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服薬指導に役立つ、妊婦と薬の話

更新日: 2026年5月18日 りーこ

妊婦もβ遮断薬を服用して問題なし?ビソプロロールなど最新服薬指導ガイド

【この薬って禁忌?】服薬指導に役立つ、妊婦と薬の話 のメイン画像

β遮断薬は心疾患や不整脈の治療に欠かせない薬剤ですが、長らく多くの成分が妊婦に対して禁忌とされてきました。しかし2024年4月、「ビソプロロール」と「カルベジロール」の添付文書が改訂され、妊婦禁忌が削除されました。

高齢出産の増加や先天性心疾患患者の予後改善により、循環器疾患を合併する妊婦は増加傾向にあります。薬剤師として、β遮断薬の妊娠中の位置づけと、患者の不安に応える服薬指導を押さえておきましょう。

β遮断薬とは?妊婦禁忌が削除された背景を知ろう

「カルベジロール」「ビソプロロール」は添付文書上で妊婦の禁忌が削除された

β遮断薬は、心臓のβアドレナリン受容体を遮断することで心拍数を抑え、心臓の仕事量を減らす薬剤です。高血圧、頻脈性不整脈、慢性心不全など幅広い循環器疾患に使用されます。

β遮断薬は選択性によって大きく分類されます。「ビソプロロール」はβ1選択性が高く、心臓への作用が比較的強い薬剤です。「カルベジロール」はα1β遮断作用を併せ持ち、慢性心不全の標準治療薬として位置づけられています。一方、以前から妊婦禁忌ではなかった薬剤もあり、「ラベタロール」、「プロプラノロール」、「ソタロール」、「アテノロール」などがこれに該当します。

従来、ビソプロロールとカルベジロールが妊婦禁忌とされていた背景には、動物実験で胎児の発育抑制や骨格異常が認められたことがありました。

しかし、その後蓄積されたヒトでのデータから、妊娠初期の催奇形性は否定的であることが明らかになり、これを受け、2024年4月にビソプロロール、カルベジロールの禁忌の項から「妊婦又は妊娠している可能性のある女性」が削除されました。

改訂後は「有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること」という記載に変更されています。

妊婦がβ遮断薬を服用継続した方がいい理由とは?

妊娠中にβ遮断薬の自己中断は心不全の増悪などリスクが高まる

循環器疾患を合併する妊婦にとって、β遮断薬の自己中断は母体・胎児の双方に深刻なリスクをもたらします。

まず高血圧についてです。妊娠中の血圧コントロール不良は、脳出血、子癇、常位胎盤早期剥離、胎児発育不全、早産など重大な合併症のリスクを高めます。今回の禁忌削除により、ビソプロロールやカルベジロールも妊娠中の降圧薬の選択肢に加わり、患者の病態に合わせたよりきめ細やかな治療が可能になりました。

次に不整脈です。妊娠中は循環血液量の増加や交感神経の亢進により、頻脈性不整脈が出現・増悪しやすい状態にあります。β遮断薬による心拍コントロールを中断すると、動悸や不整脈の増悪だけでなく、血行動態の不安定化を招く可能性があります。

また、慢性心不全の管理においてβ遮断薬は予後改善のエビデンスが確立された標準治療薬です。妊娠に伴う循環動態の変化は心不全を増悪させやすく、治療の中断は心不全の急性増悪につながりかねません。

重要なのは、β遮断薬による催奇形性のリスク上昇は現時点では報告されていないという点です。つまり、「赤ちゃんへの影響を心配して薬を止める」必要性は、現在のエビデンスからは支持されていません。むしろ、母体の循環器疾患を適切に管理することが、結果的に胎児の安全を守ることにつながります。

β遮断薬の知っておくべきリスクと服薬指導のポイント

妊婦への「β遮断薬」服薬指導の重要なポイント

催奇形性は否定的である一方、β遮断薬の妊娠中使用には注意すべきリスクがあります。「心配する必要のあるリスク」と「心配する必要のないリスク」を区別して伝えることが、服薬指導のカギになります。

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りーこ
りーこ

総合病院勤務の中堅薬剤師。妊婦さん、授乳婦さんが薬に対して不安を感じている原因は薬剤師側も妊婦授乳婦の薬物療法への知識や関わり方が分からず、服薬指導に自信がないからではないかと感じ、妊婦授乳婦の薬物療法について発信を開始。 経験を活かしてinstagramの投稿を続けることで薬剤師の皆さんの妊婦授乳婦の服薬指導への苦手意識がなくなれば、その薬剤師が関わる妊婦さんや授乳婦さんの不安も減ることを願っています。Instagram:https://www.instagram.com/ph_riiko_gram/

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