プラセボ効果-人と生活と、ときどき薬理

更新日: 2021年12月9日

薬剤効果の多因子性を考察する-薬の効果を作り上げるもの

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第4回、そして第5回で論じたように、プラセボ効果をどのように解釈し、日常生活に対してどんな意味を含ませるかについては、科学と呼ばれるような客観的かつ合理的な営みだけでなく、認識と呼ばれるような人の主観によるところが大きい。このことはまた、薬の効果が主観で語られる余地を大きく残していることを意味する。しかし、医療が医学や薬学という科学的学問を基盤にしている限り、医療者は薬の効果を科学的に論じるべきであろう。主観の余地を多く残している薬の効果を、どのように捉えれば科学的に取り扱えるのだろうか。今回は、薬の効果を理解するためのフレームワーク、「薬剤効果の多因子性」と、その具体的なモデルについて論じたい。

薬の効能と薬効感

「出来事の成立は、僕らが考えているよりもはるかに複雑な因果の連鎖である」。本連載の第1回目で僕はそう述べている。「薬を服用した」という出来事に引き続いて、「心身状態の変化」が起きたとしても、その変化が薬の直接的な影響なのか、あるいはプラセボ的な何かの影響なのか、その判別は難しい。

薬の効果は、薬理学や病態生理学として理解されているような生物学的要因による効果と、服薬という行為や状況によってもたらされる社会・心理的要因による効果に分けることができる。後者は薬を飲む人の背景や心理的な影響であり、これは「広義のプラセボ効果」である(あえて「広義」とした理由については後に解説する)。

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青島 周一
あおしま しゅういち

2004 年城西大学薬学部卒業。保険薬局勤務を経て2012 年より医療法人社団徳仁会中野病院(栃木県栃木市)勤務。特定非営利活動法人アヘッドマップ共同代表。
主な著書に『OTC医薬品 どんなふうに販売したらイイですか?(金芳堂)』『医療情報を見る、医療情報から見る エビデンスと向き合うための10のスキル(金芳堂)』『医学論文を読んで活用するための10講義(中外医学社)』
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