ALS、多職種連携の取り組みとは?
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筋萎縮性側索硬化症(ALS)を知り多職種連携で支援する
指定難病でもあり現在の医療では治すことが難しい筋委縮性側索硬化症(ALS)は、病状進行に個人差があり治療や療養、生活サポートにおいて多職種での連携が重要です。そこで今回は、東邦大学医療センター大森病院、脳神経センターの平山剛久氏に、ALSの病態やALS患者さんのサポート、多職種連携の取り組みについてお話しいただきました。
筋委縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis;ALS)は、運動神経、感覚神経、自律神経といった神経系のうち、運動神経に障害をきたす疾患です。好発年齢は60~70歳代で、有病率は10万あたりおよそ10人、患者数は1万人ほどですが少しずつ増加しています。またALSの診断においては、診察に加え針筋電図検査や神経伝導検査は必須となり、頭部MRIや髄液検査、血液検査などは可能であれば、除外診断のために行います。
当院では、ALS患者さんに対するサポートの5つの柱として、薬物療法、栄養管理、呼吸管理、リハビリテーション、多職種連携の外来(ALSクリニック)を掲げています。薬物療法では保険適応のあるリルゾール、エダラボン(ラジカット)を対象となる患者を見極めて使用しますが、睡眠障害が早期から見受けられる場合、筋弛緩作用があるようなベンゾジアゼピン系の薬剤は使用しづらいため、覚醒中枢を抑制するような薬剤を少し使用することがあります。しかし中等症のALSでベンゾジアゼピン系薬剤が処方されている場合には注意が必要です。
またALSクリニックは毎週1回(木曜日の午後)オープンしており、各ブースにソーシャルワーカー、呼吸器の専門看護師などを含め、さまざまな職種が待機し1回の来院で同時進行性に全ての外来受診ができるのが特徴です。また年に1回、ALS Caféという交流会を行い、精神科医や心理士によるサポートだけでなく日本ALS協会の遺族ボランティアも参加し、気管切開を伴う人工呼吸器の体験談を聞くこともできます。患者さんのなかにはALSが進行してから来院される方もいるため、患者さんが望む方向性やライフスタイルに最大限近づけていくことを意識して関わっていくことが最善だと考えています。
「ALSの非運動症状に対する処方内容」「退院前カンファレンス」については、本記事よりご確認ください。
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