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40代薬剤師の転職・年収コラム

更新日: 2025年6月27日 薬剤師コラム編集部

40代ブランクあり薬剤師、復職しやすい職場や復職するためのポイント解説

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子どもが産まれて一度薬剤師の仕事を離れ、子育てに追われているうちに40代になってしまった。薬剤師の資格があるから復職はできると思う反面、本当に復職できるのか、復職したあとちゃんと働けるのかと感じていることも多いのではないでしょうか。
最新の薬剤情報や医療機器、そして社会に出ていなかった間のブランクなど、さまざまな不安が頭をよぎるかもしれません。

しかし、「ママ薬剤師は最強」という言葉があるように、薬剤師として復職することは可能です。
ここでは、40代薬剤師が抱える不安や、復職に向けて知っておきたいことを具体的に解説していきます。

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40代、ブランクあり薬剤師に多い3つの不安

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40代でブランクのある薬剤師が仕事復帰を考えたとき、どんなことが不安になるのでしょうか。まずひとつひとつ確認してみましょう。

1.仕事についていけるか

医療の現場は日進月歩、変化の激しい世界です。
調剤報酬の改定が2年に1度行われ、押さえておかなくてはならない制度が変わります。また、薬剤師の専門である医薬品に関しても、毎年100種類の新薬が承認されています。現役で働いていても、日々の勉強が欠かせない職業です。

また、現在は薬局でも自動分包機などの医療機器の導入が進んでいます。そのような機器を使いながら、ミスなく仕事を進めなければなりません。

そのような状況を知っているので、ブランクがあると最新の薬剤情報を知らないことや医療機器の操作に不安を感じる人もいるでしょう。「もうついていけないかも…」と焦ってしまう気持ちになることもあるでしょう。

しかし、薬剤師の資格は一生ものです。一度習得した知識や技術は、ある程度は残っています。また、大手の職場では、復職支援制度を用意しており、OJTや研修など、職場に復帰するためのサポートが受けられます。

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2.家庭や育児と両立できるか

子育て中の人にとって、いちばん心配なことは仕事と家庭の両立でしょう。
特に、子供が小さいうちは、急な病気や学校行事など、対応しなければならないことが多くあります。

急に子供の病気などで呼び出しがあって職場に迷惑をかけるのでは、と心配になりますよね。
また、家事と子育てに加えて仕事もするとなると、時間的にも体力的にも大変になります。本当に両立できるのか自信がないという人もいるでしょう。

ただ、薬剤師は女性が多い職種なので、子育てをしながら働いている人もたくさんいます。子育て中のスタッフに慣れている職場を選べば、「迷惑をかけるのもおたがいさま」という空気があり、働きやすいでしょう。

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3.職場の人とうまくやっていけるか

復職にあたっては、新しい職場になじめるか、人間関係がうまくいくかなど、職場の人との関係も大きな不安のひとつです。

仕事をしていて働きやすいかどうかは、結局人間関係次第ということがあります。
ブランク後に40代で復職すると、職場は自分より年下のスタッフが多くなります。若手が多い職場では、世代間のギャップを感じてしまうこともあるかもしれません。
そのような職場に、年上でありながら新人として入ることには、新卒のときとは違う難しさがあります。

ただ、人間関係に関しては、これまでさまざまな経験をしてきた40代であることがよい方向にも働きます。若手の立場はかつて自分も通ってきた道です。若手の気持ちも理解できるので、年上である自分の側がうまく配慮していくことで、働きやすい雰囲気を作ることができるでしょう。

40代薬剤師は復帰できる

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このように、ブランクがあると不安はあるでしょうが、40代の薬剤師はまだ十分に復職が可能です。
まず、薬剤師の復職事情について詳しくみてみましょう。

薬剤師は復帰しやすい職種

薬剤師は、薬を扱う医療関係の職場でなくてはならない存在です。
そして、薬剤師は難関の国家資格です。ドラッグストアなどで医薬品を販売できる登録販売者は、一般の社会人が勉強をして取ることが可能な資格ですが、薬剤師免許は誰もが気軽に取れる資格ではありません。

薬剤師はまだ人手不足の傾向にあり、薬剤師免許を持っている人は限られているため、ブランクがあっても免許保持者は復職できます。

また、薬剤師というだけである程度の給与は保証されています。ブランクがあるからといって、最低賃金での採用になるなどということはありません。
やはり薬剤師免許は非常に強い資格だと言えます。

