収1千万円も夢ではありません。

製薬会社、そのなかでも研究職への就職を考える人は、大学院への進学も視野に入れて、しっかりと準備していきましょう。大学卒よりも大学院卒のほうが初任給は高くなることが多いです。

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初任給以外のチェックポイント

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就職の際には、初任給以外に確認しておきたいポイントがいくつかあります。
どんなことがあるか、具体的にみていきましょう。

基本給以外の手当

給与には基本給のほかに諸手当がありますが、その分類のしかたや名称、扱い方は職場によって変わります。
一般的な手当としては、通勤手当、家賃補助、家族手当などがあります。

初任給が高いようにみえても、勤務時間が長かった、年間休日が少なかった、という場合があります。
逆に、初任給が低いようにみえても、家賃補助を入れると実質的な手取りは多くなった、ということもあります。
求人の書き方に統一されたきまりはないので、どのような手当があるのかは事前にしっかり確認するようにしましょう。

福利厚生

薬剤師ならではの福利厚生としてチェックしておきたいのが、薬剤師賠償責任保険です。
これは、薬剤師の過誤によって患者が健康被害を被った場合、薬剤師が負うべき賠償責任に対して保険金が支払われる制度のことです。
福利厚生として、この保険料を全額負担している会社もあります。

そのほかにも、人間ドッグやインフルエンザ予防注射の費用の補助、店舗で販売している商品を安く購入できる社員割引など、企業によってさまざまな福利厚生が用意されています。旅行で利用できる保養施設や、スポーツジムの優待といったものもあります。

勤務時間

薬剤師の勤務時間は、業種によって異なります。

一般企業である製薬会社は、多くの企業と同じように土日休みで1日8時間の勤務が一般的です。

調剤薬局の場合は、近くの病院の診察時間や曜日に合わせて営業しているところが多くなっています。病院の診察時間が長かったり、遅くまで診察していたりする場合はシフト制になることもあります。

ドラッグストアは、年中無休で営業時間が長い店舗が多いので、基本的に土日祝日を含んだシフト制になります。

病院の勤務時間は、入院施設があるかどうかで大きく異なります。入院施設があったり、救急対応していたりする病院の場合、土日祝日を含むシフト制となることがほとんどです。夜勤や宿直がある病院もあります。

勤務時間は生活の質にかかわる大切な条件です。
最近はワークライフバランスを重視する人も増えていますが、体力のある若いときだからこそ長時間勤務や夜勤もこなしてさまざまな経験を積むことができるともいえます。
給与と併せてしっかり確認するようにしましょう。

昇給のタイミング

薬剤師の昇給は、勤務先にもよりますが、一般企業と同様、1年に1度の定期昇給というところが多くなっています。

給与が増える理由には、1年に1度の定期昇給のほかに、昇進して役職に就くことによる昇給もあります。
一般企業の場合は、係長、課長、部長というように役職がいろいろあり、また部署や支社なども多くあるので、昇給のチャンスがたくさんあります。

薬剤師はそのような役職が少ないので、出世による昇給チャンスが乏しいのが現実です。
薬剤師は、初任給は高いが昇給が少ない、と言われることがありますが、それには薬剤師ならではのこのような背景があるのです。

新卒薬剤師が年収をアップさせる方法

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新卒薬剤師が年収をアップさせるためには、どのようなことに気をつけたらいいのでしょうか。
ここからは、働き始めに心にとめておきたいポイントについて解説します。

今後のキャリアを考えてスキルを磨く

新卒で働き始めたときは、何もかもわからないことだらけで不安かもしれません。
しかし、大手を振って未経験でいられる貴重な時期と考えることもできます。

わからないことがあったら、積極的に質問して、すべてを吸収していきましょう。
働き続けて年数が経つと、「こんなことも知らないのか」と思われることが怖くなり、質問することも難しくなるからです。

また、職場に慣れて、薬剤師という仕事がどういうものか把握できるようになったら、5年後、10年後こうなっていたいというビジョンを考えることをおすすめします。
もし、職場に「ああなりたい」と思える先輩がいるならば、ロールモデルとしてお手本にしていきましょう。

薬剤師の仕事は、仕事を身につけると、業務に追われて調剤業務と服薬指導というルーティンをまわしているだけで日々が過ぎていってしまいがちです。
そのなかで、自分が理想とする働き方を実現するためには何か必要なのか、何を加えていけばいいのかを考えながら、必要なスキルを磨いていくようにしましょう。

資格を取る

薬剤師には、認定薬剤師専門薬剤師といった資格が存在します。スキルアップやキャリアアップのためにこれらの資格を取ることもおすすめです。
がんに関する資格や、糖尿病、感染症などに関する資格から、ドーピングや漢方薬についての資格まで、さまざまな種類があります。
自分の関わっている仕事に関連した資格を取れば、業務の助けになり、まわりからの信頼感も増すでしょう。

薬剤師は昇進による給与アップが難しい面がありますが、もし職場に資格手当があるなら、資格を取ることによって給与アップが期待できます。
また、資格を持っていると、転職の際にも有利に働きます。

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転職する

新卒で働いて仕事に慣れてくると、将来こうなっていたいというビジョンもみえてくるでしょう。
そのビジョンがいまの職場では実現できそうにないというケースもあるかもしれません。

働き始めてすぐの段階での、いまの仕事が嫌だから辞めたい、というネガティブな転職はおすすめできませんが、「こうなっていたい」という理由があるならば、それを実現できる職場に思い切って転職するのもひとつの手段です。
薬キャリエージェント調べによると、薬剤師の3人に2人が転職を経験しています。資格職である薬剤師の世界では、転職はマイナスにはなりません。
とくに第二新卒や、20代の転職は、これからの伸び代が期待できるポテンシャル転職として、企業側も積極的に採用しています。

もし転職を考えるなら、薬剤師専門の転職エージェントに登録して転職活動をすることをおすすめします。薬剤師業界に精通したプロのコンサルタントのサポートを受けることができるので、より視野を広げた転職活動をすることができます。

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まとめ

新卒の薬剤師の年収はどのくらい?就職で注意したいポイントもの画像8

薬剤師は新卒の時点で一般的な企業の平均よりも高い年収を得ることができますが、その後の昇給は抑えられがちな傾向があります。
しかし、薬剤師には、職場のなかで昇給することのほかに、転職によって年収アップするという強力な手段があります。

就職してまず大切なことは、薬剤師として基本的なスキルを身につけることです。
そうして一人前になったら、自分のなりたい薬剤師のビジョンやライフスタイルを考えて、それを実現できるように行動していきましょう。

第二新卒の方、転職のご相談、お気軽にご連絡ください。

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薬剤師コラム編集部

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