30代薬剤師の転職・年収コラム

更新日: 2025年7月30日 薬剤師コラム編集部

30代薬剤師は本当に転職しやすい?転職を成功させるポイントも解説

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薬剤師としてある程度の経験を積んできた30代。
仕事にも慣れ、専門的なスキルも身についてくる一方で、結婚や出産などでキャリアやライフスタイルが変化する時期でもあります。そのため「転職を考え始めた」という薬剤師の方も多いのではないでしょうか。

実は、30代は薬剤師にとって転職を有利に進めやすい年齢です。
この記事では、30代薬剤師が転職しやすい理由や転職を考える背景、成功のポイントまで詳しく解説します。

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30代薬剤師が転職しやすい理由

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実は、30代の薬剤師は転職市場において比較的有利な立場にあります。その背景には、以下の3つの理由が考えられます。

即戦力になれるスキルがある

30代の薬剤師は、大学卒業後から5年〜10年程度の臨床経験を積んでいます。
調剤業務、服薬指導、薬歴管理といった基本的な業務スキルはもちろんのこと、職場によってはOTC医薬品の販売、在宅医療への関与、チーム医療における連携など、幅広い知識と経験を持っているでしょう。
採用側から見ると、この点は大きな魅力です。

30代の薬剤師は、新卒や経験の浅い若手と比較して、入社後の研修期間を短縮でき、すぐに現場で活躍してくれる即戦力と評価されています。
特に、採用側のニーズにすぐに応えられる知識や経験、マネジメント経験を持つ薬剤師は、採用される可能性が高いでしょう。

年齢が高すぎないので組織になじみやすい

一般的に、応募者の年齢が高くなると、採用側は新しい環境への適応力や組織文化へうまく順応できるかどうかを心配します。
40代、50代の新人となると、年下の上司のもとで働くことになることも多くなります。これは、年上の薬剤師の側は割り切って適応してくことが必要ですが、年下の上司の側も年上の部下を使うという難しさを感じることになります。
30代の場合、そのような状況を考慮しなくてよいので、採用しやすいのです。

また、30代はまだ柔軟性があり、新しい職場のルールや人間関係にも比較的スムーズになじむことができます。
20代の若手ともうまくコミュニケーションをとりつつ、上司世代とも適切な距離感を保てる世代として重宝されます。

これから長期間働ける

30代の薬剤師は、定年まで長く働くことができます。
採用側からは「長期的に働いてくれる人材」として評価されることになります。
体力的にも安定しており、状況の変化や新しい機器などに対応しながらスキルアップもしていける年代です。
長く働ける安心感は、転職する側にとっても、採用側にとっても、転職活動において有利なポイントです。

キャリアチェンジが可能

30代は、新しい分野への挑戦がしやすい最後のタイミングでもあります。
すでに基礎的な薬剤師としてのスキルを持ち、現場経験もあるため、他職種や他業界へのキャリアチェンジに踏み出す下地が整っています。
たとえば、病院から調剤薬局やドラッグストアなどへの転職もスムーズに対応していくことができるでしょう。

40代以降になると、現実的にキャリアチェンジは難しくなります。給与などの条件アップを求めることもできなくなるかもしれません。
もしキャリアチェンジを考えているのならば、30代は逃してはならない年齢だといえます。

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30代薬剤師が転職を考えるのはなぜ?

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30代の薬剤師が転職を考えるようになるのはなぜなのでしょうか。ここでは、代表的な理由をいくつかみていきましょう。

給与を上げたい

30代になると薬剤師としてのスキルも安定しているので、それに見合った給与が欲しいという気持ちが強くなります。
また、家庭を持ち、安定した収入が必要となる人も増えてきます。
現在の給与に不満がある場合や、昇給が見込めない職場に不安を感じている場合、より高待遇の職場への転職を検討することは自然な流れです。

