アメリカの薬学部ランキング
アメリカでは薬剤師資格を得るために薬学博士課程(Pharm D)を修了することが必要だ。薬剤師の認定は州単位だが、どこの州もNAPLEXという共通試験を利用していて、この試験の受験資格にPharm Dが指定されている。Pharm Dの取得には時間的にも金銭的にも多大な投資が必要であり、どの学校・プログラムに通うかは重要視される。アメリカの大学ランキングでも最も知られているUS Newsによると、上位5校は以下だ。
- カリフォルニア大学サンフランシスコ校
- ノースキャロライナ大学チャペルヒル校
- ミネソタ大学
- テキサス大学オースティン校
- ケンタッキー大学
興味深いことに全ての大学が州立大学で、大学ランキングの常連であるアイビーリーグの大学は入っていない。実際、ハーバードには薬剤師養成のプログラムが存在しない(薬理学など薬学関係のプログラムは存在する)。医学部にあたるメディカルスクールのランキングを見るとリサーチとプライマリーケアでランキングが分かれており、リサーチには私立大学が多く入っている一方で、プライマリーケアは主に州立の大学に専有されている。これはPharm Dのプログラムが実務家養成という側面を示している。
ちなみに上記のランキングトップに入っているカリフォルニア大学サンフランシスコ校はランクされている他の総合大学とはかなり性質の違う大学で、医学・歯学・薬学・看護学など医療系の大学院大学だ(一方、同じくカリフォルニア大学のキャンパスで近郊にあるバークレー校にはメディカルスクールがない)。先進的な医学研究で知られ、2012年にノーベル生理学医学賞を受賞した山中伸弥氏は、京都大学教授であると同時に、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の教授でもある。彼がノーベル賞を受賞した際には所属するグラッドストーン研究所からすぐにクオリティの高いニュース記事が公開され、アメリカの大学・研究所の情報発信力の高さに驚かされた。
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