「オーソライズドジェネリック」と「バイオシミラー」
ジェネリック医薬品への注目が高まるとともに、話題にのぼっているのが「オーソライズドジェネリック」と「バイオシミラー」だ。今回は、両者の特徴について紹介する。
■オーソライズドジェネリックとは先発医薬品と全く同じ成分(原薬や添加物、製造方法まで全て)のジェネリック医薬品。
【特徴】
- 先発医薬品の特許が切れる半年前から、独占販売が認められている。
- 新薬メーカーがジェネリックメーカーに特許を与えて開発しており、他のジェネリック医薬品に先駆けて発売が可能。
- ジェネリック医薬品の開発に必要な試験を省略できる。
【現在の状況】
現在、日本では4製品のみ販売されている。
- アレグラ錠(サノフィ)⇒フェキソフェナジン塩酸塩錠「SANIK」(日医工サノフィ社)
- ディオバン錠(ノバルティスファーマ)⇒バルサルタン錠「サンド」(サンド)
- ブロプレス錠(武田薬品工業)⇒カンデサルタン錠「あすか」(あすか製薬)
- クラビット錠(第一三共)⇒レボフロキサシン錠「DSEP」(第一三共エスファ)
※2015年末頃発売予定:オーグメンチン配合錠(GSK)⇒アモキシシリン水和物・クラブラン酸カリウム錠(アスペンジャパン)をはじめとする4製品
■バイオシミラーとはバイオ医薬品のジェネリック医薬品。
※バイオ医薬品:組み換えDNA技術、細胞融合法、細胞大量培養法などのバイオテクノロジーで製造された医薬品。癌、糖尿病、C型肝炎、慢性腎不全などの複雑な慢性疾患の治療や、血友病、ファブリー病、発育不全、多発性硬化症、クローン病などの希少疾患の治療で使用されている。
【特徴】
- 先発のバイオ医薬品よりも分子構造が大きく複雑であるため、先発バイオ医薬品との同一性を示すことが困難。
- 開発には新薬とほぼ同様の試験を行う必要があり、申請の際にはそれら全てのデータが必須。さらに製造販売後に安全性に関する調査を行なわなければならない。
【現在の状況】
- 「ソマトロピン」「エポエチンアルファ」「フィルグラスチム」のバイオシミラーが市販されている。
- 2014 年7 月、インフリキシマブのバイオシミラーが、日本ではじめての抗体薬のバイオシミラーとして承認された。
掲載内容は、記事公開時のものであり、現時点における最新情報ではない可能性があります。