OTC医薬品に「吐き気止め」の薬はある?イトプリドの効果と注意点

医療現場では、“吐き気止め”として「ドンペリドン」や「メトクロプラミド」といった薬がよく使われていますが、こうした薬はOTC医薬品としては販売されていません。そのため、OTC医薬品に“吐き気止め”の薬は存在しない、と思っている人は多いですが、意外な薬がスイッチOTCとして販売されています。今回は、そんな意外と知られていないスイッチOTCを紹介します。
- 「イトプリド」がスイッチOTCとして販売されていること
- 「イトプリド」の基本的な効果や安全性、販売時の注意点
OTC医薬品として販売されている「イトプリド」
“吐き気”に対して効果のある薬は、OTC医薬品としてはあまり多く販売されていません。そのため、吐き気の症状を相談された際には、セルフメディケーションでは漢方薬が選択肢になることが多く、西洋薬を選ぶという発想にあまり至りません。
しかし、実は慢性胃炎などによる吐き気や胸焼けに効果のある『ガナトン(一般名:イトプリド)』と同じ有効成分の製剤が、スイッチOTC『イラクナ』として販売されています。『イラクナ』は1日3錠で、医療用の『ガナトン』と同じ「イトプリド」150mgになる薬で、吐き気・嘔吐のほか、胃もたれや食欲不振に対して効能・効果が認められています1)。