【OTC医薬品】インフルエンザ流行時の総合感冒薬・熱さましの選び方
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インフルエンザが流行している時期の、総合感冒薬や解熱鎮痛薬の選び方のポイントを解説します。
冬場に“風邪”で相談に来られる人の中には、「インフルエンザ」の患者さんが紛れ込んでいることがあります。検査をしなければインフルエンザかどうか判断することはできませんが、インフルエンザの可能性が疑われる場合には、総合感冒薬や解熱鎮痛薬を選ぶ際にいつもと違った注意が必要になります。
- インフルエンザの時に「アスピリン」を使うと、脳症のリスクに繋がる
- 「アスピリン」以外のNSAIDsも、“安全”が確認されているわけではない
- 薬の説明書きに、このインフルエンザに対する注意喚起は書かれていない
インフルエンザの際の「アスピリン」による脳症リスク
インフルエンザのときは、「アスピリン」や「ジクロフェナク」、「メフェナム酸」といった解熱鎮痛薬は避けたほうが無難です。これらの薬が脳症のリスクを高める恐れが指摘されている1)からです。中でも「アスピリン」は、OTC医薬品では解熱鎮痛を目的に現在も用いられているため、インフルエンザが疑われる患者さんの薬を選ぶ際には注意が必要です。
解熱鎮痛薬 | バファリンA、バファリンライト、バイエルアスピリン、エキセドリンA錠、エキセドリンプラスS |
☞「アスピリン」以外のNSAIDsは使っても大丈夫?~「アスピリン」とよく似た「エテンザミド」の扱い
先述の通り、脳症とのリスクが明確に指摘されているのは「アスピリン」「ジクロフェナク」「メフェナム酸」といった一部のNSAIDsです1)。OTC医薬品としても頻用される「イブプロフェン」や「ロキソプロフェン」については、リスクがあるという明確なデータはありませんが、安全だというデータもありません。2024年には「ロキソプロフェン」と脳症との関連を示唆する論文も報告されている2)ため、インフルエンザが疑われる際には、安全性が確認されている「アセトアミノフェン」を選んでおくのが無難です。