1. 薬剤師トップ
  2. 薬剤師コラム・特集
  3. 臨床情報まるわかり!ファーマスタイル!
  4. RSウイルス感染症と手足口病で使用する薬剤は?

臨床情報まるわかり!ファーマスタイル!

更新日: 2023年6月27日 薬剤師コラム編集部

RSウイルス感染症と手足口病で使用する薬剤は?

RSウイルス感染症と手足口病で使用する薬剤は?のメイン画像

全国の薬剤師へ専門性の高い最新の医薬情報を提供している月刊誌ファーマスタイル。そのWEB版がm3.comで閲覧できるようになりました。薬剤師なら押さえておきたい医療記事を毎月ピックアップしてご紹介します。

RSウイルス感染症と手足口病を知り薬剤の適正使用を

子どもがよく罹患するRSウイルス感染症と手足口病は、自宅療養での注意や医療機関を受診するかの判断を含め、保護者の不安が尽きない感染症です。今回は、主な症状や対症療法の他、ウイルス性疾患に対する抗菌薬の適正使用について東京都立小児総合医療センター感染症科部長の堀越裕歩氏に解説していただきました。

新型コロナウイルス感染症が流行した初期の2020年は、人と人との接触機会が減ったことにより、RSウイルス感染症の流行はみられなくなりましたが、2021年の夏に大流行があり2023年は、おそらく二峰性の流行パターンに戻っていくのではないかと予測しています。医療機関を受診するかの判断のポイントは呼吸状態の悪化と脱水です。対象療法として解熱剤のアセトアミノフェン、気管支喘息の小児に対しては貼付剤、内服が可能な場合にはドライシロップ製剤などを選択し、明らかに喘息だと判断できるとき以外、ステロイド薬はあまり使用していません。

また子どもがよく罹患する夏風邪といわれる手足口病は、臨床症状と流行時期(夏)から手足口病と診断し、口の中でもとくに喉に発疹ができるものはヘルパンギーナと呼ばれています。ほとんどが軽症で発疹に痛みやかゆみなどを伴うことが少ないため塗り薬もほとんど必要なく、広範囲の発疹や爪が剥がれる場合には皮膚科医にも相談します。ほかのお子さんへの感染予防としてエンテロウイルス属のウイルスはアルコール消毒の効果があまりないため、食事前、トイレ後、おむつ処理後の手洗いが最も有効な対策といえるでしょう。

これまで慣習的に感冒症状に対して多くの抗菌薬が使用されてきましたが、RSウイルス感染症や手足口病などウイルス性の疾患に対して抗菌薬は効果的ではありません。そのため適正使用の観点からも、むやみに抗菌薬を処方しないことが大切です。

「薬剤耐性(AMR)対策」「小児抗菌薬適性使用支援加算の概要」については、本記事よりご確認ください。

RSウイルス感染症と手足口病を知り薬剤の適正使用をの画像 記事を読む

関連記事

ヘルパンギーナ急増 県内、流行早く昨年の25倍

石川県内でウイルス性咽頭炎「ヘルパンギーナ」の患者が急増。定点医療機関からのヘルパンギーナの患者数の推移、ヘルパンギーナやRSウイルス感染症などが増加する要因、今後の見通しが示されています。

子どもの風邪、コロナ5類移行後急増

国立感染症研究所が全国約3000の小児科定点医療機関から報告された患者数を公表しています。コロナ5類移行後の増加を踏まえ、現状と今後の対応が分かる情報です。

RSVワクチン実用化間近 感染増、基本対策を

欧米企業が高齢世代や妊婦向けに申請したRSVワクチンの製造販売に関する話題。日本におけるワクチンの承認申請状況や、感染症に詳しい新潟大の斎藤昭彦教授(小児感染症学)のコメントが掲載されています。

まとめ

ご紹介した記事の他にも、ファーマスタイルでは最新の医療情報を豊富にそろえています。服薬指導や処方監査など、気になるテーマの記事はこちらからご確認ください。

すべてのコラムを読むにはm3.com に会員登録(無料)が必要です

こちらもおすすめ

薬剤師コラム編集部の画像

薬剤師コラム編集部

「m3.com」薬剤師コラム編集部です。
m3.com薬剤師会員への意識調査まとめや、日本・世界で活躍する薬剤師へのインタビュー、地域医療に取り組む医療機関紹介など、薬剤師の仕事やキャリアに役立つ情報をお届けしています。

臨床情報まるわかり!ファーマスタイル!

アクセス数ランキング

新着一覧

26万人以上の薬剤師が登録する日本最大級の医療従事者専用サイト。会員登録は【無料】です。

薬剤師がm3.comに登録するメリットの画像

m3.com会員としてログインする

m3.comすべてのサービス・機能をご利用いただくには、m3.com会員登録が必要です。

注目のキーワード

禁忌 医薬品情報・DI 糖尿病 調剤報酬改定 薬物療法・作用機序 服薬指導 医療過誤・ヒヤリハット 業界動向 薬局経営 年収・待遇