明日使えるOTC医薬品 提案のコツ

更新日: 2024年8月29日 児島 悠史

インフルエンザの疑いがある場合の、セルフメディケーションか病院受診かの見分け方

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インフルエンザの流行期に発熱症状で市販薬を購入に来た患者さんは、ただの風邪ではなくインフルエンザを疑う必要があります。このとき、セルフメディケーションでの対応も選択肢になるのか、あるいは病院受診を勧めた方が良いのかは、その人の年齢や持病などの状況によって大きく変わります。今回は、この受診勧奨のポイントをインフルエンザのリスクから解説します。

☞この記事でわかること
  • インフルエンザの疑いがあっても、セルフメディケーションで対応できるのはどんな人か
  • インフルエンザの疑いがある場合、病院受診を勧めた方が良いのはどんな人か
  • インフルエンザの自宅療養中には、どんな症状に気を付ければ良いか

インフルエンザの疑いがある場合は、全員が病院を受診すべきか?

インフルエンザは、“ただの風邪”に比べると発熱や倦怠感などの症状が重く現れやすく1)、場合によっては死亡に繋がることもある危険な疾患です。そのため、セルフメディケーションに関わる書籍・Webコンテンツでは「インフルエンザの疑いがある人」はすべて病院を受診するように記載されていることも珍しくありません。

しかし、インフルエンザのリスクは年齢や持病の有無などによってかなり差があり、必ずしもすべての人が病院を受診しなければならないわけではありません。むしろ、分別なく受診勧奨をすることは医療機関を混雑・ひっ迫させる原因にもなります。そのため薬剤師には、セルフメディケーションの専門家として「病院を受診すべきかどうか」を個々にトリアージする、という職能の発揮も求められています。

では、具体的に「病院を受診すべきかどうか」を見分けるには、どういったところに注意すれば良いのでしょうか。

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児島 悠史
こじま ゆうし

薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CL6。
2011年に京都薬科大学大学院を修了後、薬局薬剤師として活動。
「誤解や偏見から生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、ブログ「お薬Q&A~Fizz Drug Information」やTwitter「@Fizz_DI」を使って科学的根拠に基づいた医療情報の発信・共有を行うほか、大学や薬剤師会の研修会の講演、メディア出演・監修、雑誌の連載などにも携わる。
主な著書「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100(羊土社)」、「OTC医薬品の比較の比較と使い分け(羊土社)」。

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