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60代薬剤師の転職・年収コラム

更新日: 2024年11月3日 薬剤師コラム編集部

定年退職後の薬剤師の働き方。60歳からの転職先や注意すべき点を解説

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60歳という定年の年齢が近づいてくると、今後の身の振り方について悩ましく思われる薬剤師の方もいらっしゃるのではないでしょうか。定年退職後も現役で働き続けたいけれど、就職先があるのだろうかと不安になりますよね。この記事では、60代薬剤師が再就職を考えるときに、注意すべき点について解説します。

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薬剤師は60代でも働ける?

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結論から言うと、薬剤師は60代でも働けます。

薬剤師も、サラリーマンと同じく60歳で定年を迎えるのが一般的です。
ところが、国民年金や厚生年金の支給開始は65歳から。定年退職後、収入が途絶える5年間をどのように過ごすべきか、悩ましいところですね。

老後の生活をゆとりあるものにするためにもう少し働きたい、あるいは社会とのつながりをまだ断ち切りたくないと考える人もいるでしょう。

幸い薬剤師の需要は高く、60代でも働くことは可能です。
薬剤師は国家資格を持つ専門職なので、定年退職後でも問題なく受け入れてくれる企業はあります。

気になるのは、60歳を過ぎてからの働き方です。
どのような働き方があるのか、再就職の難易度はどれくらいなのか、順を追って解説します。

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定年退職後、60歳以上の薬剤師が働く方法

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定年退職後の薬剤師の働き方は2種類あります。
いまの職場で再雇用してもらう方法と、新たな職場へ転職する方法です。
2つの働き方について、詳しくみていきましょう。

現在働いている職場で再雇用

定年退職後後の高齢者の雇用を確保するため、厚生労働省はルールを定めています。
そのひとつが、定年の年齢を65歳未満に定めている事業主は、「65歳までの定年の引上げ」か「65歳までの継続雇用制度の導入」、または「定年の廃止」のいずれかの措置を実施すること、というものです。

多くの企業は「65歳までの継続雇用制度の導入」を取り入れています。そのため、定年退職後は現在の職場で再雇用してもらうという薬剤師が多いです。
まず、自分の職場が再雇用制度を取り入れているかどうかを調べておきましょう。

再雇用とは、定年を迎えた労働者をいったん退職扱いとし、再度その労働者と雇用契約を結ぶ制度です。
退職した段階で正社員の身分は失うため、嘱託社員やパートとしての雇用になります。役職についていた人は、役職から外れることになります。

新たに雇用契約を結びなおす際に、賃金の減額など労働条件も大きく変わるため収入は減りますが、以前と同じ職場でそのまま働けるというメリットがあります。

新しい就職先を探す必要がなく、環境を変えずに引き続き現職で働きたいと考える人には向いているといえるでしょう。

新しい職場に転職する

一方、いまの職場に残らず、新しい職場に転職する方法もあります。

現在の職場に何らかの不満があったり、人間関係で悩みを抱えていたりする場合は、定年退職を機に関係をリセットし、新しい環境で働く方がよい場合もあるでしょう。
今まで経験してこなかった新たな業務に携わりたいと考える人にとっても、転職は有意義な選択です。

しかし、いくら薬剤師の需要が高いとはいえ、60歳以上の薬剤師の求人は、20代や30代向けの求人ほど数多くはありません。
ただ、60歳以上の薬剤師を積極的に採用しようとしている会社もあります。

もし転職を考えるなら、調剤経験があることが非常に重要になります。
調剤経験があり、即戦力として働ける薬剤師のほうが転職先の選択肢が増えるからです。
それでは具体的にどのような転職先があるのか、みていきましょう。

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60歳以上の薬剤師の転職先

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60代薬剤師の転職先としておすすめなのは、ドラッグストアと調剤薬局です。
どちらも店舗数が多く、シフト制を組んでいるところもあるため、求人の数が多いです。
比較的、再就職しやすい職場といえます。