ブランクの長さによって難易度は変わる

ただ、スムーズに復帰できるかの難易度はブランクの長さによって変わります。
診療報酬は2年ごとに変わります。そのため、ブランクが2年以内ならば、新しく覚えなくてはならないことが少なくてすみます。また、仕事に関する勘もそれほど落ちていないので、スムーズに復職できるでしょう。

一方で、ブランク期間が長ければ長いほど復職の難易度は高くなります。
特に、正社員で就職したい、ある程度の年収は欲しい、という希望を持つと、いきなりかなえるのは難しいでしょう。

子育てのために仕事を辞めた場合、子どもが中学生くらいになって復帰を考えると、ブランク期間は10年程度になります。
しかし、ブランクが10年となると、採用する側も実際に働くうえでの知識やスキルがないのではないかと考えます。40代は定年までの期間が短いこともあり、ブランクがある40代に対しては採用側も及び腰になってしまうのです。

子育てとのバランスが難しいところですが、ブランクの期間はできれば2年、長くても数年にとどめて、短い時間からでもよいので早めに復職することをおすすめします。

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復職におすすめの職場

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40代でブランク後の復職のしやすさは、職場によっても違います。
たとえば病院や製薬会社は新卒の採用に重きが置かれ、専門性が高いので、ブランクの長い薬剤師にとって再就職先とするのは非常に難しくなっています。
もし病院への再就職を希望する場合は、急性期病院や総合病院ではなく、慢性期病院をねらうと比較的スムーズです。

40代の薬剤師におすすめの職場は、ドラッグストアと調剤薬局です。

ドラッグストア

ドラッグストアは、OTC医薬品の販売だけでなく、健康相談、予防に関するアドバイス、化粧品や日用品の販売など、幅広い業務に携わることが必要となります。
調剤業務が必須でないため、ブランクがある薬剤師にとっても比較的なじみやすい職場と言えます。

また、ドラッグストアはお客さんと接することが多く、コミュニケーション力が必要とされる職場です。
子育てをしながら地域のなかでさまざまな人と関わってきた経験がある40代薬剤師は、若い薬剤師にはないスキルを持っています。40代の経験が活かせる職場なのです。

ドラッグストアは店舗数が多いので、再就職先も自宅の近くで探しやすいでしょう。
営業時間が長く、スタッフの数も多いため、シフトの調整によって働く時間を調整することができます。

復職の難易度で考えるなら、ドラッグストアでパート勤務をするというのが最もスムーズだと言えます。

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調剤薬局

調剤薬局は薬剤師がいちばん多く働いている職場です。
また、調剤のスキルは薬剤師の基本であり、これから長く働きたいと考えると、復職後にぜひキャッチアップしておきたいスキルだと言えます。

ただ、専門性が高いだけに、復職のハードルは低くはありません。
調剤のスキルがあり、ブランク期間が長くない人は、比較的スムーズに調剤薬局で採用してもらえるでしょう。
ただ、ブランク期間が長くなると、採用されるのは難しくなります。

そういう人は、まずは「ブランク可能」という求人からトライしましょう。なかなか人が採用できない薬局では、ブランクがあっても採用される可能性が高いです。採用されたあとはしっかり勉強してスキルアップしていきましょう。

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40代薬剤師が職場を探すポイント4つ

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これからのポテンシャルが評価される20代や30代の転職とは違い、40代の薬剤師が転職する際には独特の難しさがあります。
ここでは、40代の薬剤師が職場を探す際に注目すべき4つのポイントについてご紹介します。

1. 一人当たりの処方箋が少ない職場を選ぶ

調剤薬局で働く場合、仕事の忙しさには1人当たりの処方箋の数が大きく関係します。
若くてキャリアアップしたい場合は、複数の診療科に対応する薬局のほうがやりがいを感じられるでしょう。

しかし、40代で家庭と無理なく両立したいと思う人は、1人当たりの処方箋が少ない職場を選ぶほうが復職後も無理なく働くことができます。
また、40代になると、体力面での変化を感じる方もいるかもしれません。
復職先を選ぶ際には、1人当たりの処方箋はまずチェックしておきましょう。

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2. 職場の人数が多い職場を選ぶ

子育て中は、子供の病気などで急に休まなければならないことがあります。そのような場合でも、多くの薬剤師が働いる職場であればカバーしてもらいやすいです。また、チェーン展開をしている会社ならば、近くの店舗からヘルプに入ってもらうこともできます。

仕事に集中できる状態での復帰であれば別の条件を優先しても問題はありませんが、もし上記のような不安がある場合は、人数が多い職場を選ぶほうが働きやすいと言えるでしょう。

