薬剤師必読!ステロイド薬・PSL(プレドニゾロン)と妊婦の関係
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- PSL(プレドニゾロン)の作用機序と適応について
- 妊娠中の自己免疫疾患治療において、PSL(プレドニゾロン)が第一選択薬になりやすい
- 自己判断でPSL(プレドニゾロン)の服薬を中止すると母体の病状再燃や離脱症状を招き、母児双方に悪影響がある
- 服薬指導では安全性と治療の必要性をエビデンスに基づき丁寧に説明することが大事
PSL(プレドニゾロン)は、自己免疫疾患や喘息など多くの慢性疾患で用いられるステロイド薬です。妊娠中の使用に漠然とした不安を抱く患者や医療者も少なくありませんが、治療中断による病態悪化は、母児双方に深刻な影響を及ぼします。
今回のコラムでは、プレドニゾロンの妊娠中の安全性や使用時の注意点、患者指導のポイントを解説し、薬剤師が妊婦へ適切に関わるための視点をお伝えします。
PSL(プレドニゾロン)とはどんな薬?

PSL(プレドニゾロン)は、合成副腎皮質ステロイドであり、抗炎症・免疫抑制作用を有する薬剤です。関節リウマチや全身性エリテマトーデス(SLE)、炎症性腸疾患、気管支喘息、ネフローゼ症候群など、さまざまな炎症性疾患や自己免疫疾患の治療に用いられます。通常、1日数mg〜数十mgの経口投与が基本であり、症状に応じて漸減や中止が検討されることがあります。
他のステロイドと比較して中等度の作用時間を持ち、長期管理に適している点も特徴的です。
また、重症例では点滴静注による投与も行われます。妊娠中に使用されるステロイドとしては、プレドニゾロンの他にベタメタゾンやデキサメタゾンもありますが、胎盤通過性の違いから、母体治療目的ではプレドニゾロンが第一選択となることが多いです。