丁寧解説! 認定・専門薬剤師のすべて

更新日: 2022年12月9日 薬剤師コラム編集部

外来がん治療専門薬剤師とは?取得方法とメリット

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外来がん治療専門薬剤師とは?その役割も解説

「外来がん治療専門薬剤師(BPACC)」は、一般社団法人日本臨床腫瘍薬学会(JASPO)による認定で、2021年に創設された認定制度です。

  • 外来がん治療を安全に施行するための知識・技能を習得した薬剤師
  • 地域がん医療において、患者とその家族をトータルサポートできる薬剤師
  • 病院と薬局が緊密に連携して、がん薬物療法に対応できる薬剤師

上記の養成を目的としており、「外来がん治療認定薬剤師(APACC)」の上位認定となっています。

2021年8月に医薬品医療機器等法で定められた、専門医療機関連携薬局の認定要件に「傷病の区分に係る専門性を有する常勤薬剤師の配置」があります。外来がん治療専門薬剤師(BPACC)は、その「専門性を有する薬剤師」に該当します。

外来がん治療専門薬剤師(BPACC)となるためには、APACCの認定要件に加え、下記の条件を満たす必要があります。

  • 医療機関・薬局での薬剤師としての実務経験が5年以上であること
  • 日本臨床腫瘍薬学会(JASPO)がん診療病院連携研修を修了すること

認定を取得するメリット・強み

外来がん治療専門薬剤師(BPACC)を取得する過程で、薬局薬剤師ががん診療病院で研修を行うことで、臨床におけるがんの治療や、病院薬剤師との連携を学ぶことができます。

その上で専門医療機関連携薬局において、がん領域における高い専門性を活かし、地域のがん拠点病院や他の医療機関・薬局と連携して、がんの薬物治療をリードする存在になります。

病院と薬局双方に外来がん治療専門薬剤師がいることで、がん患者さんの薬物治療に関する連携がよりスムーズになり、地域におけるがん薬物療法の質を向上させることができます。

がん患者さんにとって、入院ではがん治療に集中することになりますが、外来では治療は生活の一部となります。外来がん患者さんのサポートのためには、がんについてだけではなく、日常生活における健康に関する幅広い知識や技能を持った薬剤師が求められます。地域住民のさまざまな健康問題に関わる薬局薬剤師に向いている認定と言えます。

また、論文や発表、症例報告数の条件が、他のがん領域の認定と比較すると易しいため、薬局薬剤師が取得を目指しやすいことも特徴です。

「外来がん治療専門薬剤師」は、こんな人向け

外来がん治療において薬局と病院の連携をはかりたい
薬局薬剤師としてがん治療に積極的に関わりたい
勤務歴や論文・学会発表などの条件が比較的易しい認定を目指したい

難易度

領域 更新年 勤務歴 試験 論文 学会 症例報告 薬局薬剤師
がん 3年ごと あり 認定時/
更新時
なし なし 認定時

外来がん治療専門薬剤師の詳細

認定団体:一般社団法人日本臨床腫瘍薬学会(JASPO)

認定申請に必要な資格:

  1. 薬剤師の国家資格
  2. 薬剤師として病院または薬局での5年以上の勤務歴
  3. がん診療病院連携研修を受ける時点でJASPOの会員であること

認定時、更新時に必要な単位や条件

認定時 更新時
必要単位 がん診療病院連携研修の修了が必須 3年間で60単位以上      
勤務歴の条件 あり なし
試験の有無 あり ※APACC取得時 あり
論文発表 なし なし
学会発表 なし なし
症例報告 必要 ※APACC取得時 不要
推薦状 必要 不要
かかる費用

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薬剤師コラム編集部

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