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丁寧解説! 認定・専門薬剤師のすべて

更新日: 2023年1月24日 薬剤師コラム編集部

認定クリニカル・トキシコロジストとは?取得方法とメリット

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認定クリニカル・トキシコロジストとは?その役割も解説

「認定クリニカル・トキシコロジスト」は、一般社団法人日本中毒学会による認定です。

薬や毒物中毒に関する十分な知識及び技能を有する様々な職種を養成し、中毒診療に関する高度な知識、技術、倫理観に基づく最適な治療を通して、国民の健康に貢献することを目的としています。

対象となる職種は薬剤師の他、医師、看護師、臨床検査技師、各種研究員、行政担当者です。

これらの様々な職種が互いの知識を分け合い、理解し、共通言語と知識のもと、中毒患者に対してチーム医療を実践していくための研鑽を積んでいます。

認定を取得するメリット・強み

薬や毒物による中毒の治療に多くあたっている薬剤師は少なく、「認定クリニカル・トキシコロジスト」を取得することで、希少な専門性を持った薬剤師として活躍できます。

認定を取得すると、氏名と所属が公式ウェブサイトに掲載され、外部の医療従事者や一般の方にも、中毒に関する知識が豊富な薬剤師という認識を持ってもらうことができます。

また、中毒の治療は多職種が連携して行いますので、他の職種の視点も学ぶことができます。
研究員や行政担当者など、認定の対象が臨床の医療従事者に限定されていない点も特徴です。

なお、当認定を取得するには症例報告が必要なため、中毒に関する症例がある程度発生する施設に所属している間の取得をおすすめします。更新の際の症例報告は不要ですので、認定取得後に他の施設に転職した場合も、更新は可能です。

「認定クリニカル・トキシコロジスト」は、こんな人向け

薬や毒物中毒の症例に多く接する環境に従事している
多職種連携を行っている
論文や発表の条件が易しい認定を取得したい

難易度

領域 更新年 勤務歴 試験 論文 学会 症例報告 薬局薬剤師
中毒 5年ごと あり 認定時 なし なし 認定時

認定クリニカル・トキシコロジストの詳細

認定団体一般社団法人日本中毒学会

認定申請に必要な資格:

  1. 薬剤師の国家資格
  2. 中毒に関わる実務経験が3年以上あること
  3. 申請までの3年間において日本中毒学会の会員を継続していること

認定時、更新時に必要な単位や条件

認定時 更新時
必要単位 60単位以上
必須の単位あり
5年間で50単位以上
必須の単位あり
勤務歴の条件 あり なし
試験の有無 筆記試験あり なし
論文発表 単位に繰入可 単位に繰入可
学会発表 単位に繰入可 単位に繰入可
症例報告 必要 不要
推薦状 不要 不要
かかる費用 ・認定料 20,000円 ・更新料 10,000円

認定クリニカル・トキシコロジストの取得の流れ

大まかな流れは以下のようになります。下部に詳細を記載しました。

認定クリニカル・トキシコロジストとは?取得方法とメリットの画像

1.中毒に関する症例を集め、報告書を作成

中毒に関する業務で自ら参加した 10 例以上の実績について、それぞれ 150 字程度の報告書を作成します。

個々の症例の詳述は必要なく、診療症例リストなどによる代用も出来ます。

また、「臨床中毒に関与」とは、直接の患者治療に限定せず、情報提供や試料分析など、自身の立場での関与を示します。例えば、中毒患者の服用した薬物を特定し、医師に情報提供した場合も、症例報告とみなされます。

以下どの形の関与かを選択し、記述します。

  1. 治療
  2. 情報提供
  3. 分析
  4. その他(剖検など)

公式ウェブサイトに記載例がありますので、確認して作成しましょう。

2. 所定の学術集会・セミナーに参加し単位を取得

学会が指定する学術集会やセミナーに参加し、必要単位数:60単位以上を取得します。
そのうち45単位以上は、必須単位より取得する必要があります。

対象となる学術集会・セミナー

◆必須単位

  • 日本中毒学会総会・学術集会参加:15単位

◆選択単位

  • 日本中毒学会地方会が主催する学術集会参加:15単位
  • 日本中毒学会または地方会が主催する学術集会での発表:15単位(共同演者は3単位)
  • 日本中毒学会または地方会の座長または司会:10単位
  • 中毒研究における論文発表での筆頭著者:20単位(共著者は5単位)
  • 日本中毒学会以外の学会の学会誌や関連雑誌における中毒に関連する論文発表:5単位(筆頭者のみ)
  • 日本中毒学会以外の学会が主催する学術集会で、連携委員会が事前に定めるセッションでの発表:5単位(筆頭者のみ)

3.申請書類の提出

以下の書類を記入して郵送で提出します。申請期間は例年4月1日から30日(書類必着)です。
それぞれの書式は学会ウェブサイトよりダウンロードして使用します。添付資料は全てA4サイズに揃えます。

  • 認定クリニカル・トキシコロジスト認定申請書 
  • 規定の単位取得証明書 
  • 中毒に関する業務に3年以上従事したことを証明する施設長または所属長の証明 
  • 中毒に関する実績一覧(1.の症例報告書)

なお、この時点での認定料(審査料)の支払いは不要です。
書類が受理されると、例年5月上旬までに、学会事務所より受理の通知メールが届きます。

4.認定セミナーへの出席

申請審査により認定申請資格を満たす受験者には、6月中旬までに認定セミナーと試験について、学会事務局より通知があります。

例年7月に認定セミナーが開催されるため、指定の日時に参加します。

このセミナーは認定試験の出題範囲となるため、しっかり受講しましょう。詳細のプログラム・日程表は公式ウェブサイトにも掲載されます。

5.筆記試験を受ける

認定試験は4,の認定セミナー終了後、同じく7月中に日をおいて実施されます。

公式ウェブサイトに必須問題や選択問題など、試験範囲の情報が記載されますので、確認して勉強しましょう。

6.認定料の振込み

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薬剤師コラム編集部

「m3.com」薬剤師コラム編集部です。
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