コロナ後遺症と治療の考え方とは?
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新型コロナウイルス感染症の罹患後症状
新型コロナウイルス感染症が世界的に流行し3年が経過。国内の報告では診断12カ月後時点で罹患患者全体の30%程度に「1つ以上の罹患後症状(コロナ後遺症)」が認められています。そのため薬局においても患者さんから症状が続いていると相談を受けることがあるのではないでしょうか。
そこで当初より新型コロナウイルス感染症の治療に携わり感染制御をご専門とする東京医科大学病院の中村造氏に後遺症の実態と、これからの新型コロナウイルス感染症治療についてお話をうかがいました。
新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(コロナ後遺症)は、調査が行われた時点の変異株の状況や調査方法によって後遺症の頻度は異なり、感染後に何らかの症状を有する人は多くても1~2割程度。ただし不眠や不安などの症状は社会的、経済的な問題が絡み、コロナ感染を機に症状が顕在化したケースもあるため、「コロナウイルス感染症の後に出現した症状なのか」を検証することが重要です。
新型コロナウイルス感染症は感染することで相応の体力が消耗し、後遺症における病態の機序は不明な点が多いのが現状です。後遺症の症状のうち実臨床を通じて考えられる病態には、気道症状や脱毛、ブレインフォグ、記憶障害がありますが、日にちの経過とともに回復に向かいます。そのためコロナ後遺症に対する治療は基本的に対症療法となり、漢方薬も含めた症状を緩和する薬剤の投与やリハビリを行いながら、自然治癒による時間経過を見るしかないと考えています。
続きについては、本記事よりご確認ください。
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