感染後咳嗽(新型コロナ罹患後に長引く乾いた咳)に対応できるOTC医薬品は?
新型コロナに罹患した人は、発熱などの急性症状が治まった後にも長く不快な症状に悩まされることがよくあります。「咳」もその代表的な症状の1つですが、この新型コロナ罹患後に長引く咳にはどのように対応できるのか、市販薬で効果的なものとして何があるのかを考えてみます。
- 感染症の後に長引く乾いた咳(感染後咳嗽)は、新型コロナでも起こる
- 「感染後咳嗽」には、中枢性鎮咳薬や漢方薬を使った対症療法が有効
- 過敏になっている喉を“冷気”や“乾燥”から守るための「マスク着用」も重要
新型コロナの後遺症の“明確な治療法”はまだよくわかっていない
新型コロナウイルス感染症に罹患すると、疲労感や頭痛などの様々な症状が長引くケースがあることが知られていますが、「咳」は成人でも子どもでもこの後遺症の代表的な症状の1つとして報告されています1,2,3)。つまり、新型コロナの感染が広がっている今の日本では、罹患後に数週間から数ヶ月間に渡って咳の症状に悩まされ続けている人がたくさん居る、ということになります。
こうした新型コロナの後遺症に対する特異的な治療法・治療薬というのはまだ明確になっていません。そのため、個々の症状に合わせて対症療法をしていくしかないのが現状ですが、「咳」の症状に関しては、通常の風邪(上気道感染症)でも起こる「感染後咳嗽」への対処を参考に考えることができます。
※感染後咳嗽とは
かぜなどの上気道感染症に罹患した後に3週間以上続く咳のことで、明確なメカニズムはわかっていませんが、感染によって気道が過敏になっている、咳受容体の感受性が亢進している、といった要因が考えられています。通常は痰の絡まない“乾いた咳”が出ますが、息苦しさや喘鳴を伴うことはなく、時間経過とともに自然治癒していきますが、場合によっては8週間ほど続くこともあります4)。
「感染後咳嗽」に効果的なOTC医薬品やアイテムは…?
感染後咳嗽は基本的に時間経過とともに良くなっていくものですが、新型コロナの後遺症では6ヶ月以上も症状が続くケースも報告されており2)、その間の症状緩和やQOL維持は重要な課題と言えます。このとき、OTC医薬品にも効果を期待できるものがいくつかあります。