ぺんぎん薬剤師が解説する2024(令和6)年度調剤報酬改定のポイント

更新日: 2024年3月28日 ぺんぎん薬剤師

2024年度調剤報酬改定の背景や全体像、調剤基本料・各種加算の改定

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「ぺんぎん薬剤師が解説する2024(令和6)年度調剤報酬改定のポイント」では、3つの記事に分けてまとめています。

「診療報酬改定2024まとめ」の画像

目的とする内容に応じた記事を読んでいただければと思います。

2024(令和6)年度調剤報酬改定の背景と全体像

2024(令和6)年度の調剤報酬改定について考える上で、押さえておきたい今回の診療報酬改定の背景や全体像について、ポイントを整理します。

2024診療報酬改定の背景

2024年度の診療報酬改定は、様々な点で節目となっており、極めて重要な改定です。

2024(令和6)年度 診療報酬改定

  • 医療・介護・障害福祉サービスのトリプル改定
  • ポスト2025年に向けた最後の改定
  • 第8次医療計画の開始
  • 医師の働き方改革の開始
  • 医療DX/診療報酬改定DXの導入
  • 物価高騰に伴う賃上げ対応

2024(令和6)年度の診療報酬改定は、これらのキーワードを取り入れたものになっており、調剤に関する部分にも大きく影響しています。

2024診療報酬改定の実施時期

診療報酬改定DXの一つとして、2024(令和6)年度診療報酬改定の実施時期が、従来の4月から6月に後ろ倒しされました。告示は例年通り3月に行われましたが、改定が実施されるのは6月となり、十分準備をもって臨むことが可能になっています。

2024診療報酬改定の全体像(改定率)

2024(令和6)年度診療報酬改定の改定率は、+0.88%と発表されています。この数字だけ見ると、過去10年で最大のプラス改定になりますが、そのまま評価するには難しい内容となっています。

まず、この+0.88%には、「看護職員、病院薬剤師その他の医療関係職種について、令和6年度にベア+2.5%、令和7年度にベア+2.0%を実施していくための特例的な対応(+0.61%)」、「入院時の食費基準額の引き上げ(1食当たり30円)の対応(うち、患者負担については、原則、1食当たり30円、低所得者については、所得区分等に応じて10~20円)(+0.06%)」、「生活習慣病を中心とした管理料、処方箋料等の再編等の効率化・適正化(▲0.25%)」が含まれており、これらを除くと+0.46%となります。

実際に、資料の中でも各科改定率(医科+0.52%、歯科+0.57%、調剤+0.16%)は+0.46%をベースに考えられています。

ですが、+0.46%の中には、「40歳未満の勤務医師・勤務歯科医師・薬局の勤務薬剤師、事務職員、歯科技工所等で従事する者の賃上げに資する措置分(+0.28%程度)を含む」と記載されており、それを除くと、改定率は+0.18%となります。

賃上げ関連等を除いた改定率は+0.18%。大きく報じられた+0.88%とは大きく異なる数字になります。また、これら改定率とは別の部分で、「調剤基本料等の適正化」が行われることが明記されており、調剤に注目して考えると、かなり厳しい改定であることが予想されていました。

2024(令和6)年度の調剤基本料に関する改定のまとめ

最初に、2024(令和6)年度診療報酬改定で実施される、調剤基本料に関連する改定内容を簡単に整理します。

  • 調剤基本料:+3点(特別調剤基本料を除く)
     ※調剤基本料2の施設基準見直し
  • 特別調剤基本料:AとBに2分化(マイナス改定)
  • 地域支援体制加算:−7点
     ※調剤基本料1を算定する場合の施設基準強化
  • 連携強化加算:+3点
     ※施設基準強化、地域支援体制加算なしで算定可能に
  • 後発医薬品調剤体制加算:変更なし
  • 医療DX推進体制整備加算:新設
  • 在宅薬学総合体制加算:新設

調剤基本料

今回の改定における点数の変化を表にまとめます。

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ぺんぎん薬剤師
ぺんぎんやくざいし

4年制薬学部を卒業後、大学院では特許を取得。その経験を患者さんの身近な場所で活かしたいと考え薬局に就職。薬局では通常の薬局業務に加え、学会発表、研修講師、市民講座など、様々な形で「伝えること」を経験。自分の得た知識を文章にし、伝えていくことの難しさと楽しさを学ぶ。 薬局での仕事が忙しくなる中、後輩に教える時間がなくなり、伝える場としてブログ「薬剤師の脳みそ」の運営を開始。その後はTwitter、Facebook、Instagramなどの各種SNSも開始し、より多くの薬剤師に有意義な情報を提供できるメディアを目指して運営を続けています。

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