プラセボ効果の源泉を探る②―オープンラベルプラセボとその効果

前回はプラセボを投与される文脈によって、その効果にどのような変化が生じ得るのかを考察した。薬を服用する患者にとってこれらの文脈は、有効な治療を受けることができる確率に還元できる【表1】。しかし、この確率の差異がもたらすプラセボ効果への影響はごく小さなものだった。このことはまた、有効な治療を受けることができる確率が0%、すなわち「事前にプラセボであることを明かしてプラセボを投与」しても何らかの効果が期待できるという驚くべき可能性を意味する。今回は、プラセボを投与する文脈とその効果について、文脈③の考察から始めよう。
【表1】プラセボを投与する文脈と有効な治療を受けることができる確率
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