OTC医薬品のロキソニンシリーズどう選ぶ?成分の違いから考える使い分け
OTC医薬品として販売されている「ロキソプロフェン」製剤の『ロキソニン』シリーズには、全部で6種類の商品があります。それぞれ、配合されている有効成分が微妙に異なるため、使う人の好みや薬を使う目的などによって明確に使い分けることが大切です。
- 『ロキソニン』シリーズには、どんな商品があるか
 - 『ロキソニン』シリーズの成分は、どんな風に違うか
 
6種類ある『ロキソニン』シリーズ
解熱鎮痛薬である「ロキソプロフェン」製剤は、OTC医薬品としても多く販売されていますが、その代表的な商品が『ロキソニンS』です。
しかしこの『ロキソニン』シリーズは、内服薬だけでも6種類あるため、多くのお客さんは「どれ選べば良いのかわからない」と困ってしまいます。
そのため、薬剤師が「配合されている有効成分の違い」に基づいて、選択を支援することが重要です。
※現在販売されている『ロキソニンS』のシリーズ(内服薬)
| 商品名 | 有効成分 | 
| ロキソニンS | ロキソプロフェンのみ | 
| ロキソニンSプラス | ロキソプロフェン+酸化マグネシウム | 
| ロキソニンSクイック | ロキソプロフェン+メタケイ酸アルミン酸マグネシウム | 
| ロキソニンSプレミアム | ロキソプロフェン+アリルイソプロピルアセチル尿素 +無水カフェイン+メタケイ酸アルミン酸マグネシウム  | 
 
| ロキソニンSプレミアムファイン | ロキソプロフェン+芍薬+ヘスペリジン+メタケイ酸 アルミン酸マグネシウム  | 
 
| ロキソニンProフィジカル | ロキソプロフェン+芍薬+甘草+酸化マグネシウム | 
見最も安価で使いやすい『ロキソニンS』
『ロキソニンS』は、医療用の『ロキソニン』と同様に「1錠にロキソプロフェン60mg」を含む製剤です。頭痛、生理痛、腰痛、歯の痛み、発熱などに対して十分な効果があります。、解熱鎮痛効果だけを求めるのであれば、基本的にはこの『ロキソニンS』を選ぶとよいでしょう。
胃を守る成分を配合した『ロキソニンSプラス』と『ロキソニンSクイック』
『ロキソニンSプラス』と『ロキソニンSクイック』は、どちらも胃を守ることを期待して、制酸薬の「酸化マグネシウム」や「メタケイ酸アルミン酸マグネシウム」を配合しています。
ただ、こうした少量の制酸薬でNSAIDsによる胃粘膜傷害を防げるかどうかはさだかではありません。制酸薬が配合されている商品だからといって、胃が弱い人でも安全に使えたり、空腹時にも服用できたりするわけではないことも理解しておきましょう。
なお、制酸薬の併用でNSAIDsの吸収がわずかに速くなるという報告はある1)ため、“クイック”という名称は侮れないかもしれません。
安易な使用には注意したい、催眠鎮静薬を配合した『ロキソニンSプレミアム』
『ロキソニンSプレミアム』には、カフェインや制酸薬のほかに、催眠鎮静薬である「アリルイソプロピルアセチル尿素」が配合されています。