丁寧解説! 認定・専門薬剤師のすべて

更新日: 2021年11月2日 薬剤師コラム編集部

日本糖尿病療養指導士とは?取得方法とメリット

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日本糖尿病療養指導士とは?その役割も解説

「日本糖尿病療養指導士(CDEJ)」は、一般社団法人日本糖尿病療養指導士認定機構による認定で、糖尿病の臨床における生活指導のエキスパートです。

糖尿病の治療は、医療だけでなく運動、食事など患者さんの生活全般における多方面の支援が必要です。主に薬物治療に関わる薬剤師も、この認定を取得することで生活面において患者さんを支え、糖尿病を抱えながらもQOLを落とさず生活できるように働きかけることができます。一つの疾患の治療ではありますが、生活全般を支えるため、求められる知識やスキルは非常に幅広くなります。
初回認定の際は、条件を満たす医療機関での勤務経験が2年間必須ですが、現職でなくてもかまいません。また、論文・学会発表の条件がないため、更新の際は小さな薬局やドラッグストア等の薬剤師でも目指しやすい認定と言えます。

日本糖尿病療養指導士の仕事内容

日本糖尿病療養指導士の多くは医療機関に勤務し、糖尿病患者の生活指導をおこないます。具体的には、食事管理や生活習慣の改善、健康を維持するためのセルフケアの指導が挙げられます。また、糖尿病治療に関する学会発表や、専門知識を活かして地域の講習会に参加することもあります。

認定を取得するメリット・強み

認定自体は糖尿病の治療に関わるものですが、認定で得られる視点は、他の慢性疾患を持つ患者さんの支援にも活かすことができます。患者さんが病気を抱えながらも、生活の質をなるべく落とさず生きることができるよう支えるのは、慢性疾患の治療全般に共通することだからです。
また、この認定を取得する課程では、薬学的な知識だけでなく、精神的・社会的に患者さんを支えていく観点も身につきます。多職種連携や在宅医療を含めた地域医療の実践において、薬剤師がチーム医療の一員としてその知識や技能を活かし、存在感を発揮していくことができます。

「日本糖尿病療養指導士」は、こんな人向け

糖尿病の治療全般に携わることで、患者さんの生活全体を支援したい
多職種と連携して地域医療を支える薬剤師になりたい
論文・学会発表などの条件がない認定を目指したい

日本糖尿病療養指導士の難易度と合格率

日本糖尿病療養指導士の認定取得の難易度はどのくらいなのでしょうか。受験結果を見てみると、薬剤師の合格率はここ5年間で平均95%を超えており、全職種でも平均合格率は約90%です。

難易度はそれほど高くありませんが、試験を受けるためには糖尿病患者の療養指導経験や受験者用講習会の受講が必要です。

日本糖尿病療養指導士認定の詳細
領域 更新年 勤務歴 試験 論文 学会 症例報告 薬局薬剤師
糖尿病 5年ごと 過去10年以内に
2年以上継続
更新時:通算3年以上
取得時 - - 自験例
取得時
1回目更新時
取得△
更新○
更新2回目以降(◎)

日本糖尿病療養指導士の受験資格

認定団体:一般社団法人 日本糖尿病療養指導士認定機構
申請に必要な資格:

  1. 薬剤師の国家資格
  2. 過去10年以内に2年以上継続して

下記の①②③の条件を全て満たしている医療施設で勤務し糖尿病患者の療養指導業務に従事したこと
(この間に通算1,000時間以上糖尿病患者の療養指導を行ったこと)

①当該施設に勤務する、以下の(イ)(ロ)のいずれかに該当する医師が、糖尿病療養指導にあたり受験者を指導していること
(イ)常勤または非常勤の日本糖尿病学会専門医(非常勤の場合、勤務は月1回以上)
(ロ)日本糖尿病学会の会員で糖尿病の診療と療養指導に従事している常勤の医師
②外来で糖尿病患者の診療が恒常的に行われていること
③糖尿病の患者教育、食事指導が恒常的に行われていること

「2年以上継続」について補足:転職や異動などがあった場合、異動(転職)前後の職場が上記①②③の条件を全て満たし、継続して糖尿病患者の療養指導業務にあたっていれば、通算することができます。ただし、転職の際に被雇用者としての身分が1日でも中断している場合は、「継続して業務にあたっている」とはみなされず、前後の職場どちらかの期間しか計算できないため、転職の際は注意が必要です。

なお、以下の場合、その期間を業務従事期間に含めることはできませんが、その前後の期間は継続しているものとして合算できます(所定の証明書の提出が必要)。

  • 産前・産後休暇(産前は出産予定日前8週(多胎は14週)、産後8週まで)、育児休業(原則として子が1歳に達するまで)

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薬剤師コラム編集部

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