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2足の草鞋を履く薬剤師

更新日: 2021年9月16日 井手 綾子

きっかけはLINEから「大賀薬局」×「YouTube」

きっかけはLINEから「大賀薬局」×「YouTube」の画像1

福岡県を中心に調剤薬局やドラッグストアを展開している大賀薬局。薬を「増やす」ではなく「減らす」ことを薬剤師の使命とし、子供や大人に向けた薬育を大賀薬局のヒーロー「オーガマン」が活動している薬局としても知られています。今回は、大賀薬局で働くワディポップさんにお話しをうかがいました。

就職先として地元ではなく「大賀薬局」を選んだワケ

大賀薬局との出会いやキッカケについて教えていだだけますでしょうか。

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ワディポップさん

僕は大分出身なのですが、大学が福岡だったので、そのまま福岡で就職したいと思い、大賀薬局を選びました。

どんなところが選ぶポイントだったのでしょう。

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ワディポップさん

まず、親が福岡出身で大学も福岡だったので、そのまま福岡に住みたいというのが一つでした。そして就職活動をするなかで、大賀薬局は福岡の中心的な薬局でしたので、選んだというのがもう一つの理由です。
大賀薬局は大きな会社で求心力もありますし、100年以上の歴史があります。それがやはり会社の信頼度にも繋がり、大賀薬局にしようと決めました。最後の決め手は、入社時の経営理念「従業員満足、お客様満足」でしたね。
従業員が満足しないと、お客様が満足しないという理念から、こんなことを考えてくれる会社があるんだと感心して、ここに就職したいと思うようになりました。

新人の頃に大変だった出来事を振り返る

YouTubeなど拝見して、皆さんすごく生き生きとされていて、素敵な場所なのだろうと感じました。実際に就職されて、患者さんとの接し方、働くなかで困ったこと、勉強になったことなどあれば教えてください。

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ワディポップさん

大変だったのが、配属先が24時間店舗だったことです。いきなり一人でやらなくてはいけない、しかも夜間で頼る人もいないっていうときが一番大変でしたね。どう対応して良いのか…と強く不安を感じました。
薬剤師は基本、女性社会なんです。人数的に女性が多い。女性1人で夜勤はさせられないでしょう?だから僕のような男性薬剤師はすぐにでも夜勤をして欲しいということで、1年目の9月くらいにはもう一人で夜勤に入るようになりました。

それは大変でしたね。

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ワディポップさん

はい。とてもプレッシャーを感じました。間違えると人の命にも関わる仕事なので、最初に貴重な経験をさせてもらったなと思っていますね。その分、自分で勉強しなければ、実行しなければというところを突き詰めていきましたので、成長は早かったんじゃないかなと勝手に自負しています。

そこを超えたというのは、ご自身の糧となられたのではと思います。1人という状況で、中には細やかな配慮は無理だと諦める薬剤師さんもいらっしゃると聞きます。その中でどうクリアしていったのでしょう?

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ワディポップさん

最初は先輩が一緒に夜勤に入ってくれます。そこで一人でやるときに言われたことは、「自分の中で検索できるツールを作れ」ということです。信頼できる検索ツールを自分の中で持っておけば、間違えることもないし、何より自分が安心できる材料にもなります。
店長も経験しましたが、今でも新人を指導するときは「誰かに頼るのでなく、自分の中の検索ツールを作るように」と指導しています。自分の中で解決できる手段を持っておく。もちろん自分たちがいるときは聞いても良いけれど、いざというときに一人でどうしていいか分からないというのは良くないですね。パニックにならないよう、準備することが大切です。

コロナ禍で感じる薬剤師の役割とやりがい

そうやって乗り越えてこられたのですね。話は変わりますが、今コロナ禍で薬剤師さんの役割が変わったと感じることはありますか?