また、管理薬剤師や薬局長、エリアマネージャーといった役職に就くことで、大幅な給与アップが見込める場合もあります。
自身のスキルアップやキャリアアップと並行して、経済的な安定を求めるのは、30代の転職理由として大きな割合を占めます。

キャリアチェンジをしたい

薬剤師として現在の仕事に一定の満足感を得つつも、「別の分野にもチャレンジしたい」と考える人は少なくありません。

これまでは薬剤師としてのスキルを高めるために医療現場で頑張ってきたけれど、これから先長く働くことを考えると、もっと安定して働ける職場に転職したいと考える人もいるでしょう。
たとえば、病院でやりがいをもって働いてきたけれど、30代になって夜勤のある働き方はつらい、このまま続けても給与アップが見込めないという場合もあります。

また、病院薬剤師として専門性を高めたい、在宅医療に深く関わりたい、といったより専門的な分野へのキャリアチェンジも考えられます。

これまでの経験を活かしつつ、新たな分野で自身の可能性を追求したいという意欲が、転職の原動力となります。

結婚や出産をして状況が変わった

ライフステージの変化も、30代の薬剤師が転職を考える大きな理由のひとつです。
結婚や出産を経ると、勤務時間や勤務地、福利厚生など、仕事に対する価値観や優先順位も変わってきます。
たとえば、子育てと両立しやすいように、残業が少ない職場や託児所が併設された職場への転職を希望する、あるいは通勤時間を短縮するために自宅近くの職場を探すといったケースが考えられます。

ワークライフバランスの重視は、30代によく見られる転職理由です。

人間関係に問題がある

職場の人間関係は、日々の業務のモチベーションや精神面でのストレスに大きく影響します。
人間関係は、薬剤師の転職理由のなかでも大きな割合を占めています。
上司や同僚とのコミュニケーションがうまくいかない、ハラスメントに悩んでいるといった問題を抱えている場合、転職は有効な選択肢となります。

30代ともなると仕事の内容に加えて、職場での人間関係のコツや難しさも理解しています。
これまでの経験をふまえて転職活動を行えば、よりよい職場に出会える可能性は高まるといえるでしょう。

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30代薬剤師の平均年収

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厚生労働省の調査によると、30代の薬剤師の平均年収は586万円となっています。

男女計
30~39歳 586万円 627万円 532万円

引用元:厚生労働省「賃金構造基本統計調査/ 令和4年賃金構造基本統計調査」の、「きまって支給する現金給与額」12か月分に、「年間賞与その他特別給与額」を足した金額を平均年収として算出

実際の30代薬剤師の平均年収は、勤務先の種類、地域、経験年数、役職などによって大きく異なります。
管理薬剤師や専門性の高い業務に就いている場合は、さらに高収入が期待できます。

転職活動をする際には、自身の市場価値を正確に把握して、希望する年収水準を伝えることが重要です。

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30代薬剤師が転職しやすい職場

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30代は転職しやすい年齢ですが、実は転職しやすい職場と難しい職場があります。30代の薬剤師が比較的転職しやすい職場としては以下のものがあげられます。

調剤薬局

調剤薬局は、30代薬剤師が転職しやすい代表的な職場です。
求人が多く、地域密着型の薬局も多いため、自宅から近い職場を見つけやすいのが特徴です。患者さんへの対応スキルや調剤経験が重視されるため、実務経験豊富な30代は歓迎されます。
特に、在宅医療に力を入れている薬局や、専門性の高い認定薬剤師の資格を持つ薬剤師は、より有利な条件で転職できる可能性があります。

大手チェーンの薬局では、福利厚生が充実していたり、キャリアアップの制度が整っていたりします。
一方で、自宅や保育園から近い、日曜や祝日が休みといった、ワークライフバランスを整えやすい職場が探しやすいのもメリットです。

ドラッグストア

近年店舗数が増えているドラッグストアも、30代薬剤師が転職しやすい職場です。
OTC医薬品の販売や健康相談など、調剤業務以外の業務にも携わりたい薬剤師にとって、ドラッグストアは魅力的な選択肢となります。

