帯状疱疹の後遺症を防ぐ抗ウイルス治療とは?
全国の薬剤師へ専門性の高い最新の医薬情報を提供している月刊誌ファーマスタイル。そのWEB版がm3.comで閲覧できるようになりました。薬剤師なら押さえておきたい医療記事を毎月ピックアップしてご紹介します。
帯状疱疹に対する抗ウイルス薬の服薬指導
近年、子育て世代の発症率が増加しており、特に若年患者ではAIDSなどの免疫不全症候群が潜んでいることがあります。また悪性腫瘍や重症感染症、免疫抑制薬や抗癌剤の服薬により細胞性免疫が低下している場合にも帯状疱疹を発症しやすく、重症化する傾向があります。
帯状疱疹に対する抗ウイルス薬は、内服薬が4つ、静注薬が2つあり、作用機序からは核酸アナログ系と非核酸アナログ系の2種に分けられます。核酸アナログ系であるアシクロビル(ゾビラックス)、バラシクロビル(バルトレックス)は、腎機能障害患者では血中濃度上昇による痙攣や意識障害など、中枢神経障害の発現リスクが上昇するため、クレアチニンクリアレンスによって投与量を調整する必要があります。また非核酸アナログ系のアメナメビル(アメナリーフ)は、1日1回の服用前に脂質10g以上の摂取が推奨されています。
そのため抗ウイルス薬の服薬指導では、患者さんに腎機能障害がないか、食事を摂取してから服薬指導するなど、神経障害性疼痛をきたさないための早期治療や適切な服薬指導がとても大切です。
「重症例の点滴治療や外用剤」「帯状疱疹予防ワクチンの有効性」については、本記事よりご確認ください。
記事を読む関連記事
帯状疱疹生ワクチン、接種10年後もある程度の効果維持
帯状疱疹生ワクチン接種後10年超の有効性をコホート研究で検討。帯状疱疹後の神経痛や眼部帯状疱疹、帯状疱疹による入院を含め、ワクチンの有効性が分かる情報です。
遺伝子組換え帯状疱疹ワクチン接種は眼部帯状疱疹を再発させるか
海外論文を紹介するシリーズです。眼部帯状疱疹の既往歴のある患者に焦点をあて、ワクチン接種が眼部帯状疱疹の再発リスクを増大させる可能性について示唆しています。
皮疹がない帯状疱疹、どのように診断?
Docpediaに寄せられた質問に谷口彰治氏が回答。皮疹がない無疹性帯状疱疹の治療に関する知識が満載の実践的な内容となっています。
ご紹介した記事の他にも、ファーマスタイルでは最新の医療情報を豊富にそろえています。服薬指導や処方監査など、気になるテーマの記事はこちらからご確認ください。