薬剤師がOTC医薬品から「一番よく効く花粉症の薬」を選ぶポイント
今年も花粉症シーズンがやってきます。多くの場合、花粉症の患者さんは「一番よく効く薬」を求めていますが、これはどのように選べば良いのか、科学的根拠(エビデンス)と薬を使う人の事情や価値観の両方を踏まえた選択のポイントを解説します。
- 花粉症の症状に“最も効果的”な薬はどれか
- シーズンを通して使える「ステロイドの点鼻薬」の選び方
- 敢えて「抗ヒスタミン薬(内服)」を選ぶのはどんな時か
「一番よく効く」のは、ステロイドの点鼻薬
花粉症の治療に使えるOTC医薬品としては、主に「抗ヒスタミン薬の飲み薬」と「ステロイドの点鼻薬」があります。日本では、手軽に使用できる「抗ヒスタミン薬の飲み薬」が人気ですが、花粉症によるくしゃみ・鼻水・鼻づまりの症状に対しては、「ステロイドの点鼻薬」の方が圧倒的によく効きます1,2)。そのため、花粉症に“一番よく効く薬”を求められた場合には、「ステロイドの点鼻薬」を提案するのが合理的です。
特に「ステロイドの点鼻薬」は、「抗ヒスタミン薬の飲み薬」が効きにくい鼻づまり3)にも効果的で、なおかつ目の痒みに対する効果も劣らず4)、そのうえ眠くなる副作用もありません。花粉症の症状に悩む多くの人にとって、「ステロイドの点鼻薬」は最も優先的に選ぶべき第一選択薬となり得る薬と言えます。
OTC医薬品の花粉症治療薬のおおまかな分類
引用元:OTC医薬品「花粉症治療薬」のおおまかな分類(筆者作成)
薬剤師の中にも、「ステロイドの点鼻薬」は症状が酷くなってからしか使えない、と思っている人は多いですが、現在のガイドラインでは軽症の段階から推奨されている第一選択薬の1つ5)になっています。
「季節性アレルギー専用」と銘打った商品を選ぶのがポイント
OTC医薬品として販売されている点鼻薬には、多くの場合「ステロイド」だけでなく、「ナファゾリン」等の「血管収縮薬」も配合されています。この「血管収縮薬」は、一時的な鼻づまりの解消には役立ちますが、連用していると循環器・代謝系へ悪影響を及ぼす6)ほか、薬剤性鼻炎を起こす原因7)にもなります。あくまで緊急時の“切り札”であって、花粉症のシーズンを通して使い続けることがないよう、注意する必要があります。
なお、こうした「血管収縮薬」の入っていない、花粉が飛んでいるシーズン(※3ヶ月)を通して使い続けられる「ステロイドの点鼻薬」には、「季節性アレルギー専用」と銘打たれていますので、商品選びの際は参考にしてください。
| エージーアレルカットEXc <季節性アレルギー専用> | |
| フルナーゼ点鼻薬 <季節性アレルギー専用> | |
| ナザールαAR0.1% <季節性アレルギー専用> | |
| ナザールαAR0.1%C <季節性アレルギー専用> | |
| パブロン鼻炎アタックJL <季節性アレルギー専用> | |
| ST点鼻薬クールプラス <季節性アレルギー専用> |
※「季節性アレルギー専用」と銘打たれた商品の例