丁寧解説! 認定・専門薬剤師のすべて

更新日: 2022年4月23日 薬剤師コラム編集部

感染制御専門薬剤師とは?取得方法とメリット

感染制御専門薬剤師とは?取得方法とメリット メインの画像1

感染制御専門薬剤師とは?資格の概要、認定団体、取得メリット、役割、試験や論文・学会発表の有無といった取得方法や取得にかかる費用、更新情報、参考書、難易度までわかりやすく解説します。

感染制御専門薬剤師とは?その役割も解説

感染制御専門薬剤師は、感染制御に関する高度な知識、技術、実践能力を活かして、患者さんが安心して安全かつ適切な治療を受けられるよう、必要な環境の提供に貢献します。また、院内全体の感染対策、適切な薬物治療の提案及び環境整備にも携わります。

この認定を取得するには「感染制御認定薬剤師」の認定を受けることが必須となっており、その取得過程で得た知識やスキルを基礎として、さらなる研鑽を積み、臨床・研究・後進の育成を担います。

なお、研究発表について、認定取得時は筆頭発表者・筆頭著者としての実績が求められますが、更新の際は、自身が筆頭演者もしくは筆頭著者であることは必須ではありません。これは、感染制御領域の先進研究者として、後進の育成に積極的に携わり、より多くの論文や学会発表を促進させることが求められているためです。

認定を取得するメリット・強み

直接関わる患者さんへの薬物治療や、院内・地域全体の感染症治療の適正化はもちろん、 自身の研究と後進の育成によって、感染症における薬物療法の質の向上に貢献することができます。論文や学会での発表は、感染症に関わる多くの医療従事者の目にとまり、各々の薬物治療にメリットをもたらします。

認定を取得すると、日本病院薬剤師会のホームページに氏名と所属先が掲載されます。外部の人にも感染制御に特に精通していることと、研究活動においても自身の研究だけでなく、後進の育成にも携わる薬剤師として認知されます。

「感染制御専門薬剤師」は、こんな人向け

自分の所属する施設だけでなく、幅広い範囲で感染制御の向上に携わりたい
多職種と連携して地域医療を支える薬剤師になりたい
研究も臨床もしっかり携わりたい

難易度

領域 更新年 勤務歴 試験 論文 学会 症例報告 薬局薬剤師
感染制御 5年ごと あり 認定時 認定時
更新時
(学会といずれか)
認定時
更新時
(論文といずれか)
更新時
(活動報告)

感染制御専門薬剤師の詳細

認定団体:一般社団法人 日本病院薬剤師会

申請に必要な資格:

  1. 薬剤師の国家資格
  2. 申請時において感染制御認定薬剤師であること
  3. ICD制度協議会に加盟している学会・研究会のいずれかの会員であること

以下のURL掲載の学会・研究会が対象です。
http://www.icdjc.jp/kameigakkai.html

認定時、更新時に必要な単位や条件

認定時 更新時
必要単位 なし
※感染制御認定薬剤師であること
5年間で30単位以上
(うち指定の講習会による単位:12単位)
勤務歴の条件 あり あり
試験の有無 筆記試験あり なし
論文発表 1編以上(うち1編は筆頭著者) 1編以上(共同著者可)※学会といずれか
学会発表 2回以上(うち1回は発表者) 1回以上(共同発表者可)※論文といずれか
症例報告 不要 必要(活動報告)
推薦状 必要 不要
かかる費用 ・認定審査料(税込)
会員 11,000円、非会員 16,500円
・受験料(税込)
会員11,000円、非会員16,500円
・認定料(税込)※試験合格者のみ
22,000円
・更新審査料(税込)
会員 11,000円、非会員 16,500円

・更新料(税込)※審査合格者のみ
22,000円

感染制御専門薬剤師の取得の流れ

大まかな流れは以下のようになります。下部に詳細を記載しました。

感染制御専門薬剤師とは?取得方法とメリットの画像

1.論文発表を行う

複数査読制のある国際的あるいは全国的な学会誌・学術雑誌に、感染制御領域の学術論文を1編以上(少なくとも1編は筆頭著者)発表します。

2.学会発表を行う

感染制御領域に関する学会発表を2回以上(少なくとも1回は発表者)行います。

対象となる学会は以下です。

日本医療薬学会、日本薬学会、日本臨床薬理学会、日本TDM学会、ICD制度協議会に加盟している学会・研究会、日本薬剤師会学術大会、関連する国際学会、日本病院薬剤師会ブロック学術大会

3.筆記試験

認定時には、筆記試験に合格する必要があります。(例年12月初旬に試験)

受験料は日本病院薬剤師会会員であれば11,000円、非会員であれば16,500円(いずれも税込)です。

4.の認定審査料とは別に必要となります。

合格証明は、次年度(試験を受けた翌々年1月頃)の認定申請まで有効です。

参考:試験の出題範囲(令和3年度)
https://www.jshp.jp/2021bcpic-test2/211205hani.pdf

4.認定審査料の振込み、申請書類の提出

認定審査料は、日本病院薬剤師会会員であれば11,000円、非会員であれば16,500円(いずれも税込)です。

すべてのコラムを読むにはm3.com に会員登録(無料)が必要です

こちらもおすすめ

薬剤師コラム編集部の画像

薬剤師コラム編集部

「m3.com」薬剤師コラム編集部です。
m3.com薬剤師会員への意識調査まとめや、日本・世界で活躍する薬剤師へのインタビュー、地域医療に取り組む医療機関紹介など、薬剤師の仕事やキャリアに役立つ情報をお届けしています。

キーワード一覧

丁寧解説! 認定・専門薬剤師のすべて

この記事の関連記事

アクセス数ランキング

新着一覧

26万人以上の薬剤師が登録する日本最大級の医療従事者専用サイト。会員登録は【無料】です。

薬剤師がm3.comに登録するメリットの画像

m3.com会員としてログインする

m3.comすべてのサービス・機能をご利用いただくには、m3.com会員登録が必要です。

注目のキーワード

キャリア 医薬品情報・DI 糖尿病 薬物療法・作用機序 服薬指導 ライフ・雑学 年収・待遇 研修認定薬剤師資格 薬剤師会 プライマリ・ケア