『小児科ファーストタッチ』の岡本光宏医師がクイズで解説! 薬剤師に知って欲しい「子どもと薬の話」

更新日: 2025年12月23日 岡本光宏

【医師が解説】熱性けいれん既往児に処方された「鎮静性抗ヒスタミン薬の危険性

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小児のウイルス性上気道炎(いわゆる「普通の風邪」)の鼻汁に対して、抗ヒスタミン薬の効果はほとんどない、というのが現在の国際的・国内的コンセンサスです1)。しかし、アレルギー性鼻炎の合併が否定できないなどの理由で、小児の「発熱・咳嗽・鼻汁」に対して抗ヒスタミン薬は処方されやすいのが現状です。

今回の症例は、熱性けいれんの既往がある児です。本ケースの注意点と、その背景を考えてみましょう。

「アセトアミノフェン細粒」と「カルボシステインシロップ」、「ペリアクチン®(シプロヘプタジン)シロップ」が処方された子どもの背景

3歳男児。本日から発熱、咳嗽、鼻汁があり近医を受診。ウイルス性上気道炎と診断され、アセトアミノフェン細粒とカルボシステインシロップ、ペリアクチン®(シプロヘプタジン)シロップが処方された。

お薬手帳を確認すると、他院で 「ダイアップ®(ジアゼパム)坐剤」の処方歴が1年前から2回あった。

保護者に確認すると、1年前にけいれん重積(15分以上のけいれん)があり、以降発熱時には使用しているとのことである。最近転居したばかりで、今回受診した診療所には熱性けいれん既往の件は伝えていないとのこと。

クイズ!熱性けいれん歴のある子どもへ適切な対応でないものは?

本日の患者さんに対する、薬剤師としての適切な対応ではないものはどれでしょうか。①~③から選んでください。

  • 「ペリアクチン®(シプロヘプタジン)」を第二世代抗ヒスタミン薬である「ザジテン®(ケトチフェン)」に変更するよう疑義紹介する。
  • 処方医に連絡し、患児に熱性けいれん既往があることを伝える。
  • 解熱薬およびジアゼパム坐剤の使い方を再確認する。

岡本医師が解説!「抗ヒスタミン薬は種類を問わず、小児の感冒に投与しても、鼻汁は減少しない」

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岡本光宏
おかもとみつひろ

おかもと小児科・アレルギー科院長。 奈良県立医科大学部卒業。同年神戸大学大学院医学研究科小児科学分野に入局。姫路赤十字病院、明石医療センター、兵庫県立丹波医療センター 小児科医長を経て、2023年7月、兵庫県三田市で「おかもと小児科・アレルギー科」を開院。新生児から思春期の心の疾患まで幅広く診察している。3児の父として、子育てにも積極的に関わる。 著書に『研修医24人が選ぶ 小児科 ベストクエスチョン』(中外医学社)、『初期研修医・総合診療医のための 小児科ファーストタッチ』(じほう)など。

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