ぺんぎん薬剤師が解説する2024(令和6)年度調剤報酬改定のポイント

更新日: 2024年3月28日 ぺんぎん薬剤師

退院から看取りまで、真の在宅診療を進める2024年度調剤報酬改定

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「ぺんぎん薬剤師が解説する2024(令和6)年度調剤報酬改定のポイント」では、3つの記事に分けてまとめています。

「診療報酬改定2024まとめ」の画像

目的とする内容に応じた記事を読んでいただければと思います。

2024(令和6)年度調剤報酬改定では、在宅診療に関する見直しが多く行われ、点数の新設など、重点的な評価が行われています。ですが、そこから見えるのは単純に在宅診療を行えばいいというものではなく、患者さんが自宅で療養するにあたって、薬局が担うべき役割が示された改定になっています。

在宅薬学総合体制加算

調剤基本料の加算として、新たに在宅薬学総合体制加算1・2が設定されます(そのほかの調剤基本料の加算については、「2024年度調剤報酬改定の背景と全体像」を参照)。

ただし、算定できるのは、在宅訪問を行なっている患者の処方箋を受け付けたときに限定され、在宅患者調剤加算(薬剤調製料)と同様の考え方の点数です。在宅薬学総合体制加算の新設に伴い、在宅患者調剤加算は廃止されます。

2022(令和4)年(薬剤調製料) 2024(令和6)年(調剤基本料)
在宅患者調剤加算: 15点 在宅薬学総合体制加算1: 15点
在宅薬学総合体制加算2: 50点

在宅薬学総合体制加算1

在宅薬学総合体制加算1の施設基準は、在宅患者調剤加算と類似した内容になっています。

在宅患者調剤加算 在宅薬学総合体制加算1
在宅患者訪問薬剤管理指導の届出 在宅患者訪問薬剤管理指導の届出
在宅訪問の算定回数 年10回以上 在宅訪問の算定回数 年24回以上
緊急時等の開局時間以外の
在宅業務対応体制
緊急時等の開局時間以外の
在宅業務対応体制
在宅業務実施体制の周知 開局時間外における
在宅業務対応体制の周知
在宅業務従事者等の資質向上のため
の研修実施計画を作成・実施
在宅業務従事者等の資質向上のため
の研修実施計画を作成・実施
医療材料・衛生材料の供給体制 医療材料・衛生材料の供給体制
麻薬小売業者の免許 麻薬小売業者の免許

在宅訪問の算定実績が年10回から24回に増えていることが一番の変化です(他にも細かい変化はあります)。

在宅薬学総合体制加算2

在宅薬学総合体制加算2の施設基準は、在宅薬学総合体制加算1に要件を上乗せした形になっています。

在宅薬学総合体制加算2
・在宅薬学総合体制加算1の施設基準を満たす
・2名以上の保険薬剤師が勤務、開局時間内の調剤応需体制
・かかりつけ薬剤師指導料(包括管理料)を年24回以上算定
・高度医療機器販売業の許可
・以下のいずれかを満たす
以下の①・②を満たす
①医療用麻薬の備蓄(注射剤1品目以上を
 含む6品目以上)・供給体制
②無菌製剤処理を行うための無菌室、
 クリーンベンチ又は安全キャビネットの設置
・在宅患者訪問薬剤管理指導料、
・在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、
・在宅患者緊急時等共同指導料
 の「小児特定加算」・「乳幼児加算」を
 年6回以上算定

在宅移行初期管理料

在宅訪問を開始する前、在宅への移行期における薬学管理や医師・介護関係者との連携を評価する点数が新設されます。

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ぺんぎん薬剤師
ぺんぎんやくざいし

4年制薬学部を卒業後、大学院では特許を取得。その経験を患者さんの身近な場所で活かしたいと考え薬局に就職。薬局では通常の薬局業務に加え、学会発表、研修講師、市民講座など、様々な形で「伝えること」を経験。自分の得た知識を文章にし、伝えていくことの難しさと楽しさを学ぶ。 薬局での仕事が忙しくなる中、後輩に教える時間がなくなり、伝える場としてブログ「薬剤師の脳みそ」の運営を開始。その後はTwitter、Facebook、Instagramなどの各種SNSも開始し、より多くの薬剤師に有意義な情報を提供できるメディアを目指して運営を続けています。

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