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薬剤師のための「学べる医療クイズ」

更新日: 2022年7月18日 児島 悠史

ガスター10を2週間以上継続使用すべきでない理由は?
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一般用医薬品の『ガスター10(ファモチジン)』は、2週間を超えて使い続けないように使用制限がされている。この理由として正しいのはどれか。

【選択肢】

  • A.薬に依存性があるから。
  • B.肝臓に大きな負担をかける恐れがあるから。
  • C.腎臓に大きな負担をかける恐れがあるから。
  • D.胃がんなどの疾患を見逃す恐れがあるから。
  • E.身体に蓄積するため休薬する必要があるから。

答えの前にガスター10の基礎知識

ガスター10はH2ブロッカーと呼ばれる分類に属する薬です。1錠中にはファモチジンと呼ばれる有効成分を10mg含む胃薬です。

胃酸の働きを和らげる、そして胃粘膜を保護する成分には、スクラルファート、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、テプレノンなどがありますが、ガスター10の成分のファモチジンは市販薬の中では最も強力な作用が期待できるものです。

1997年からスイッチOTCとして薬局・薬店などの店頭でも購入できるようになったガスター10は元々、医療用医薬品としてクリニックなどの医療機関で用いられていました。ガスター10は現在では第1類医薬品に指定されているため、薬剤師による対面販売が義務付けられています。ガスター10には強力な制酸作用があります。

ガスター10は優れた制酸作用から、胃酸の分泌亢進による消化器症状に良く効く薬として知られています。そのため胃痛、胸やけ、むかつき、もたれなどを和らげる効果があります。特にストレスからくる胃の痛みには良く効きます。

胃粘膜からは、消化や殺菌作用を持つ胃酸が分泌されています。この胃酸が過剰に分泌されると自らを傷つけてしまいます。この胃酸により胃粘膜が傷つくと、胃痛、胸やけ、吐き気、胃もたれなどの不快な症状が起こります。潰瘍ができることもあります。胃酸の分泌は、胃粘膜細胞のH2受容体にヒスタミンと呼ばれる生理活性物質が結合することで起こります。ガスター10の成分であるファモチジンはこのヒスタミン受容体に結合してその働きを妨げることで胃酸の分泌を強力に抑制します。

これにより、胃酸の過剰分泌を原因とする様々な不快な症状や、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などを治療することが可能となります。ガスター10は即効性に優れ、胃痛などの症状を緩和することができます。

解答&解説はこちら
ガスター10を2週間以上継続使用すべきでない理由は?

※本クイズの内容は2021年11月作成時点のものであり,ご覧いただいた時点で最新情報ではない可能性がございます

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児島 悠史
こじま ゆうし

薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CL6。
2011年に京都薬科大学大学院を修了後、薬局薬剤師として活動。
「誤解や偏見から生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、ブログ「お薬Q&A~Fizz Drug Information」やTwitter「@Fizz_DI」を使って科学的根拠に基づいた医療情報の発信・共有を行うほか、大学や薬剤師会の研修会の講演、メディア出演・監修、雑誌の連載などにも携わる。
主な著書「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100(羊土社)」、「OTC医薬品の比較の比較と使い分け(羊土社)」。
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