「ヘパリン類似物質」の使いどころ~ワセリンや尿素との使い分け
医療用医薬品の『ヒルドイド』で有名な「ヘパリン類似物質」は、保湿剤として非常に有用な薬ですが、実はOTC医薬品でも様々な商品が販売されています。しかし、安価な「ワセリン」や「尿素」の商品に比べると値段がやや高く、どんな場面でも気軽に提案できるわけではありません。
そこで今回は、この「ヘパリン類似物質」の使いどころはどんなところにあるのか、「ワセリン」や「尿素」とはどういった使い分けをするのが良いのか、薬剤師として押さえておきたいポイントを解説します。
- 「ヘパリン類似物質」にはなぜ“保湿”の効果があるのか
- OTC医薬品では、「ヘパリン類似物質」の商品としてどのようなものがあるのか
- より安価な「ワセリン」や「尿素」とはどういった使い分けをすべきか
- 「ヘパリン類似物質」の商品では、「目の周り」に使えるものと使えないものが混在している理由
「ヘパリン類似物質」が“保湿剤”として有効な理由
「ヘパリン類似物質」は、化学構造としては「D-グルクロン酸」と「N-アセチル-D-ガラクトサミン」からなる二糖が繰り返されるムコ多糖です1)。
構造には、硫酸基やカルボキシ基、水酸基など多くの親水基が含まれるため、水をよく集めて保持する性質があります。これが、「ヘパリン類似物質」が“保湿”の効果を発揮するメカニズムです。
医療用医薬品『ヒルドイド』としてもよく用いられており、特にアトピー性皮膚炎の治療などでは欠かせない薬の1つになっています。ちょっとした皮膚の乾燥や荒れ、ひび・あかぎれなどにも有効なため、OTC医薬品としても多くの商品が販売されています。
※「ヘパリン類似物質」が配合されているOTC医薬品の保湿剤
| ヘパリン類似物質 | RD-HPスキンクリーム、メンタームHPプラス、メンソレータムヘパソフトプラス、キュアレアドライ、クリニラボヘパリオ(クリーム/ローション)、ヒルメナイド(HD/スプレー/プレミアムクリーム/油性クリーム/ローション)、ビーソフテン(αローション/泡スプレー/クリーム)、ヘパソフト、ヘパロイド、マーカムHP(クリーム/ローション)、ルメリアHP |
(日本OTC医薬品協会のデータベースに掲載されているもの)
「ワセリン」や「尿素」との違いは?~保湿剤を使い分けるポイント
基本的に「ヘパリン類似物質」は、「ワセリン」や「尿素」といった他の保湿剤に比べると、角質での水分保持作用が強力2)です。そのため、一般的に“高い保湿剤”を求められた際には「ヘパリン類似物質」が第一選択になります。