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明日使えるOTC医薬品 提案のコツ

更新日: 2025年7月1日 児島 悠史

「日焼け止め」を選ぶポイントと、塗布すべき“適量”はどのくらい?

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これからの季節、ますます紫外線は強くなってきます。日光を浴びることには色々なメリットがありますが、特に夏場の直射日光は肌に炎症やシミ・シワを起こす原因にもなるため、「日焼け止め」を使ったケアも欠かせなくなってきます。「日焼け止め」は“化粧品”扱いされることも多く、相談されてもあまりよくわからない…という薬剤師も多いため、基本的なポイントをおさらいしておきましょう。

☞この記事でわかること
  • 「日焼け止め」の商品に書かれた「PA」や「SPF」の意味
  • 「日焼け止め」はどのくらいの量を塗布する必要があるのか

日焼け止めの性能は、「PA」と「SPF」でわかる

「日焼け止め」の性能は、商品にも大きく記載された「PA」や「SPF」といった指標で判断することができます。この「日焼け止め」の性能は、2012年に国際規格として発行された「PA」や「SPF」が日本でも広く用いられています1)。通常、この「PA」や「SPF」は商品パッケージ等に大きく表記されているため、これを参考に商品選びをするのが基本になります。

「PA」は「Protection Grade of UV-A」の略で、肌のシミ・シワの原因となるUV-Aを防ぐ効果の指標です。「+」から「++++」の4段階で示され、並ぶ「+」が多いほど防御効果が高いことを表しています。日常使いであれば「PA+」や「PA++」程度でも十分ですが、真夏に長時間の直射日光を浴びる場合には「PA++++」といった強力なものを使うのが妥当です。

「SPF」は「Sun Protection Factor」の略で、主にUV-Bによる“日焼け”を防ぐ効果の強さを表しています。「10」から「50」までと「50+」の6段階で示され、数字が大きいほど防御効果が高いことを表しています。こちらも、真夏の炎天下で直射日光を浴びるような場合には「50」や「50+」が適しています。

防ぐもの 性能表記
PA UV-A 「+」から「++++」の4段階
SPF UV-B(日焼け) 「10」から「50」と、「50+」の6段階

※日焼け止めの基本的な性能の読み方

なお、防御効果の高い「日焼け止め」には、それだけサンスクリーン剤などの有効成分が多く配合されていることから、以前は刺激も強く、肌への負担は大きい2)、とされてきました。しかし近年は製剤技術の向上もあって、肌への負担を抑えながら高い防御効果を得られる3)ようになっているため、そこまで気にする必要はなさそうです。

日焼け止めの“適量”は、多くの人が思っている量の「2倍」

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児島 悠史
こじま ゆうし

薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CL6。
2011年に京都薬科大学大学院を修了後、薬局薬剤師として活動。
「誤解や偏見から生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、ブログ「お薬Q&A~Fizz Drug Information」やTwitter「@Fizz_DI」を使って科学的根拠に基づいた医療情報の発信・共有を行うほか、大学や薬剤師会の研修会の講演、メディア出演・監修、雑誌の連載などにも携わる。
主な著書「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100(羊土社)」、「OTC医薬品の比較と使い分け(羊土社)」。

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