60代薬剤師の転職・年収コラム

更新日: 2024年10月9日 薬剤師コラム編集部

薬剤師60代での転職は?OTCの知識がなくてもドラッグストアで働ける?

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ドラッグストアは60代でも働きやすい職場として人気ですが、気になるのはOTCの取り扱いについてです。

これまでOTCについて学んだことがなくても、ドラッグストアで働くことはできるのでしょうか?
そもそも60歳での転職は可能でしょうか。
この記事では、60代薬剤師のドラッグストアへの転職について、OTCとのかかわり方も含め解説します。

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60歳以上の薬剤師の転職は難しい?

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薬剤師は60歳以上であっても、転職は十分に可能です。
地域によって差はあるとはいえ、薬剤師は全体的に人手が足りていない状況です。
そのため、60歳以上でも薬剤師の需要はあり、なかには積極的に定年後の薬剤師を採用しようとしている職場もあります。

ただし、転職先の種類は限られます。
また、ほとんどはパートや嘱託職員としての雇用になり、正社員雇用は難しいと考えておくほうがいいでしょう。

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60歳以上の薬剤師が転職しやすい職場は?

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60歳以上の薬剤師が転職しやすい職場としては、ドラッグストアと調剤薬局が挙げられます。
どちらも店舗数が多く、60歳以上の薬剤師もたくさん活躍しています。
それぞれの特徴を具体的に見てみましょう。

ドラッグストア

店舗数が多いドラッグストアは、働く場所の選択肢が多いことが魅力です。
なるべく通勤に時間をかけず、自宅近くで働きたい人にはおすすめの転職先といえるでしょう。
勤務時間もシフト制のため、自分の都合に合わせた働き方が可能です。

また、ドラッグストアは調剤未経験者でも転職できる数少ない職場でもあります。

ドラッグストアには調剤併設型の店舗と、OTC専門の店舗とがありますが、OTC医薬品の販売については調剤経験不要のため、調剤経験がなくても採用してもらえます。

60代の転職では、調剤経験の有無は大きなポイントになります。
調剤未経験者はどうしても転職先が限られてしまいます。
その点、ドラッグストアは、調剤未経験者も含め、60代薬剤師が活躍しやすい転職先だといえるでしょう。

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調剤薬局

調剤経験のある薬剤師なら、調剤薬局も転職しやすい職場です。
基本的に日曜、祝日は休みのところが多く、営業時間も夕方5時や6時で終了することが一般的です。そのため、生活リズムを整えやすいという利点があります。

調剤薬局の特徴として、近隣にある病院の診療科の種類によって、忙しさが左右されやすいということが挙げられます。
近くに内科や小児科、あるいは大きめの総合病院があると、持ち込まれる処方箋の数も多いうえに、薬の種類や内容も専門的なものが多く、負担を感じやすいかもしれません。
忙しくて休みも取りにくいという状況では、60歳を過ぎてから働く職場としては体力的に厳しいものがあるでしょう。

調剤薬局に転職する際には、近隣の病院の種類や、実際の処方箋の枚数などを、事前によくリサーチしておくことをおすすめします。

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60歳以上の薬剤師の転職先にドラッグストアがおすすめの理由

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60代薬剤師が活躍しやすい転職先として、なぜ真っ先にドラッグストアが挙げられるのでしょうか。
理由について解説していきます。

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求人数が多い

ドラッグストアはチェーン展開しているものが多く、店舗数が多いのが特徴です。
また、1日の営業時間が長く、定休日を設けていないため、勤務はシフト制となっています。
そのためどの店舗も慢性的に人手不足であり、総じて求人数は多いです。
60歳以上の薬剤師も積極的に受け入れており、定年後でも採用される可能性が高い職場です。

自分に合ったシフトで働ける

先にも述べた通り、ドラッグストアの勤務体系はシフト制となっています。
自分の都合に合わせて勤務日数や勤務時間が選べるため、無理のないペースで働くことができます。
体力的な不安も大きくなる60代薬剤師にとって、働きやすい職場といえるでしょう。