ドラッグストア

ドラッグストアは勤務がシフト制のため、勤務時間や勤務日数の選択肢が幅広く、自分の都合に合わせて働きやすいというメリットがあります。
正社員雇用ではなく、パート・アルバイトとしての求人がほとんどですが、時給はだいたい2000円前後と高水準です。
あまり体に負担をかけず、無理のない範囲で働きたいと考えている人には、ちょうどいい働き方ができる職場といえるでしょう。

ドラッグストアには調剤併設型とそうでないものとがあります。
調剤経験があるなら、調剤併設型ドラッグストアで主に調剤業務を担うことになるでしょう。OTC医薬品についてのカウンセリングや対面販売も、薬剤師の主な業務になります。

他にも、レジ打ちや接客、商品の品出しや陳列、在庫管理など、業務内容は多岐に渡りますが、それだけに調剤未経験者でも働きやすい職場といえます。

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調剤薬局

調剤経験を積んできた薬剤師なら、調剤薬局に転職するという選択肢もあります。
調剤薬局は、60歳以上も可とする求人が比較的多く、定年退職後の薬剤師を積極的に採用しようとしている店舗も見受けられます。
ただし、基本的にはパート・アルバイトとしての募集で、正社員雇用はほとんどありません。

時給に関してはドラッグストアよりやや高めの傾向です。
薬キャリエージェント調べによると、ドラッグストア勤務のパートの時給は1862円、調剤薬局勤務のパートの時給は2072円でした。

調剤薬局を転職先として検討する際に注意したいのは、近隣の病院の診療科の種類です。
たとえば総合病院や内科の門前薬局だった場合、持ち込まれる処方箋の枚数が多い上に、内容も専門的で多岐に渡り、非常に忙しく負担が大きいと感じるかもしれません。
60代は体力的にも無理がきかなくなってくる年代です。
扱う処方箋の内容や枚数について、事前に確認しておくことをおすすめします。

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物流センターの管理薬剤師

医薬品卸の支店や物流センターは、管理薬剤師を置くことが法律で義務付けられているため、求人募集の際は60歳以上も可として、管理薬剤師の確保に努めようとする職場が多いのです。

ただし、求人の数は非常に少なく、限られているため、めったに見かけることはありません。また、調剤経験が不必要なため調剤未経験者にとっても応募しやすく、競争率は非常に高いものになります。

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そのほかの職場はレア

ドラッグストアや調剤薬局以外で、60代薬剤師が再就職できる職場はそう多くありません。

他には病院や企業といった就職先がありますが、これらについては60代での新規採用はまずありません。
もともとそこで働いていた薬剤師を再雇用することはありますが、退職後に新たな病院や企業で働くことは難しいでしょう。

60代、定年退職後の薬剤師が働くときの注意点

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就職先はやや限られてくるとはいえ、60代薬剤師が働くことは十分可能です。
ただ、定年退職後の再就職によって、これまでとは労働条件や自分を取り巻く環境が大きく変わってしまう可能性があります。
60代薬剤師が働くときに注意すべき点は何でしょうか。

給与が下がることを覚悟しておく

転職するにしても再雇用するにしても、定年退職後の再就職は給与が下がる可能性が高いです。

60代は、20代や30代のころのように、高いパフォーマンスを維持することは難しくなってきます。
また、今後働ける年数も短いため高い給与で雇ってもらえる可能性は低く、従ってこれまでと同等の待遇や年収はまず望めないものと覚悟しておくほうがいいでしょう。

再就職で嘱託、あるいはパート・アルバイトという立場になると、以前は役職に就いていた人も一般薬剤師に降格することになります。正社員で役職手当がついていたときに比べると、年収は大きく下がり、新卒と変わらない程度の収入になる可能性もあります。

