臨床情報まるわかり!ファーマスタイル!

更新日: 2023年2月21日 薬剤師コラム編集部

花粉症の治療薬、結局どれを選ぶ?

花粉症の治療薬、結局どれを選ぶ?のメイン画像

全国の薬剤師へ専門性の高い最新の医薬情報を提供している月刊誌ファーマスタイル。そのWEB版がm3.comで閲覧できるようになりました。薬剤師なら押さえておきたい医療記事を毎月ピックアップしてご紹介します。

今年も花粉症シーズンがやってきた

日本気象協会によると2023年は、前シーズンに比べ春の花粉症飛散が多いと予測(第1報)。そのため2月頃からの花粉シーズン到来により、くしゃみや鼻水、鼻づまりなど不快な症状に悩まされる患者さんが多くなることが見込まれます。

そこで今回は、花粉症に対する薬物療養やアレルゲン免疫療法、抗体薬の近年の動向などについて、日本医科大学多摩永山病院の耳鼻咽喉科准教授・部長後藤穣氏に解説していただきました。

2019年時点での有病率は花粉症全体で42.5%、スギ花粉症で38.8%、スギ以外の花粉症で25.1%となり、いずれも経年的に増加傾向です。花粉症の病態については、T細胞とは異なる自然免疫系細胞の「2型自然リンパ球(ILC2)」がアレルギーの病態に関与することが示唆され、近年研究が進められている疾患です。

治療薬は3つの重症度と、症状から判断される2つの病型(くしゃみ・鼻漏型、鼻閉型または鼻閉を主とする充全型)により選択されます。抗ヒスタミン薬のうち、第一世代は眠気などの副作用や疾患によっては禁忌となり、小児への投与時には注意を要するため積極的に処方されることは少なくなりました。しかし薬局やドラッグストアで簡単に入手できる状況もあり、購入時には注意喚起が必要です。

現在第一世代の抗ヒスタミン薬でのさまざまな問題点は第二世代で改善され、ビラスチン(ビラノア®)やフェキソフェナジン塩酸塩(アレグラ®)は、ほとんど脳内に移行しないことが分かっています。その他、舌下免疫療法(シダキュア)やオマリズマブ(ゾレア®)が保険適応となり、花粉症治療における薬剤選択肢が増えたという点では大きな進歩です。しかし服薬回数やタイミング、剤形などに対する意向は患者さんによって異なります。そのため薬剤を選択する上で、症状だけでなく患者さんの生活リズムを考えることも重要となります。

続きは、本記事よりご確認ください。

今年も花粉症シーズンがやってきたの画像 記事を読む

関連記事

スギ花粉、大量飛散始まる!?万全対策を

2023年の九州・山口の花粉飛散量が昨年を上回る見通しであることを公表。飛散量が多くなる地域では、症状が重くなる恐れがあることを示唆しています。

「ゾコーバ」の薬価、複数の比較薬に基づき算定へ

中医協薬価専門部会における審議内容が掲載されています。「ゾコーバ」の薬価算定方法や、市場規模拡大時の再算定方法など課題が示されている情報です。

【兵庫】アレルギー疾患総合診療部門を核に地域医療連携を強化

アメリカと日本で喘息の特許を取得した金廣有彦氏のインタビュー記事です。新病院長として新たな診療科を作った理由や思い、運営状況が分かります。

まとめ

ご紹介した記事の他にも、ファーマスタイルでは最新の医療情報を豊富にそろえています。服薬指導や処方監査など、気になるテーマの記事はこちらからご確認ください。

すべてのコラムを読むにはm3.com に会員登録(無料)が必要です

こちらもおすすめ

薬剤師コラム編集部の画像

薬剤師コラム編集部

「m3.com」薬剤師コラム編集部です。
m3.com薬剤師会員への意識調査まとめや、日本・世界で活躍する薬剤師へのインタビュー、地域医療に取り組む医療機関紹介など、薬剤師の仕事やキャリアに役立つ情報をお届けしています。

キーワード一覧

臨床情報まるわかり!ファーマスタイル!

この記事の関連記事

アクセス数ランキング

新着一覧

26万人以上の薬剤師が登録する日本最大級の医療従事者専用サイト。会員登録は【無料】です。

薬剤師がm3.comに登録するメリットの画像

m3.com会員としてログインする

m3.comすべてのサービス・機能をご利用いただくには、m3.com会員登録が必要です。

注目のキーワード

キャリア 医薬品情報・DI 糖尿病 調剤報酬改定 薬物療法・作用機序 服薬指導 業界動向 薬物療法 年収・待遇 OTC医薬品