これまでの調剤経験が生かせる

過去に調剤経験があるなら、それを生かして、調剤併設型のドラッグストアで調剤業務に携わるのもいいでしょう。
今までの職場とは勝手が違うところもあり、最初は覚えることが多いかもしれませんが、これまで培ってきた調剤経験や知識を大いに役立てることができます。
なじみのある仕事や経験が生かせる仕事に携われることは、その後の働きやすさにもつながります。

これまでのコミュニケーション能力が生かせる

たとえ調剤経験がなくても、ドラッグストアは日常品や食品を扱う小売店という面が強いので、OTC医薬品販売やその他の店舗業務などで活躍することができます。
薬のことについてお客さまから相談を受けた際に、サプリメントや食品も含めてアドバイスをしてお客様に喜ばれ、店の売り上げにもつながる、ということもドラッグストアなら可能です。

ドラッグストアは一般的にお客さまとの距離が近く、地域の人との関わりを深めやすいという特徴があります。
薬剤師として、これまでさまざまな職場で培ってきたコミュニケーション能力を生かし、相談しやすい薬剤師として地域に溶け込んでみてはいかがでしょうか。
身近なところから地域医療に貢献できることが実感でき、新しいやりがいを見いだすことができるでしょう。

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これまでOTCを扱ったことがなくてもドラッグストアで働ける?

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調剤経験の有無にかかわらず、60歳からでも転職しやすいドラッグストアですが、OTC医薬品についての知識はいったいどの程度必要なのでしょう。
これまでOTCについてはほとんど学ぶ機会がなかったという人も多いのではないでしょうか。

ここからは、ドラッグストアへ転職する際、OTCについてどの程度知っておくべきかについて解説します。

OTCの知識がなくても採用してもらえる

結論から言えば、ドラッグストアでは特にOTCの知識がなくても採用してもらえます。

ほとんどのドラッグストアは研修制度や現場でのサポートが充実しているため、採用時にOTCの知識の有無はあまり問題にされません。
基本的なコミュニケーション能力がしっかりしていれば、OTCの知識がなくても採用される可能性は高いです。

採用後の勉強は必要

採用時にOTCの知識がなくても問題ありませんが、採用後はOTCについて勉強していく必要があります。
試験対策のように完璧な暗記は必要ありませんが、接客の一環として、聞かれたことには答えられるよう、地道に勉強を続けていきましょう。

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OTCを勉強する方法

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OTCについて勉強するといっても、いったい何から始めればいいのか戸惑いも感じるのではないでしょうか。
ここでは、具体的な勉強方法について解説します。

本で勉強する

自分でじっくりとOTCについて学びたいなら、本を活用するという方法があります。
書店に行けば、OTCについて書かれた本がいくつかあります。気になったもの、興味のあるものから少しずつ読んでみるといいでしょう。
ただし、薬剤師向けに書かれたOTC関連の本は種類が少ないというのが難点です。
代わりに、登録販売者向けのテキストを利用してみるのもいい方法です。

OTCについて、すべてを完璧に覚える必要はありませんが、お客さまから相談や問い合わせがあったときに正確に答えられるよう、手元に何か1冊持っていると安心です。

採用先で研修を受ける

大手のドラッグストアでは、社内研修としてOTCについてのセミナーや勉強会を積極的に開催しているところもあります。
採用先にそのような研修制度があるならぜひ利用しましょう。
特にメーカー主催の勉強会などは、メーカーの担当者に直接質問をすることができるため、本だけでは得られない貴重な学びを得ることができます。

働きながら学ぶ

OTCを学ぶもっとも効果的な方法は、現場で実際にOTC医薬品に触れることです。
お客さまからの質問に答えたり、相談に乗ったりという接客を通して、少しずつ生きた知識が経験となって積み重なっていきます。
職場に経験豊富な登録販売者がいれば、その人に教えてもらいながら学ぶのもよい方法です。

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60代の薬剤師が転職する際の注意点

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最後に、60代薬剤師が転職するときに注意すべき点についてまとめてみました。