店舗運営やマネジメントの経験を積むこともでき、将来的に店長やエリアマネージャーを目指すことも可能です。
近年では、調剤併設型のドラッグストアも増えており、調剤スキルも活かしたいというニーズにも応えられます。

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病院や製薬会社が転職しにくい理由

一方で、病院や製薬会社は30代薬剤師にとって転職が難しい職種となります。

病院が難しい理由

臨床の現場である病院では専門性や経験が重視されるため、病院での経験がないと30代での転職はハードルが高くなります。
また、病院は新卒に人気があるなどの理由で、薬剤師のなかでも給与は低い傾向にあります。

30代での転職では、ある程度の給与を希望することが多いため、病院に転職すると、仕事はハードなのに給与は低くなるということも起こり得ます。
そのため、30代薬剤師にとって、病院はおすすめの転職先とはなりにくいのです。

製薬会社が難しい理由

製薬会社の場合、研究開発、MR(医薬情報担当者)など、職種によって求められるスキルや経験が大きく異なります。
未経験からの転職は難しく、関連する業務経験や専門知識が必須となる場合がほとんどです。
製薬会社への転職は、30代であっても、同業他社からの転職以外は難しいでしょう。

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30代薬剤師の転職成功ポイント7つ

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30代は転職しやすい年齢ですが、満足のいく転職を成功させるためには、きちんとした準備が不可欠です。
ここでは、転職を成功に導くための7つの重要なポイントを紹介します。

1. 転職で実現したいことを明確にする

なぜ転職したいのか、転職によって何を実現したいのかを具体的に考えることが、転職活動の第一歩です。
「給与を上げたい」「キャリアチェンジをしたい」「ワークライフバランスを改善したい」など、自身の希望や不満を明確にすることで、転職先の選択肢が絞られ、後悔のない転職に繋がります。

まず、自分が現在の職場で満足している点、不満に思っている点を書き出してみましょう。
そして、転職によって得たいことも書き出してみましょう。
そのうえで、その希望をかなえるためには、どう転職活動をすればいいかを考えていくとよいでしょう。

2. これからのキャリアプランを考える

30代は比較的転職しやすい年齢ですが、これから先はキャリアチェンジのハードルが上がっていきます。
目先の条件だけでなく、5年後、10年後の自身のキャリアプランを見据えて転職活動を行うことが重要です。
将来的にどのような薬剤師になりたいのか、どのようなスキルを身につけたいのかを考えることで、長期的な視点での職場選びが可能になります。

3. こだわりたい条件に優先順位をつける

給与、勤務時間、勤務地、福利厚生、職場の雰囲気など、転職先に求める条件は多岐にわたります。
すべての条件を満たす職場を見つけるのは難しいのが現実。
自分にとって最も重要な条件、妥協できる条件を明確にして、優先順位をつけておくことが効率的な転職活動につながります。

4. 持っているスキルを棚卸しする

転職活動に踏み出す前に、これまでの職務経験を通じて培ってきたスキルや知識を整理し、客観的に把握してみましょう。
調剤スキル、服薬指導、薬歴管理などのスキルはもちろんのこと、コミュニケーション能力、問題解決能力、リーダーシップなどもアピールポイントとなります。
また、認定薬剤師や専門薬剤師の資格、語学力なども、自身の市場価値を高める重要な要素となります。

5. 経験や資格を上手にアピールする

履歴書や職務経歴書を作成する際には、これまでの経験やスキルを具体的に記述し、採用担当者に自身の強みを効果的に伝える必要があります。
どのような業務に携わってきたのか、どのような実績を上げてきたのかを数値などを活用して具体的に示すことで、説得力が増します。

また、どんなに優れたスキルを持っていても、採用先が求める条件に当てはまっていなければ採用されるのは難しくなります。
自分が持っているスキルや経験のなかから、応募先へのアピールポイントとなるものをピックアップして、積極的に伝えていくようにしましょう。