再就職をするときは、以前とは収入が大きく減ることを理解し、納得しておくことが大切です。

条件にこだわりすぎない

転職を検討する際、自分にとっての優先事項を決めておくことは大切です。
ですが、定年退職後の再就職先を探す場合、あまり細かな条件で選択肢を狭めることはおすすめできません。
たとえばフルタイム勤務にこだわりすぎると、いつまでたっても再就職先が決まらないという悪循環に陥ってしまいかねません。

自分が希望する条件と、企業から提案された条件が違う場合、どうしても譲れないという条件以外はひとまず受け入れてみるようにしてみましょう。
特に勤務形態や勤務条件については、なるべく柔軟に対応できるようにしておくといいでしょう。

上司が年下になることが多い

再就職先では、ほとんどの社員が自分よりも年下であることが多いでしょう。
つまり、上司も年下である場合がほとんどです。

年下に指示されることに、違和感ややりにくさを感じることがあるかもしれません。
自分のほうが経験豊富だからと、無意識のうちに尊大な態度を取ってしまいがちになることもあるでしょう。しかしそれでは良好な人間関係が築けません。

上から目線の言動は、相手にもやりにくさを感じさせてしまいます。
あくまで自分は部下であることを忘れず、謙虚な気持ちで上司に向き合うように心がけましょう。

職場の雰囲気に謙虚になじむ

どんな職場でも、仕事をスムーズに進めるためには周囲との協力が欠かせません。
自分よりも若い人たちに混じって仕事をすることに、時に抵抗を感じることがあるかもしれませんが、プライドにこだわってばかりいては周囲とよい関係は築けません。

定年退職後の再就職では、これまでの経験やスキルよりも、周囲とうまく協力できるかどうかが重要視されるといっても過言ではありません。
新人のつもりで謙虚に周りの意見を聞いていれば、自然と人も集まり、職場の雰囲気にも順応していけるでしょう。仕事の運びもスムーズになります。
自分の知識や経験を伝えたいときは、いまの職場で活用できそうな点に絞って提案するとよいでしょう。

できる限り長く働きたいなら、職場のスタッフとの相性は大事な要素です。
良いパフォーマンスをするためにも協調性を大事にして、心地よい職場環境が作り出せるようにしましょう。

体力面で無理をしない

60代になると、体力の衰えを感じ始める人も増えてきます。
特に勤務時間の長さや仕事量の多さなどが、体力的にも精神的にも大きな負担となってくるようになります。

定年退職後の再就職では、こうした体力面に考慮して、無理のない仕事選びが必要です。
勤務時間や残業の有無、休暇の日数など、負担なく続けられる内容かどうかをよく吟味しましょう。

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60代の薬剤師の転職先の探し方

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60代薬剤師が、効率よく転職先を探すポイントについて解説します。

転職エージェントを利用する

60代薬剤師の求人はありますが、数は多くありません。自分一人で探すのは時間もかかり、効率的ではないでしょう。また、求人サイトに載っているものは、すでに募集が締め切られたものも混在している可能性があります。

求人を探す際は、薬剤師専門の転職エージェントの利用をおすすめします。
薬剤師の転職事情に精通したコンサルタントが、内定を取りやすい求人を紹介してくれますし、履歴書の添削や面接のサポートまで1対1でフォローしてくれます。

60歳からの転職活動は、現場の情報が何よりも大切です。
現場の情報とは、職場の雰囲気や働いている薬剤師の年齢層、薬剤師を募集している理由、有給の取得のしやすさや残業の有無などです。

こういった情報は求人票には載っていませんが、転職後のミスマッチを防ぐために非常に大事な情報です。
転職エージェントを利用すれば、求人の紹介だけではなく、このような内側の情報も教えてくれます。

60歳を過ぎてからの転職は、年齢的に2度も3度もチャレンジできるものではありません。年齢を重ねるごとに、転職難易度は非常に高いものになっていきます。
納得のいく転職を成功させるためにも、ぜひ転職エージェントを利用してみましょう。