年収が減ることを覚悟しておく

60代での転職は、年収が大きく減る可能性があることを覚悟しておく必要があります。
60代になると、若い年代のような高いパフォーマンスを維持するのは難しくなってきますし、これから先働ける年数も限られたものになってきます。
そのため60代を正社員雇用するケースは少なく、パートや嘱託という雇用形態が一般的です。

受け取る給与の額は、これまでの6割から半分程度にまで下がる場合もあります。
転職する際は、これまで通りの年収を望むことは難しいということを十分に理解した上で臨むようにしましょう。
給与が下がることを憂えるのではなく、働けることがありがたいくらいのおおらかな気持ちで受け止めるといいのではないでしょうか。

体力的に無理のない範囲で働く

体力的な衰えを少しずつ自覚しはじめるのも60代という年代でしょう。
若いころには何ともなかったことが、年齢を重ねるにつれ次第につらく感じるようになってきたりもします。
残業やフルタイムでの勤務がきついと感じるなら、業務量や勤務時間を調整してもらうなど、無理のない範囲で働く工夫をするようにしましょう。

あらかじめ、残業の有無や勤務時間の調整がしやすい職場かどうかを見極めておくことも大切です。
また、通勤時間が長くかかりすぎることも体力を奪う原因になります。
できるだけ長く働き続けるためにも、体力的に負担の少ない転職先を探すようにするといいでしょう。

自分の経験をひけらかさない

これまで長く薬剤師として働いてきたなかで、知識や技術や経験など、たくさんのものを得てきたという自負を誰しも持っていると思います。
それらの貴重な経験のうち、新しい職場で役立ちそうなものは、ぜひ皆と共有し、業務に役立てていくようにしましょう。
その際、ただの自慢と受け止められてしまわないような配慮があると、よりスムーズに受け入れてもらえます。

必要以上に自分の話を持ち出したり、上から目線でアドバイスをしたりしてしまうと、余計な反感を招きかねません。
新しい職場ではあくまで新人のつもりで、自分の知識や経験を伝えるときには謙虚な物言いを心がけるようにしましょう。

薬に関する仕事以外も積極的に取り組む

ドラッグストアに転職した場合、薬剤師が担う主な業務は、やはり調剤やOTC医薬品の販売といった薬剤関係の業務になるでしょう。
しかし、ドラッグストアにはそれ以外の業務もたくさんあります。
レジ打ちや品出し、在庫管理、陳列棚用のPOP作り、接客、清掃といった店舗業務も、ドラッグストアを運営、維持していくための大事な業務です。

それらの業務にも積極的に携わる姿勢を見せることは、職場全体の士気を高めることにつながりますし、良好な人間関係を築くもとになります。
仕事の幅が広がることは、自分のためにもなります。
未経験の業務に対しても好奇心を忘れず、また、その職場で働く人間としての責任感を持って前向きに取り組んでいきましょう。

「60歳以上可」の求人を探す

求人を探すときには「60歳以上可」と表示があるものを重点的に見ていくとよいでしょう。
「60歳以上可」とある職場は、定年後の再就職に対して雇う側に理解があり、積極的に受け入れようとしている職場である可能性が高いです。
そういう職場なら、採用してもらえる確率も高いでしょう。

定年後の薬剤師を多く採用してきた職場なら、年齢からくる体力的な問題にも柔軟に対応してくれますし、希望すれば65歳以降や70代まで継続雇用してもらえる場合もあります。
無理のない範囲で、できるだけ長く働き続けたいという希望があるなら、定年後の薬剤師の受け入れ実績がある職場への転職が、より望ましいといえます。

まとめ

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60代薬剤師の転職先として人気のあるドラッグストア。
OTC医薬品については、現場で働きながら学んでいくことで対応できます。
採用先の研修制度も上手に利用しつつ、少しずつ知識を深めていくとよいでしょう。

医師の処方箋に従って調剤する調剤業務と違い、OTC医薬品には、お客さまとのカウンセリングを通して薬剤師が直接アドバイスできるという魅力があります。
長い薬剤師生活を通して培ってきたコミュニケーション能力を生かし、今後は地域の人から頼りにされる薬剤師として活躍してみてはいかがでしょうか。

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薬剤師コラム編集部

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