新規経口GLP-1受容体作動薬に関与する日本企業の技術
参考記事:そーせいの2型糖尿病薬、ファイザーがP2開始 1日1回の経口投与を可能にする次世代低分子GLP-1受容体作動薬(掲載終了)
そーせいは21日、提携先のファイザーが、経口GLP-1受容体作動薬の2型糖尿病および肥満症を対象とした第2相臨床試験(P2)を開始したと発表した。このマイルストン達成で、そーせいはファイザーから1000万ドル(約13億4500万円)を受け取る。今回のマイルストンは全額、今期の売り上げになる見込み。
P2を開始した「PF-07081532」は、1日1回の経口投与を可能にする次世代低分子GLP-1受容体作動薬。ファイザーがそーせいグループ独自のStaR(安定化受容体)技術を利用し見いだしたもので、2型糖尿病と肥満症が対象。このほかの品目でも、炎症性腸疾患や拒食症に対しても開発が進んでおり、それぞれP1が進行中だ。
そーせいグループ独自のStaR(安定化受容体)技術を用いて探索された新規経口GLP-1受容体作動薬(PF-07081532)が第2相臨床試験を開始したというニュースです。
気になるのはそーせいグループ独自と説明されている「StaR(安定化受容体)技術」です。初めて耳にしたものだったので、どのような技術なのか調べてみました。
1、そーせいグループが関わった医薬品
そーせいグループは創薬バイオベンチャーと呼ばれる会社です。複数の医薬品に関わっているのですが、導出や販売委託の形をとっているので直接関わることは少なく、聞き馴染みのない方もいるかもしれませんが、皆さんもご存知の薬に関わっている企業になります。
日本で販売されている医療用医薬品のうち、そーせいグループが関わったものをまとめてみます。
- ノルレボ錠0.75mg:フランスのHRA社から導入する形で製造販売権を取得。その後、販売元のあすか製薬に製造販売権を承継。現在は、1.5mg製剤の販売に合わせて0.75mg製剤の販売は終了。
- シーブリ吸入用カプセル50μg:イギリスのアラキス社が開発(グリコピロニウム臭化物の用途特許)。そーせいはアラキス社を買収後、ノバルティスに導出。
- ウルティブロ吸入用カプセル:同上
- エナジア吸入用カプセル:同上
- オラビ錠口腔用50mg:フランスのBioAlliance Pharma社から導入する形で製造販売権を取得。当初は富山化学が販売を行なっていたが、現在は久光製薬が販売。