臨床情報まるわかり!ファーマスタイル!

更新日: 2020年11月27日 薬剤師コラム編集部

慢性閉塞性肺疾患 ”タバコ病”の恐怖

慢性閉塞性肺疾患 ”タバコ病”の恐怖のメイン画像

全国の薬剤師へ専門性の高い最新の医薬情報を提供している月刊誌ファーマスタイル。そのWEB版がm3.comで閲覧できるようになりました。薬剤師なら押さえておきたい医療記事を毎月ピックアップしてご紹介します。

慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease:COPD)は、主にタバコの煙などの有害物質に長期に曝露することによって起こる慢性の呼吸器疾患で、慢性的な気管支炎や肺胞の破壊による肺気腫が複合的に関与している進行性の疾患です。

2019 年の人口動態統計によると、COPD の死亡総数は17,836名(男性14,822名、女性3,014名)で、男性では死因の第8位となっています。一方で、COPDは、認知度が25%程度と、一般的にあまり認知されていない疾患とも言えます。

COPD の罹患者数は現在500 万人超と推定されていますが、実際に治療を受けているのはそのうち数十万人程度というのが現状です。

「吸入薬指導加算」の新設 薬剤師の吸入療法への期待値

COPDと診断された場合、何よりも重要なのは禁煙です。喫煙を続ける限りCOPD の症状は進行すると考えてよいでしょう。

COPDが進行すると患者さんは在宅医療へと移行しますが、その際に吸入薬をいかに継続するかは大きな課題としてあります。在宅の現場では、訪問薬剤師による細やかなサポートが必要になるでしょう。訪問薬剤師が吸入指導のスキルを習得し、吸入実施状況や薬剤の効果に鑑みて、スペーサーの使用や吸入薬変更を医師に提案するなど積極的にCOPDの患者さんのサポートすることで、患者さんの呼吸機能低下のリスクを下げられます。

吸入薬の種類やデバイスの種類も年々増加する中、2020年度の診療報酬改定では4 月から「薬剤服用歴管理指導料 吸入薬指導加算30点( 3 月に1 回)」が新たに設けられました。これにより、医師からの依頼があった場合だけでなく、患者さんや家族からの求めがあれば、医師の了解を得た上で吸入指導を実施できるようになりました。

薬剤師の業務も対物から対人へと変化していく中、患者さんに合った吸入薬やデバイスの選択、吸入指導における薬剤師の活躍が期待されます。

新型コロナウイルスの流行下、吸入指導のスキル向上や病院との連携体制の構築など、これから解決していく課題が多い状況ですが、薬剤師には、COPDに対する理解や吸入薬の指導に精通していただき、医療機関や医師との連携を図りながら、患者さんのQOLの改善や増悪の予防に貢献していただければと思います。

続きは、是非下記の記事よりご確認ください。

COPDの増悪予防には吸入薬の適正な使用と疾患の啓発が欠かせない

COPDの増悪予防には吸入薬の適正な使用と疾患の啓発が欠かせないの画像 記事を読む

関連記事:薬剤師コラム

服薬指導とは?薬剤師が押さえておきたいポイントやコツを総まとめ

よい服薬指導のポイントは、「患者さんの生活習慣に興味をもつこと」「開いた質問(オープン・クエスチョン)をすること」「臨床論文を通して知識をアップデートすること」。服薬指導の基本や患者さんとのコミュニケーションのコツついてご紹介します。

治療の向上につながる「服薬アドヒアランス」とは?

服薬アドヒアランスを維持するためには、治療方針に対する患者側の理解が必要です。今回は、服薬アドヒアランスの実現・維持に役立つスキルや事例について、さまざまな記事をご紹介します。

地域医療の要 かかりつけ薬剤師とは?

薬物治療を通して患者さんの健康を守るかかりつけ薬剤師は、地域医療を支える重要な役どころと言えるでしょう。今回は、今後ますますの活躍が期待される「かかりつけ薬剤師」について解説します。

まとめ

ご紹介した記事の他にも、ファーマスタイルでは最新の医療情報を豊富にそろえています。服薬指導や処方監査など、気になるテーマの記事はこちらからご確認ください。

すべてのコラムを読むにはm3.com に会員登録(無料)が必要です

こちらもおすすめ

薬剤師コラム編集部の画像

薬剤師コラム編集部

「m3.com」薬剤師コラム編集部です。
m3.com薬剤師会員への意識調査まとめや、日本・世界で活躍する薬剤師へのインタビュー、地域医療に取り組む医療機関紹介など、薬剤師の仕事やキャリアに役立つ情報をお届けしています。

キーワード一覧

臨床情報まるわかり!ファーマスタイル!

この記事の関連記事

アクセス数ランキング

新着一覧

26万人以上の薬剤師が登録する日本最大級の医療従事者専用サイト。会員登録は【無料】です。

薬剤師がm3.comに登録するメリットの画像

m3.com会員としてログインする

m3.comすべてのサービス・機能をご利用いただくには、m3.com会員登録が必要です。

注目のキーワード

キャリア 医薬品情報・DI 糖尿病 薬物療法・作用機序 服薬指導 医療過誤・ヒヤリハット 業界動向 ライフ・雑学 薬物療法 年収・待遇