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ワディポップさん

大きく変わったとは思ってはいません。ですがやはり病院に行きにくい時、お医者さんに聞きにくい時に気軽に入れるのは調剤薬局です。
例えば、ワクチン打つか打たないか悩んで、お医者さんにかかるのは敷居が高いでしょう?そこで調剤薬局に聞きに来る方が増えています。ほかにも僕はInstagramをやっているので、ダイレクトメッセージが来ることもあります。ファンの方や、いつも応援してくださっている方には、僕の考え方をしっかり伝えていますね。
もしワクチンの副反応で発熱した場合、解熱剤はアセトアミノフェンが良いというのは浸透してきました。ですが今、市販のアセトアミノフェンは品薄で。そんな時は診察してもらってカロナール(アセトアミノフェン系の解熱剤)を出してもらうようお話したりすることもあります。

新たな活動のひとつ「YouTubeの配信」の楽しさ

和田先生は薬剤師さんのお仕事と別に、YouTubeの配信もなさっていますね。そのお話も聞かせてください。

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ワディポップさん

きっかけは、社長からのLINEです。やってみないかと連絡がきて、即答でやりますと答えました。そこから大賀薬局の雰囲気を伝えるため会社の行事などを撮影していました。その中で大賀薬局がやっている社員だけのお祭りがあり、大賀薬局では部活動ができるのでダンスで出演するために「ダンス部」を作りました。
さらにもっと活動の場を広げるためにハロウィンやパーティーを自分で構成して開催していましたね。けっこう周りを巻き込むのが好きみたいです。こういった活動がYouTubeにも生きてきているのだと思います。

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元々部活は10ほどありましたが、現在残っている部活は、女性の美容に関する部とバレー部の2つです。今、活動できていないのですが、僕自身はまだダンス部に所属しています。活動したいのですがなかなか時間が取れなくて。

YouTubeに出演されたダンス部の方は、全員薬剤師の方なのでしょうか?

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ワディポップさん

そうですね、一人が前薬剤師で残りは全員薬剤師です。僕は大賀薬局で採用活動、リクルーターもやっていたのですが、就職活動中の人たちには魅力的に見えたみたいですね。「ダンス部いいですね」とずいぶん言われました。

多くの方のきっかけになる動画だと思います。社員の方々のよい雰囲気が伝わってきますし、ダンス自体も魅力的ですね。このような感じで副業にしたいというのはありますか。

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ワディポップさん

できれば。例えば今YouTube配信をしていますが、YouTubeのコンサルのような形で小さい会社、個人事業主などでやれたら良いなとは思っています。 YouTubeは最初の段階で色々発信したので、同じ業界の方たちの中でもSNSの発信力のある方は繋がらせていただきました。エムスリーさんでブログを書いていらっしゃるインスタグラマ-のキクオさんなどは、ダイレクトメッセージなどやりとりして親しくさせていただいていますね。皆さんすごすぎてついていけない…と思いつつも、続いています。

見ていてとても楽しいです。動画の編集は別の方がされているのですか。

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ワディポップさん

編集は僕もやっているのですが、もともとは別の人が行なっていた作業です。やるだけ面白くなってゴールはないので、時間がどんどん過ぎていきます。 動画で編集するところは、画像と音声の2つです。面白く感じられるように効果音をつけたり、拾ったほうがよい音声にテロップをつけたりするだけで、グッと動画の質があがります。そういうところに面白みを感じているのですが、今は会社の判断でなかなか出来ないですね。本心を言えば、突き詰めてやっていきたいという気持ちもあります(笑)。

経験から伝えたい、メッセージ

これがやりたい、ということがあるのは素敵ですね。最後に薬剤師の方に、何か今まで経験してきたこと、これから伝えたいことなどメッセージがあればお願いします。

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ワディポップさん

僕の経験なのですが、調剤薬局の薬剤師を3、4年経験したら、ある程度は仕事を覚えて来て次の目標を見失いそうになる時があるかと思います。そんな時に何か次に挑戦するものというのは、今までの経験と違うジャンルに手を出した方が良いと思っています。

僕の場合は、YouTubeでした。自分の中で興味のあることにちょっと挑戦してみる。これによって、たぶんそれを突き詰めることは、ほぼないかもしれないのですが、その先に広がる世界が全く違ったものになると思います。
僕もSNSで新しいつながりができたり、YouTubeを通じて僕も本部に広報として行かせていただいたりと、思いもよらなかった世界も広がっていました。なにか一つでも新しいことに挑戦すると、その先に新しい道が広がってくると思ので、自分のやったことないジャンルなど、まずは興味のあるジャンルに挑戦することは、とても大事だと僕は思っています。ぜひ、皆さんも新しいことにチャレンジしてみてください。

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井手 綾子
いで あやこ

福岡県生まれ。地方のフリーペーパーの編集を経験し、編集長となる。フリーランスとなってからは、全国紙や地方紙、webなどの編集・執筆を行う。取材経験は20年超、取材人数1000人以上。自分の闘病経験・治験を受けた経験から、医療関係、医薬品関係などの執筆に力を入れている。

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