添付文書改訂後の新常識!授乳中カロナール・ロキソニン服薬指導
母乳育児中のお母さんから「痛み止めを飲んだら、母乳はあげないほうがいいですか」と質問された経験はないでしょうか。解熱鎮痛薬は、母乳育児中の相談が特に多い薬です。
しかも添付文書の文言と国立成育医療研究センターやLactMedなどの評価とでは、受ける印象が大きく異なります。
今回のコラムでは、アセトアミノフェン(カロナール)とロキソプロフェン(ロキソニン)を軸に、母乳育児中の使用をどう考え、患者さんにどう伝えるかを整理します。
乳汁移行=授乳NGではない!添付文書「9.6 授乳婦」の読み解き方
母乳育児中の薬剤の使用は、添付文書の記載だけで可否を評価するのが難しいところです。
以前の添付文書では「やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせること」という表現が広く使われ、その根拠の多くは「乳汁中への移行が報告されている」という事実のみでした。
しかし判断の軸になるのは、乳汁中に移行するかどうかではなく、曝露した児に有害事象がみられなかったかどうかです。多くの薬は少量でも乳汁へ移行するため、移行の報告だけでは児への影響までは分かりません。
この点は2019年4月適用の記載要領で見直され、妊婦と授乳婦の項が「9.5 妊婦」「9.6 授乳婦」に分かれました。
乳汁移行の報告だけを理由に授乳中止を求めず、有益性とリスクを踏まえて判断する記載へ変わっています。
「ロキソニン錠60mg」の添付文書も、「治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること」とし、根拠は動物実験(ラット)での乳汁移行です。
「カロナール錠」も同様です。