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更新日: 2014年12月18日

「このカプセルの原料はゼラチンですか?」

「オーソライズドジェネリック」と「バイオシミラー」の画像

アメリカからベジタリアンの友人が来日した時、「風邪をひいたので、ドラッグストアで一緒に薬を探して欲しい。」と頼まれた。海外から訪れる友人たちから「体調がすぐれないので一緒にドラッグストアに来てほしい」と頼まれることは珍しくなく、外国人患者とのコミュニケーションに不安を感じている薬剤師が多いように、言葉が通じない状況で薬を購入することに不安を感じている外国人観光客も多いようだ。

友人は鼻詰まりの症状で悩んでいることを薬剤師に伝え、とあるカプセルのOTC医薬品を薦めてもらった。すると彼女に、「このカプセルの原料はゼラチン?私ベジタリアンだから、もしゼラチンだったら摂取できないの。」と言われ、筆者自身は今までカプセルがゼラチンから生成されていることを意識することがなかったので、その時に初めてベジタリアンの人にはカプセル以外の剤形を選ばなくてはいけないことに気がついた。

日本ではまだ珍しいが、世界的に見ると宗教上だけでなく、環境・動物保護の観点、健康上の理由からベジタリアンになる人は多い。欧米では全人口の約5%ほどがベジタリアンがいるというが、欧米の都心部では広義での“ベジタリアン”は10%ほどいるのではないかと思うほど多い。
ベジタリアンになった理由(宗教上、健康上、環境上など)により、「孵化してないから卵はOK!」「乳製品はOK!」など厳密さのレベルも様々であるが、どのレベルにおいても医薬品を選ぶ際にカプセル錠を避ける人は多いようだ。日本ではあまり見かけないが、海外のサプリメントなどには植物由来のベジタリアンカプセルなども存在する。

患者がベジタリアンか否かは、見た目では判断できない。大抵の場合は、今回の事例のように患者本人から「私はベジタリアンなので、ゼラチンが原料のカプセルは飲めない。」と伝えてくれるだろうが、言語が通じないために目的の医薬品を購入できない患者もいるのではないだろうか。海外からの患者を接客する際には、言語の違いだけでなく、文化の違いも考慮しながらコミュニケーションを取ることが必要となる。東京オリンピック開催に向けて、今後増えると思われる外国人の患者。接客する患者がベジタリアンである可能性があることを、時々思い出して欲しい。

掲載内容は、記事公開時のものであり、現時点における最新情報ではない可能性があります。

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