対人業務の強化〜かかりつけ薬剤師としての実績の評価に
令和8(2026)年度調剤報酬改定では、調剤管理料について大幅な見直しが行われ、8日以上28日未満の処方が多い薬局にとってはかなり厳しい改定になりました。
加えて、かかりつけ薬剤師についても大きな見直しが行われ、かかりつけ薬剤師になることよりも、かかりつけ薬剤師として何を行うかが評価される仕組みに変更されます。
1.調剤管理料とその加算の見直し
26改定前・改定後の調剤管理料点数比較/ぺんぎん薬剤師作成
調剤管理料の見直し
調剤管理料1(内服薬を調剤した場合)の大きな見直しが実施されます。
これまで4つに区分されていたものが2つの区分となり、28日分以上(イ)かそうでない(ロ)かで分けられます。
26改定前・改定後の調剤管理料の変化/ぺんぎん薬剤師作成
29日分以上の場合は変化なし、28日分の場合(50点→60点:+10点)と1〜7日分の場合(4点→10点:+6点)はプラスになりますが、それ以外は全て大きくマイナスになります。
長期処方が増えている内科の外来診療では大きな影響はないかもしれませんが、月2回の受診が基本になる場合はかなりのマイナスになります。
訪問診療は月2回行うケースが多いと思うので、在宅を算定している患者さん、特に施設の場合は大きなマイナスになりそうです(剤数にもよりますが、個人在宅の場合は在宅薬学総合体制加算2を算定できればある程度カバーできます)。
調剤管理料2(内服薬以外の場合)については、4点から10点に引き上げとなっています(1の1〜7日分と同じ変更)。
整形外科や眼科、皮膚科等で外用薬のみが処方されるようなケースにおいてはプラス改定となります。
重複投薬・相互作用等防止加算の見直し
調剤管理料の重複投薬・相互作用等防止加算、薬学管理料(在宅)の在宅患者重複投薬相互作用等防止管理料は廃止となります。
新たに残薬調整を行った場合の点数と薬学的観点により疑義照会を行い処方が変更された場合の点数が新設されます。
① 調剤時残薬調整加算
残薬調整に係る点数として、新たに調剤時残薬調整加算が新設されます。
26改定前・改定後の残薬調整に関する評価の変化/ぺんぎん薬剤師作成
調剤時残薬調整加算が新設されたことにより、これまで外来(重複投薬・相互作用等防止加算ロ)と在宅(在宅患者重複投薬相互作用等防止管理料1・2のロ)でわかれていたものがひとつの点数で評価されることになります。
その代わりに、調剤時残薬調整加算自体はイ〜ニの4つに区分されます。
上の図に示していますが、これまでの評価に加えて、新たにかかりつけ薬剤師が行う場合が追加されています。
在宅(処方前の提案・処方後)、外来(かかりつけ)については20点→50点と大幅なプラスとなっています。
それ以外の外来(かかりつけ以外)も20点→30点とプラスになっており、薬剤師における残薬調整に対する期待が反映されている形です。
処方箋様式の見直しと減数調剤
重複投薬・相互作用等防止加算と在宅患者重複投薬相互作用等防止管理料1のロは疑義照会に基づく変更が算定要件に含まれていましたが、調剤時残薬調整加算の場合、疑義照会は必須ではありません。その理由として、処方箋様式の変更があります。
処方箋の新様式
「保険薬局が調剤時に残薬を確認した場合の対応」として、「調剤する薬剤を減量した上で保険医療機関に情報提供」に印が入っていれば、疑義照会を行わずに残薬調整を行うこと(減数調剤)が可能です。
ただし、この場合は、
①患者に対して次回受診時に処方医へ残薬の状況を報告するように促すこと
②手帳を用いた服薬指導を行う場合は手帳にその旨を記載すること
③原則、翌営業日までに、処方元に対して患者の残薬の状況、その理由及び実際に患者へ交付した薬剤の投与量、患者への説明内容等について情報提供を行うこと
上記が定められています。
少し大変ではありますが、③の情報提供について、残薬が生じた理由を分析する等の要件を満たすことで服薬情報等提供料1を算定することが可能となっています。
算定可能なのは7日分以上の残薬調整
調剤時残薬調整加算は7日分以上の残薬調整を行った場合に算定可能となっています。6日分以下の残薬調整については原則算定不可ですが、高額医薬品や治療終了予定日が決まっている薬剤、投与間隔が長い薬剤の他に薬学的観点から必要と判断される場合には算定可能となっています。
その場合はレセプト摘要欄に理由の記載が必要です。
② 薬学的有害事象等防止加算
残薬以外の評価として、薬学的有害事象等防止加算が新設されます。
26改定前・改定後の薬学的な疑義照会についての評価の変化/ぺんぎん薬剤師作成
薬学的有害事象等防止加算も調剤時残薬調整加算と同様に、これまで外来(重複投薬・相互作用等防止加算イ)と在宅(在宅患者重複投薬相互作用等防止管理料1・2のイ)でわかれていたものをひとつの点数で評価する形です。
イ〜ニの4つに区分され、新たにかかりつけ薬剤師が行う場合が追加されるのも同じですが、点数も薬学的有害事象等防止加算と同じになっているので、在宅(処方前の提案・処方後)、外来(かかりつけ)については40点→50点でプラスですが、それ以外の外来(かかりつけ以外)については40点→30点でマイナスになっています。
薬学的有害事象等防止加算の算定要件やレセプト摘要欄への記載事項は、これまで(重複投薬・相互作用等防止加算イ、在宅患者重複投薬相互作用等防止管理料1・2のイ)と同じです。調剤時残薬調整加算とは異なり、疑義照会が算定要件に含まれているため、問合せの簡素化プロトコル等による疑義照会を省略した変更では算定を行うことができないため注意が必要です。
2.服薬管理指導料とかかりつけ薬剤師指導料の見直し
26改定前・改定後の服薬管理指導料とかかりつけ薬剤師指導料の見直し/ぺんぎん薬剤師作成
① かかりつけ薬剤師指導料(かかりつけ薬剤師包括管理料)の廃止
かかりつけ薬剤師指導料とかかりつけ薬剤師包括管理料は廃止となり、新たに服薬管理指導料の区分にかかりつけ薬剤師が行う場合が新設されました。
かかりつけ薬剤師に関する施設基準については、服薬管理指導料の注1に関する施設基準として見直しが行われています。
26改定前・改定後のかかりつけ薬剤師の施設基準/ぺんぎん薬剤師作成
② 服薬管理指導料の見直し
服薬管理指導料1・2がそれぞれ2つに区分され、1のイと2のイがかかりつけ薬剤師が指導を行った場合になります。