ぺんぎん薬剤師のスッキリわかる臨床ニュース

更新日: 2022年12月10日 ぺんぎん薬剤師

既存薬の可能性を論じることの問題点

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参考記事
イベルメクチン、新型コロナへの有効性認めず 軽症患者1030例で臨床試験

興和株式会社は9月26日、軽症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を対象に進めていたイベルメクチンの第3相臨床試験の結果を公表した。「主要評価項目において、統計的有意差が認められなかった」としている。
(詳しくは興和株式会社ホームページ:
https://www.kowa.co.jp/news/2022/press20220926.html)

イベルメクチンに期待された効果

イベルメクチンは北里大学 大村智記念研究所・大村智特別栄誉教授が発見したマクロライド系抗生物質です。日本ではストロメクトール錠の製品名で抗寄生虫薬として承認されており、腸管糞線虫症と疥癬に対する適応を取得しています。このイベルメクチンが新型コロナウイルス感染症の治療に利用できるかもしれないという報告があり、臨床試験の実施が期待されていました。

2021年7月、興和株式会社は発見者である大村智特別栄誉教授からの依頼により、イベルメクチンの新型コロナウイルスに対する臨床試験を開始しました。
(開発コードK-237、詳しくは興和株式会社ホームページ:
https://www.kowa.co.jp/news/2022/press20220926.html)
試験は花木秀明教授、愛知医科大学・三鴨廣繁教授、東京都医師会(会長:尾﨑治夫医師)の協力の下進められていました。

イベルメクチンはSARS-CoV-2の細胞内への侵入抑制と複製阻害という作用が報告されており、感染細胞を用いた実験で、アルファ株・ベータ株・ガンマ株・デルタ株に加えてオミクロン株に対しても抗ウイルス効果があることが確認されています。
(詳しくは興和株式会社ホームページ:
https://www.kowa.co.jp/news/2022/press20220926.htm)

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ぺんぎん薬剤師
ぺんぎんやくざいし

4年制薬学部を卒業後、大学院では特許を取得。その経験を患者さんの身近な場所で活かしたいと考え薬局に就職。薬局では通常の薬局業務に加え、学会発表、研修講師、市民講座など、様々な形で「伝えること」を経験。自分の得た知識を文章にし、伝えていくことの難しさと楽しさを学ぶ。 薬局での仕事が忙しくなる中、後輩に教える時間がなくなり、伝える場としてブログ「薬剤師の脳みそ」の運営を開始。その後はTwitter、Facebook、Instagramなどの各種SNSも開始し、より多くの薬剤師に有意義な情報を提供できるメディアを目指して運営を続けています。

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