心房細動の発症リスクと術後管理とは?
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重篤な脳梗塞「心原性脳塞栓症」と高い再発リスク
心房細動の国内患者数は、高齢化社会に伴い年々増加しています。そこで今回は、京都府立医科大学不整脈先進医療学講座准教授の妹尾恵太郎氏が解説した、オムロンヘルスケア株式会社のメディアセミナー「心房細動の早期発見から治療、術後管理」をご紹介します。
現在の国内の心房細動の患者数は、推定で100万人を超え、2030年には推定患者数が108万人を超えると予測されています。しかし、京都府立医科大学不整脈先進医療学講座准教授の妹尾恵太郎氏は、「心房細動は4割が無症状で、実際はもっと患者数が多い」と指摘。また、心房細動の発症リスクや命にかかわる重篤な心原性脳塞栓症について、「一命をとりとめたとしても麻痺や寝たきりなど重い後遺症を残す方も多いため、心房細動を発症させない、または早期の発見と介入が重要」と説明しました。さらに心房細動は脳梗塞へ発展するリスクがあり、カテーテル治療後も30~40%の再発リスクを伴うため、術後も家庭等での継続的な心電図記録と経過観察をするよう患者さんに伝えていると話しました。
「治療後のセルフモニタリングとフォローアップ」は、本記事よりご確認ください。
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