地域薬学ケア専門薬剤師(がん)とは?取得方法とメリット
地域薬学ケア専門薬剤師(がん)とは?その役割も解説
「地域薬学ケア専門薬剤師(がん)」は、2020年1月に発足した一般社団法人日本医療薬学会による認定です。
広範な薬物療法について一定水準以上の実力を持ち、地域医療・介護等の現場において活躍する「地域薬学ケア専門薬剤師」の要件に加え、副領域として「がん」の薬物療法において専門的な知識と技能を持つ薬剤師を認定します。
地域薬学ケア専門薬剤師(がん)は、がん治療も含めて地域医療・介護等を担う他職種と協働して薬物療法を実践することにより、患者に最大限の利益をもたらすとともに、研究活動を実践することが求められています。
がん患者さんの治療のために、専門性を活かして病院と緊密に連携をとりつつ、地域の他の薬局や医療・介護職とも連携するため、包括ケアにおけるハブのような役割ともいえるでしょう。
なお、薬局が「専門医療機関連携薬局」の要件を満たすには、この地域薬学ケア専門薬剤師(がん)が常勤として勤務していることが条件になります。
※地域薬学ケア専門薬剤師(がん)は、制度側の都合により、2024年度までの申請は全て暫定認定となっています。
認定を取得するメリット・強み
地域薬学ケア専門薬剤師(がん)の認定を取得する過程で、認定研修施設である薬局および病院での臨床活動と、学会や論文発表といった研究活動の双方により、がんを含めた幅広い領域の薬物療法について深く学び、実践して身に着けることができます。
また、地域薬学ケア専門薬剤師(がん)の認定を取得すると、氏名と所属施設が学会ホームページに掲載されます。医療従事者だけでなく、介護職や一般の方からも、がんの専門知識をもつ地域包括ケアにおける薬物療法の相談役として認識されます。
がん領域を専門とし、地域医療において幅広く貢献し続けたいと考える薬剤師にとっては、ぴったりの認定です。
「地域薬学ケア専門薬剤師(がん)」は、こんな人向け
地域医療において幅広い領域かつがん領域で活躍したい、すでに活躍している
特定の地域で継続して薬剤師として活動する意思が強い
研究・臨床どちらの活動も行いたい
難易度
領域 | 更新年 | 勤務歴 | 試験 | 論文 | 学会 | 症例報告 | 薬局薬剤師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
多領域&がん | 5年ごと | あり | 認定時 | 認定時 | 認定時 | 認定時/更新時 | ◎ |
地域薬学ケア専門薬剤師(がん)の詳細
認定団体一般社団法人日本医療薬学会
認定申請に必要な資格:
- 薬剤師の国家資格
- 薬剤師としての実務経験が5年以上あること
- 申請時点で日本医療薬学会の会員を5年以上継続していること(※暫定認定時:申請時に学会員であればよい)
- 以下いずれかの認定を受けていること
・日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師
・日本病院薬剤師会日病薬病院薬学認定薬剤師
・日本薬剤師会・生涯学習支援システム(JPALS)クリニカルラダー5以上
・その他日本医療薬学会が認めた認定制度による認定薬剤師
(※暫定認定時:本学会認定薬剤師から移行した医療薬学専門薬剤師、日本病院薬剤師会生涯研修履修認定薬剤師でも可能)
認定時、更新時に必要な単位や条件
認定時 | 更新時 | |
---|---|---|
必要単位 | 5年間で70単位以上 必須の学会、講義あり |
5年間で50単位以上 必須の学会、講義あり |
勤務歴の条件 | あり | なし |
試験の有無 |
筆記試験あり ※暫定認定時:実施なし |
なし |
論文発表 | 1編以上(うち1回は筆頭著者) 学会発表といずれか |
不要(単位に繰入可) |
学会発表 | 2回以上(うち1回は筆頭発表者) 論文発表といずれか ※暫定認定時:1回(筆頭発表者) でよい |
不要(単位に繰入可) |
症例報告 | 必要 ※暫定認定時:不要 | 必要 |
推薦状 | 不要 | 不要 |
かかる費用 |