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想いを繋ぐ!離島薬局経営物語

更新日: 2022年4月2日 キクオ

島で唯一実施した薬局での抗原定性・PCR検査無料化!具体的な集客方法とは?

島で唯一実施した薬局での抗原定性・PCR検査無料化!具体的な集客方法とは?メインの画像1

現在3カ月、島根県にある隠岐の島という離島で過ごしています。こんにちは!薬剤師キクオです。「地方創成」をキーワードに薬局経営をしながらさまざまなチャレンジをしています。今回は隠岐の島で唯一の抗原定性検査やPCR検査の無料化を実施した経緯と、それが薬局経営にどのように関わったのかを述べていこうと思います。
リアルな検査数も記載していきますので、ぜひチェックしてみてください!
それでは、いきましょう!

島根県からコロナウイルス検査の無料化事業の許可を得る

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ニュース「続いては新型コロナウイルスのニュースです…」
私が新型コロナウイルスの無料検査事業をしようと考えたのは、島根県から過去最高の陽性患者が出る少し前でした。
離島でもこれから流行るかもしれない…。実はちょうど島の中でも陽性者が出たと噂が回ってきた時だったのです。
その前からですが、島根県の行政HPを夜な夜なチェックする習慣が私の日課になりました。そして実際に無料化の事業をしようと思い立ったのは島の方の声でした。
「もしもし、こちらの薬局にコロナの検査できるものある?」
という電話があったとき、すぐにハッとしました。
自分が動けば薬局で提供できるものがあるじゃないか。
島根県検査無料化事業の初期は、ほとんどドラッグストアが実施している状況でした。
隠岐の島にはドラッグストアが2つあるのですが、無料化の検査事業をしていないことを確認。私はがむしゃらに書類を作成して数日で行政に申請をしたのでした。また書類に不備があり、何度か仕事の合間に行政と電話でやり取りをしました。
そして島の方の問い合わせを受けてから2日後の1月24日。島根県の離島、ピア中央薬局は無料検査事業を開始したのでした。

表1 各検査における検査結果に要する時間と検査結果の有効期限

検査結果判定に要する期間 検査結果の有効期限
PCR検査等 数時間 検体採取日+3日
抗原定性検査 約30分 検査日+1日

薬局への集客方法は薬局かわら版で!

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まずは抗原定性検査から無料で開始したのですが「どうやって島のみなさんに周知しよう?」と考えました。
そのころからネットやニュースでは薬局でも検査が無料で受けられますと報道されているのを知りました。テレビを見ている方は島にも多いだろう(夜20時以降にやっているお店は多くないので夜のニュースはみんな見ているかなという安易な考え)。そしてコロナの検査キットに興味がある方は、まさしく今のタイミングだと感じたのです。善は急げ!ということで、夜な夜なピア中央薬局かわら版を作成~!

実はこの無料化事業を始める前から、私は2週間に1度の頻度で「ピア中央薬局からのお知らせ」を作り、島の施設やクリニック、企業にFAXしていました。内容は欠品している医薬品の情報や、薬の飲み方、管理方法に関してです。そこで、この島全体にFAXで情報発信をして、現在薬局で行っている取り組みを周知させよう!そう私は考えたのです。
実際に作成したFAXを見て問い合わせを受けた件数は4件で、「本当に無料なのか?抗原定性検査をどうやって実施するのか?」など反響があったのは、この薬局かわら版FAX作戦が成功をしたのだと思っています。

地域で一番安い日本製のマスク供給を開始!

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もう一つ薬局として集客をした方法は日本製マスクの販売でした。
実際に当社では50枚入りのマスクを税込み390円で販売。
この価格は利益はほとんどないレベルの価格設定です。でもコロナにおける住民の関心はあり、少しずつ“処方せんなし”でもマスクを買いに来る地域の方が増えていったのです。
そこで私は買い物を終えた利用者に対して、「ウチはコロナの検査が無料でできるんですよー」、「最近コロナのニュースが多いですよね」と薬局で取り組んでいることをふわっと声掛けをしていきます。もちろん、無理のない範囲で対象の方に対してですよ!
実績としては2月からは基本的に毎日問い合わせがあり、1カ月で50人ほどの人数が検査を実施、薬局に足を運んでくださったのでした。
受けた方の中には仕事で隠岐の島を出る方や、受験のために両親と一緒に県外に行かなければいけない方もいて、離島だからこその需要もそこにはあったのです。

地域の病院の協力もあって無料PCR検査事業も実現へ!

次のステップとしてPCR検査も無料で受けられる薬局であれば、地域住民の方も安心すると考えました。PCR検査で陰性陽性を出すためには検査機関の協力が必須です。開店をして間もない薬局の意見を島の病院は聞いてくれるだろうか?そう考えていたのですが、勇気を出して電話で相談をスタート。
見事、近隣の病院は前向きに検討をしてくれたのです。すぐに打ち合わせをスタートさせて無事にPCR検査の事業を開始できました。抗原定性検査とPCR検査の無料化は隠岐の島で唯一のことで、少しでも地域の方に安全と安心を届けられたなと感じました。
隠岐の島、島根県という地域でたくさんの人の協力があり、行政や地域の病院が一丸となって医療を実施できた一例になれればと思います。
今回の離島薬局のお話はここまで!それではまた!

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キクオ
現役薬剤師ブロガー

薬学部をストレートで卒業後、新卒で入社した職場で社会の洗礼を受ける。周りから「人が変わった」と言われるも、心配いらないと、謎の強がりを見せる。その後、頭皮を気にする。
働き方と未来を考えて転職を決意。病院や薬局、派遣薬剤師を経験。今後は「個人の薬剤師がどう社会に貢献出来るか」に興味あり。
「どーせ仕事をするなら楽しく」をモットーに現職の調剤薬局で楽しく働いています。「薬剤師は日本中に浪漫を届けたい」をテーマに薬剤師・薬学生向けのメディアを運営しています!

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