臨床情報まるわかり!ファーマスタイル!

更新日: 2024年2月27日 薬剤師コラム編集部

抗菌薬が効かなくなるAMRとは?

抗菌薬が効かなくなるAMRとは?のメイン画像

全国の薬剤師へ専門性の高い最新の医薬情報を提供している月刊誌ファーマスタイル。そのWEB版がm3.comで閲覧できるようになりました。薬剤師なら押さえておきたい医療記事を毎月ピックアップしてご紹介します。

AMR対策の動向と薬剤師が担う服薬指導

「AMR(Antimicrobial resistance)」とは、細菌が薬剤耐性を獲得して、抗菌薬が効かなくなることです。以前はペニシリンで治療できる感染症も多くありましたが、薬剤耐性により治療できない感染症が増加しています。そのため、AMR対策の世界的な動向として、2015年に世界保健機関(WHO)の総会で、薬剤耐性(AMR)に対するグローバルアクションプランが採択されました。その初回のアクションプランを踏まえ、2023~2027年の抗菌薬削減に向け以下の目標が掲げられました。

・2027年までに人口1,000人あたりの一日抗菌薬使用量15%
・経口薬のうち第3世代セファロスポリン系40%
・フルオロキノロン系30%
・マクロライド系25%
・カルバペネム系の静注抗菌薬20%

さらに、2022年の診療報酬改定では、従来の感染防止対策加算の見直しがあり、感染対策向上加算1~3および外来感染対策向上加算が新設され、感染対策向上加算1では、J-SIPHEなど、地域や全国のサーベイランスへの参加も施設基準のひとつとなっています。そのため、自施設において、抗菌薬処方量の実態調査や、WHOから提唱されている「AWaRe分類」を用いた抗菌薬の質を評価し、患者さんへの服薬指導を行うことも大切です。

服薬指導に役立つ「抗菌薬意識調査2023」や「抗菌薬に対する一般国民の意義」は、本記事よりご確認ください。

AMR対策の動向と薬剤師が担う服薬指導の画像 記事を読む

関連記事

妊婦に対する「抗菌薬アレルギー評価」の有用性を検証

抗菌薬アレルギー(疑い含む)の妊婦24人を対象とした、日本初となる研究結果を公表。抗菌薬の適正使用の推進につながる研究グループの成果が分かります。

抗菌薬投与による血液培養結果への影響は?

海外の論文を紹介するシリーズ。血液培養採取前24時間以内に、抗菌薬を単回投与した場合の研究結果や、過去の論文との比較を含めた見解が示されています。

食道静脈瘤破裂で内視鏡止血後に抗菌薬予防的投与、有効性認めず

980人の患者データを抽出し、予防的抗菌薬投与の有効性を検証。現代の医療環境における世界的な診療ガイドラインの適切性について示唆しています。

まとめ

ご紹介した記事の他にも、ファーマスタイルでは最新の医療情報を豊富にそろえています。服薬指導や処方監査など、気になるテーマの記事はこちらからご確認ください。

すべてのコラムを読むにはm3.com に会員登録(無料)が必要です

こちらもおすすめ

薬剤師コラム編集部の画像

薬剤師コラム編集部

「m3.com」薬剤師コラム編集部です。
m3.com薬剤師会員への意識調査まとめや、日本・世界で活躍する薬剤師へのインタビュー、地域医療に取り組む医療機関紹介など、薬剤師の仕事やキャリアに役立つ情報をお届けしています。

キーワード一覧

臨床情報まるわかり!ファーマスタイル!

この記事の関連記事

アクセス数ランキング

新着一覧

26万人以上の薬剤師が登録する日本最大級の医療従事者専用サイト。会員登録は【無料】です。

薬剤師がm3.comに登録するメリットの画像

m3.com会員としてログインする

m3.comすべてのサービス・機能をご利用いただくには、m3.com会員登録が必要です。

注目のキーワード

キャリア 医薬品情報・DI 糖尿病 調剤報酬改定 薬物療法・作用機序 電子処方箋 服薬指導 医療過誤・ヒヤリハット 業界動向 薬物療法