面接対策も重要です。想定される質問に対する回答を事前に準備し、自信を持って受け答えできるように練習しておきましょう。

6. 転職先の雰囲気を確かめる

給与や条件だけでなく、職場の雰囲気や人間関係も、長く働き続けるためには重要な要素です。
可能であれば、面接時に職場の見学をさせてもらう、実際に働いている薬剤師に話を聞くなどして、事前に職場の雰囲気を確かめるようにしましょう。
転職エージェントを利用する場合は、コンサルタントに職場についてきいてみるのも有効です。

7. 専門家のサポートを受ける

自分ひとりでの転職活動に不安を感じる場合は、薬剤師専門の転職エージェントのサポートを受けることを検討しましょう。
転職エージェントからは、非公開求人の紹介、履歴書や職務経歴書の添削、面接対策、条件交渉など、転職に関するさまざまなサポートを受けることができます。

客観的なアドバイスを受けることで、自分一人では気づかなかった可能性に気づけ、より有利な条件で転職できる可能性が高まります。
また、給与面など直接ききにくいことを代わって交渉してもらえるのもメリットです。

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30代薬剤師が転職の際に気をつけるポイント3つ

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転職は新たなスタートであると同時に、これからのキャリアの方向性を決める重要な決断でもあります。
ここでは、30代の薬剤師が転職の際に特に注意すべき3つのポイントを解説します。

1. 転職の回数を増やさない

短期間での転職を繰り返すと、「忍耐力がない」「問題解決能力が低い」といったネガティブな印象を採用側に与えてしまう可能性があります。
30代は転職しやすい年齢ではありますが、だからといって短期間で転職を繰り返していると、どんどん不利になっていってしまいます。

30代での転職は、将来のキャリアを見据えた慎重な選択を心がけ、できるだけ長く働ける職場を選ぶようにしましょう。
転職理由を明確にし、譲れない点と職場に合わせる点を見極めて、本当に納得できる職場を見つけることが大切です。

2. 必要なスキルを身につけておく

転職を有利に進めるためには、常に自身のスキルアップを意識し、市場価値の高い薬剤師を目指すことが重要です。
最新の医療知識や薬学に関する情報を常にアップデートすることも忘れないようにしましょう。

認定薬剤師や専門薬剤師の資格取得、語学力の向上、マネジメントスキルの習得など、積極的に自己投資を行いましょう。
「対物から対人へ」という流れの中で、かかりつけ薬剤師となれる人材は特に重宝されたりもしています。

3. できれば管理職経験をしておく

管理薬剤師やチームリーダーなどの管理職経験は、転職市場において非常に高く評価されます。マネジメント能力やリーダーシップは、どのような職場においても求められる重要なスキルです。
もし現職で管理職の機会があれば積極的に挑戦し、マネジメント経験を積んでおくことは、転職活動の際に大きな強みとなるでしょう。

これまでに管理職経験がなくても、30代ならば管理職ルートのある職場へのポテンシャル転職もできますし、管理薬剤師の募集にチャレンジすることもできます。

仮に、これから先40代以降で転職することになると、求められるのは管理職経験です。
転職先を選ぶ際には、管理職に就けるかどうかを重視しましょう。

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まとめ

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30代の薬剤師は、経験と柔軟性のバランスが取れた非常に転職しやすい世代です。
スキルやキャリアの見直しを通じて、より自分に合った働き方を実現できるチャンスがあります。
転職の際は転職で得たいものは何かを考えたうえで長期的な視点を持ち、慎重に行動することが成功の鍵となります。
この記事を参考に、自分らしいキャリアについて考えてみてはいかがでしょうか。

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薬剤師コラム編集部

「m3.com」薬剤師コラム編集部です。
m3.com薬剤師会員への意識調査まとめや、日本・世界で活躍する薬剤師へのインタビュー、地域医療に取り組む医療機関紹介など、薬剤師の仕事やキャリアに役立つ情報をお届けしています。

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