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「60歳以上可」の求人を探す

求人を探すときには「60歳以上可」のキーワードで検索してみましょう。
60歳向けの求人を探すことはなかなか難しいですが、「60歳以上可」という条件で探すと比較的ヒットしやすいです。

また、「60歳以上可」とある求人は、定年退職後の再就職に対して積極的な受け入れ態勢がある可能性が高く、採用されやすいといえます。
できるだけ長く働きたいなら、60代での再就職に理解のある職場を選びたいですね。

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調剤薬局は大手よりも中小

中小規模の調剤薬局のなかには、定年についての年齢の定義が曖昧なところもあります。
そのため、60歳以上の薬剤師でも比較的採用されやすい傾向があるのです。
また、経営者自身が高齢であるパターンも多く、60代薬剤師が働くことへの理解や配慮が期待できます。

一方、チェーン展開しているような大手の調剤薬局は、研修制度が充実しており再就職後のフォローなどが期待できますが、どちらかといえば若手を積極的に採用する傾向にあります。
60代薬剤師が定年退職後の再就職先を選ぶなら、大手よりも中小規模の薬局がおすすめです。

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面接では協調性があることをアピール

定年退職後の薬剤師を雇用する際、企業側が求めるのは、技術やスキルよりもむしろ協調性です。
いまいるスタッフたちとうまく協力しながら仕事をしてくれそうか、人間関係でトラブルを起こす心配はないかなど、職場の雰囲気を壊さない人物が求められます。

特に調剤薬局やドラッグストアでは、患者やお客への対応の仕方も重視されます。
面接の時は、自然な笑顔を心がけ、謙虚さや協調性があることを上手にアピールしましょう。

60歳以上の薬剤師の再就職のQ&A

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調剤が未経験でも転職できる?

調剤未経験でも転職できる可能性はあります。
おすすめは、調剤を行わないOTC医薬品専門のドラッグストアです。
仕事は主にOTC医薬品のカウンセリング販売になります。
他にもレジ打ちや商品の品出し等の店舗業務がありますが、いずれも調剤経験は必要ありません。

また一部の中小薬局では、人材不足のため調剤未経験者も積極的に採用しているところがあります。この場合は、働きながら自分で調剤を学んでいくことになります。

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定年後に少し休んでからでも転職できる?

ブランクを挟んでからの転職は、不利になります。
定年退職後の薬剤師に限らず、若い年代の薬剤師でも、2年以上のブランクがあると転職の難易度は非常に高くなります。

医療の現場は早いスピードで変化しているため、現場から離れている期間が長いと、知識やスキルが維持できていないのではないかと思われてしまいます。
どうしても定年退職後にブランクを挟みたい場合は、できるだけ早く復帰するようにしましょう。

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薬剤師は何歳まで働ける?

これは職場によってさまざまです。70歳まで働ける職場もありますし、定年なしの職場もあります。
薬剤師資格は年齢によって効力がなくなるわけではないので、自分が働ける限りは薬剤師として働くことができます。
自分自身の体力や気力と相談しながら、無理のない働き方を続けられるといいですね。

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まとめ

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60代薬剤師の働き方と注意点について解説しました。
定年退職後の働き方は、現在の職場で再雇用してもらうか、新たな職場に転職するかになります。
パートやアルバイトという立場に変わるため、収入は大きく下がるものと覚悟しておきましょう。

60歳以上の薬剤師に求められるのは、これまでの経験やスキルよりむしろ人柄です。
職場の雰囲気にうまく溶け込み、スタッフたちと協力しあえる謙虚さと協調性を持ち合わせていることが、採用の決め手になります。

体力面では過度な負担をかけ過ぎないよう調整しながら、できるだけ長く、楽しみながら働くことができるといいですね。

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薬剤師コラム編集部

「m3.com」薬剤師コラム編集部です。
m3.com薬剤師会員への意識調査まとめや、日本・世界で活躍する薬剤師へのインタビュー、地域医療に取り組む医療機関紹介など、薬剤師の仕事やキャリアに役立つ情報をお届けしています。

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