1. 薬剤師トップ
  2. 薬剤師コラム・特集
  3. 服薬指導に役立つ、妊婦と薬の話
  4. 【服薬継続】妊婦が抗アレルギー薬を使う理由

服薬指導に役立つ、妊婦と薬の話

更新日: 2025年11月12日 りーこ

【服薬継続】妊婦が抗アレルギー薬を使い続ける理由

【この薬って禁忌?】服薬指導に役立つ、妊婦と薬の話のメイン画像

妊娠中に鼻水やくしゃみ、かゆみが続くと、眠れなかったり仕事に集中できなかったりと負担が大きくなります。「お薬を使っても大丈夫?」という妊婦さんの不安に寄り添いながら、必要なときに安全に使える選択肢を一緒に考えるのが薬剤師の役割です。抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)は症状を和らげる代表的なお薬ですが、種類によって眠気の出方やエビデンスの厚みに差があります。今回のコラムでは、妊娠中に抗ヒスタミン薬を使う際の考え方を、実務で使える視点に絞って整理します。

☞この記事でわかること!
  • 第一世代、第二世代抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)で妊婦への影響に違いがあるのか
  • 抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)で症状を抑えることが母体に好影響と理解してもらうことの重要性

抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)の基礎知識

第一世代、第二世代の抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)の基礎知識

抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)は、体内のヒスタミンがH1受容体に結合するのを阻害し、ヒスタミンが引き起こす鼻水・くしゃみ・かゆみ、血管のむくみを抑える薬です。

第一世代は脳へ届きやすく、眠気や抗コリン作用(口渇・便秘・尿閉)が出やすいのが難点です。第二世代は末梢選択性が高く、日中のパフォーマンスを保ちながら使いやすい設計で、持続は概ね12〜24時間、1日1回投与が中心です。

効き始めは30〜60分、数日で効果が安定してきます。また鼻づまりが強いときは単剤に固執せず、ステロイド点鼻薬や鼻洗浄などの併用を検討してもよいでしょう。

妊娠中も抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)を飲んで大丈夫?妊婦への影響

抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)は妊娠経過へも胎児へのリスクも上昇させない

妊娠中はホルモン変化や鼻粘膜の浮腫で鼻炎が悪化しやすく、睡眠の質低下やストレス増加、喘息合併例ではコントロール不良の引き金になります。対応は非妊娠時と同様に、まず環境整備や鼻洗浄などの非薬物療法を優先し、効果不十分なら必要最小限の用量・期間で抗ヒスタミン薬の使用を検討します。

妊娠初期に抗ヒスタミン薬を使用した妊婦20万例以上のメタアナリシスでは、主要な先天異常の有意な増加は示されていません。

すべてのコラムを読むにはm3.com に会員登録(無料)が必要です

りーこの画像

りーこ
りーこ

総合病院勤務の中堅薬剤師。妊婦さん、授乳婦さんが薬に対して不安を感じている原因は薬剤師側も妊婦授乳婦の薬物療法への知識や関わり方が分からず、服薬指導に自信がないからではないかと感じ、妊婦授乳婦の薬物療法について発信を開始。 経験を活かしてinstagramの投稿を続けることで薬剤師の皆さんの妊婦授乳婦の服薬指導への苦手意識がなくなれば、その薬剤師が関わる妊婦さんや授乳婦さんの不安も減ることを願っています。Instagram:https://www.instagram.com/ph_riiko_gram/

キーワード一覧

服薬指導に役立つ、妊婦と薬の話

この記事の関連記事

この記事に関連するクイズ

アクセス数ランキング

新着一覧

28万人以上の薬剤師が登録する日本最大級の医療従事者専用サイト。会員登録は【無料】です。

薬剤師がm3.comに登録するメリットの画像

m3.com会員としてログインする

m3.comすべてのサービス・機能をご利用いただくには、m3.com会員登録が必要です。

注目のキーワード

医薬品情報・DI 医師の意見 薬物療法・作用機序 服薬指導 医療過誤・ヒヤリハット 医療クイズ 疾患・病態 ebm 感染症対策 薬剤師あるある