医師が疑義照会でストレスを感じるとき
100名の医師に、薬剤師と働くうえでの喜怒哀楽やエピソードを伺うシリーズ。第6弾は「疑義照会でのストレス」について。疑義照会の際、医師が薬剤師のどのような対応にストレスを感じているのか聞いてみました。さらに、薬剤師に聞いた「疑義照会のストレス」も併せてご紹介します。
医師の3人に1人が「薬剤師からの疑義照会にストレスを感じた経験あり」
Q.薬剤師からの疑義照会に不満やストレスを感じたことはありますか?(2019年8月エムスリー調べ)
106人中33人の医師が、疑義照会にストレスを感じた経験があると回答しました。
では、どのような点をストレスと感じているのでしょうか。
ストレス原因の第1位は「不要な確認事項が多い」
Q.(「ある」とお答えいただいた方)不満と思う原因は何でしょうか?※複数回答可(2019年8月エムスリー調べ)
「不要な確認事項が多い」と感じる理由としては、「それくらい自分で判断してほしい」「疑義照会の必要なし」というコメントのほか、「処方理由をカルテに書いているにも関わらず、チェックせず疑義照会」と薬剤師の確認ミスを指摘するコメントもありました。
また、気になるのが「知識不足」という声。
薬剤師のどんな質問内容に「知識不足」と感じたのでしょうか?医師の回答を詳しく見てみましょう。
納得できる?医師がストレスを感じる疑義照会の内容
とにかくタイミングが悪い
診察中に直接電話での問い合わせがくる。(内科 開業医)
外来診療中の多忙な時に、電話がかかってくる。(眼科 市中病院・クリニック勤務)
処方薬に関する問い合わせ
「ジェネリックに変えていいですか?」という質問。(外科 市中病院・クリニック病院勤務)
抗凝固剤の休薬日数の確認。(外科 大学病院勤務)
ワーファリンの開始方法について。(泌尿器科 市中病院・クリニック勤務)
混雑した外来での軟膏処方時の非常に細かい指示についての問い合わせ。(小児科医 市中病院・クリニック勤務)
正直、「困ったな…」「勘弁してほしい」と思ったこと
抗アレルギー薬を痒み止めと説明。(皮膚科 開業医)
処方理由をカルテに書いているにも関わらず、チェックせず疑義照会。(内科 市中病院・クリニック勤務)
臨床経験不足。患者の拒薬を促進するような指導。(精神科 市中病院・クリニック勤務)
実臨床で当たり前のことを、点数稼ぎ目的で問い合わせしてくる。(皮膚科 開業医)
患者に薬の副作用を過大に言う。(内科 市中病院・クリニック勤務)
適応に関する理解が不十分。(救急・手術 大学病院勤務)
番外編:薬剤師が疑義照会でストレスを感じるとき
ここまで、医師が感じるストレスについて紹介しましたが、薬剤師にも、医師とのやり取りでストレスを感じるときがあるのではないでしょうか?
最後に、薬剤師に聞いた「医師への疑義照会で感じるストレス」をご紹介します。(2019年6月エムスリー調べ)
薬剤師がストレスを感じるのは、こんなとき!
疑義照会して、そのままでと回答し、次回処方で変更すること。(59歳・男性)
ずっとDO処方だったのでしょう。初めて受け付けた患者さんの処方に疑義照会かけたら「そのままで出してください」との回答。次回受け付けたらこちらの疑義照会通りに処方変更してくる医師がいる。薬剤師に指摘されるのってそんなにイヤですか?(57歳・女性)
一般内科の外用コメントはほぼない。点眼薬は用法用量ないことが殆ど。吸入も同じ。 (43歳・女性)
処方の誤りについて疑義照会後、処方が訂正されるが、医師からのインシデントレポートはほとんど提出されない。(64歳・男性)
処方日が当日ではない処方箋を疑義照会しようとすると、受付の人に「昨日のことは知りません」とか「医師が来ない日なので返事は今日は無理です(一週間先です)」となかなか返事がもらえない。(58歳・女性)
問い合わせをしたら、今OP中だから手が離せないと言われ、OP終わったくらいに電話したら電波の届かないところに…と言われる。(31歳・女性)
今回は「疑義照会でのストレス」がテーマだったため、少し辛口な意見もありましたが、そもそも大半の医師はストレスを感じていないことも分かりました。
次回は、医師から疑義照会をする薬剤師へメッセージ、アドバイスをお届けします。どうぞ、お楽しみに!