3. ママ薬剤師が多く働いている職場を選ぶ

まだ子どもの手がかかる状態で復職する人は、子育て中のママ薬剤師が多く働いている職場をおすすめします。
ママ薬剤師が多い職場は、子どもがいる薬剤師の扱いに慣れています。また、何かあっても「おたがいさま」という気持ちで助け合える雰囲気があります。
仕事の面だけでなく、子育ての面でもいろいろと話ができたりして、心強さを感じることができるでしょう。

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4. 経験したことのある職種を選ぶ

スムーズにまた仕事を始めるためには、以前働いたことがあって、自分がよく知っている職種に就くことが一番です。たとえブランクがあっても、まったく知らない仕事をするよりはストレス少なく仕事に慣れていくことができます。

40代薬剤師が復職する際の注意点

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薬剤師に限らず、40代でまた仕事を始める際には、再就職先の条件以外に自分のほうで準備しておいたほうがいいことがいくつかあります。
どんなことに注意が必要かを確認してみましょう。

いざというときのサポート体制を作っておく

新しく仕事を始める際には、いままでの家族全体で生活のしかたをまるごと変えると考えたほうがスムーズにいきます。
仕事を始めるのは非常に負担が大きいことです。これまで家事と育児を担っていたママがそれに単純に仕事をプラスすると、負荷が大きくなりすぎて、いざというときに回らなくなってしまいます。

まず、家庭内の家事や育児の負担を夫やほかの家族にも分担してもらい、誰か1人だけが無理をして回すという状態を避けましょう。
そして、大変な場合にどうするかをあらかじめ考えておきましょう。

たとえば、子どもが病気になったときには夫婦でお互いが休みを取って対応できるのか、実家の親のヘルプが期待できるか、近くに病児保育はあるかなど、いくつかの対応策を考えておきましょう。

いざというときのサポート体制があれば、安心して働くことができますし、就職活動の際にも採用元の不安を和らげることができます。

これからのキャリアも考える

復職する際には、目先の仕事の働きやすさに加えて、これからどんなキャリアをめざしていきたいかも考えましょう。
これからまたバリバリ働きたいのか、仕事と家庭を両立してゆとりを持って働きたいのかによって、選ぶべき職場も違ってきます。

希望したとしてもそれがかなえられるかどうかはわからないのが40代の再就職です。
ただ、これからの方針がなければ、満足度の高い再就職は難しいとも言えます。
復職して、仕事に慣れたあとはどのように働き続けていきたいかについても考えながら活動していきましょう。

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復職が50代になるのはどう?

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復職を迷っている人のなかには40代後半の人もいるでしょう。
もう少し家庭が落ち着いてから復職したいけれど、そうすると50代になってしまうという場合、再就職のしやすさに違いはあるのでしょうか。

50代の復職はおすすめできない

結論から言うと、復職が50代になることはおすすめできません。
50代での再就職は、40代よりもさらにハードルが高くなります。
これは、ブランク後の再就職に限りません。ずっと働いている人が転職する場合でも、50代になると自分の希望通りの仕事に就くことは難しくなるのです。

50代の復職は難易度が高くなる理由

求人を出して、50代の人が応募してきたとしても、採用元は、新しいことに対応できないのではないか、年下ばかりの職場に50代が入ることはバランスが悪く、スタッフ全員が働きにくくなるのではないかなどと考えます。
同じくらいのスキルを持った50代とより若い人が応募してきた場合、若いほうが採用されるでしょう。

50代の薬剤師に期待されるのは、ベテランとしての豊富なスキルと、管理職的な役割です。
いろいろな事情や思いがあるでしょうが、再就職の希望があるならば、少しでも早く働き始めることをおすすめします。

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まとめ

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ここまで見てきたように、薬剤師が40代で復職することは、無理ではありませんがハードルは高くなります。特に、給与や待遇などの希望が高い場合はなかなかマッチしないことが増えるでしょう。
40代で復職したいと思った人は、自分ひとりでトライするよりも、薬剤師専門の転職サービスに登録して、実際の採用事情を聞きながら活動することをおすすめします。

薬剤師免許の力は強いので、自分のまわりの状況を知って、きちんと計画を立てて行動すれば、自分に合った場所で再び働くことは十分可能です。
この記事を参考に、再就職の方法について考えてみてはいかがでしょうか。

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薬剤師コラム編集部

「m3.com」薬剤師コラム編集部です。
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