インフルエンザの疑いがある場合の、セルフメディケーションか病院受診かの見分け方
インフルエンザの流行期に発熱症状で市販薬を購入に来た患者さんは、ただの風邪ではなくインフルエンザを疑う必要があります。このとき、セルフメディケーションでの対応も選択肢になるのか、あるいは病院受診を勧めた方が良いのかは、その人の年齢や持病などの状況によって大きく変わります。今回は、この受診勧奨のポイントをインフルエンザのリスクから解説します。
- インフルエンザの疑いがあっても、セルフメディケーションで対応できるのはどんな人か
- インフルエンザの疑いがある場合、病院受診を勧めた方が良いのはどんな人か
- インフルエンザの自宅療養中には、どんな症状に気を付ければ良いか
インフルエンザの疑いがある場合は、全員が病院を受診すべきか?
インフルエンザは、“ただの風邪”に比べると発熱や倦怠感などの症状が重く現れやすく1)、場合によっては死亡に繋がることもある危険な疾患です。そのため、セルフメディケーションに関わる書籍・Webコンテンツでは「インフルエンザの疑いがある人」はすべて病院を受診するように記載されていることも珍しくありません。
しかし、インフルエンザのリスクは年齢や持病の有無などによってかなり差があり、必ずしもすべての人が病院を受診しなければならないわけではありません。むしろ、分別なく受診勧奨をすることは医療機関を混雑・ひっ迫させる原因にもなります。そのため薬剤師には、セルフメディケーションの専門家として「病院を受診すべきかどうか」を個々にトリアージする、という職能の発揮も求められています。
では、具体的に「病院を受診すべきかどうか」を見分けるには、どういったところに注意すれば良いのでしょうか。