1. 薬剤師トップ
  2. 薬剤師コラム・特集
  3. 想いを繋ぐ!離島薬局経営物語
  4. 離島薬局の物販は儲かる!?3ヵ月間の保険外収益を大公開!

想いを繋ぐ!離島薬局経営物語

更新日: 2022年7月3日 キクオ

離島薬局の物販は儲かる!?3ヵ月間の保険外収益を大公開!

メインの画像1

こんにちは!薬剤師キクオです。私は島根県にある隠岐の島で薬局経営をしているアラサー薬剤師です。昔ながらの地域の健康薬局として経営されていた薬局を引き継いで現在に至ります。「地方創生」をキーワードに薬局経営以外の取り組みもしています。今回はM&Aをした薬局で薬剤師が物販に力を入れてきた内容をお話していきます。
それでは、いってみましょう!

薬剤師の役割は患者さんの困りごとの解決

想いを繋ぐ!離島薬局経営物語の画像

当薬局では患者さんから2日に1回ほど市販薬や衛生用品の相談があります。

  • 頭痛がするので痛み止めある?
  • 今から船に乗るから酔い止めが必要なんだけど
  • イイ歯磨き粉ある?
  • 爪切りある?
  • 松葉杖はありますか?

などなど。
市販薬の相談は以前サラリーマン薬剤師のころにあったのですが、衛生用品に関しての相談はあまりなかったです。しかし隠岐の島では薬局=なんでも相談、生活用品でも販売をしていると考える高齢者が多く、本当にいろんな相談を受けるのです。
いやぁ、薬剤師って薬の知識を提供するのだけど、患者さんの「お困りごと」を解決が役割だと如実にわかってきました。
昔からの薬局とはこんな感じなんだなぁとしみじみ。

処方せんなしで相談に来る薬局として地域の方からも愛されていると実感しています。
ちなみに保険外収益に寄与している年齢層はほとんどが65歳以上で、散歩のついでに薬局に寄ったという方や、「昔からここで買ってるからね!」と義理堅い方もいたりして面白いです。離島へ来てからは「着物用しょうのう」ある?と2回聞かれたのには驚きましたね。

薬局で物販50万円の売上を上げた方法

私が薬局をM&Aしてから約3ヵ月の保険外収益をお見せします。

保険外収益
令和4年1月 175,724円
令和4年2月 177,306円
令和4年3月 272,779円
令和4年4月 558,140円

想いを繋ぐ!離島薬局経営物語の画像

一番売上がよかった商品を紹介すると「コロナ抗原定性検査キット」になります。
2022年3月には、隠岐の島ではコロナ陽性者が少しずつ増加していました。今までは島根県の本土に留まっていましたが、ついに新型コロナウイルスが隠岐の島に上陸をしたのです。
町全体に恐怖が広がっているのが感じられました。というのもコロナ陽性者が出たというウワサも聞きましたし、「コロナの検査できますか?」という電話が鳴りやまない日が数日間続きました。

もともと薬局では、コロナ抗原定性検査キットを扱っていました。私は地域の企業へコロナ検査キットの扱いがある旨をFAXで送り、それが島全体に広がっていくのを実感しました。ある企業は10点以上まとめて購入をしましたし、観光客向けの企業や学校も購入をしてくれました。いわずもがな、事前に「話しやすい人柄、薬局」を植え付けるように、島の人々と街中であいさつをする関係になっていたのも大きいです。

もちろん薬局にもリスクはあります。コロナ抗原定性検査キットは返品が不可であり、従業員にも感染リスクが発生する場合もあります。
隠岐の島本土には薬局数が3つあります。のれんも薬局前に用意しました。
私はコロナの検査の需要が出てくる前に動きました。

単価の高い商品の扱いを考える

まだ検討段階ですが、介護用品も需要があると隠岐の島に来て感じています。

市販薬の単価は1点1000円前後で高くても3000円程です。コツコツと小さく売上を上げることも大切ですけど、単価が高めの商品を選定すると売上アップに繋がります。
まだ薬局で販売ができるかわかりませんが、高齢者向けの電動三輪車の提案は良いかと考えています。隠岐の島でも都心でもたまに見かけます。単価としては1台30万円前後となります。安く仕入れて高く売ることができれば、薬局としても希望が湧いてくることでしょう。運動がしたいと考える高齢者もいるので、もちろん患者さんに沿った提案をする必要があります。

これからの薬局が取り組む物販はネット販売!?

すべての薬局がメルカリなどネットにおける通販はした方が良いと思います。
隠岐の島の薬局では送料が高くなるケースがありますが、薬局としてネット通販事業も検討しています。IT補助金で通販サイトを作る取り組みをしたり、今後はネットを使うことにより、掛け算をした薬局作りをしていく必要があると思っています。
隠岐の島の薬局では送料が高くなる点がデメリットですが、新しい薬局では積極的にネット通販を拡大していきたいです

まとめ

ここまで読んでいただきまして、誠にありがとうございます。
保険収益が薬局のメインになることは間違いありませんが、これからの薬局は保険外収益も考える必要があると考えています。どちらにも偏り過ぎてもいけないので、バランスと最終的に地域の患者さんのことをサポートできるサービスを持つ薬局が生き残ることでしょう。
折角、薬局という店舗があり、集客ができているのですから物販にもトライしてみてくださいね。今回はこの辺で!それではまた!

すべてのコラムを読むにはm3.com に会員登録(無料)が必要です

こちらもおすすめ

キクオの画像

キクオ
現役薬剤師ブロガー

薬学部をストレートで卒業後、新卒で入社した職場で社会の洗礼を受ける。周りから「人が変わった」と言われるも、心配いらないと、謎の強がりを見せる。その後、頭皮を気にする。
働き方と未来を考えて転職を決意。病院や薬局、派遣薬剤師を経験。今後は「個人の薬剤師がどう社会に貢献出来るか」に興味あり。
「どーせ仕事をするなら楽しく」をモットーに現職の調剤薬局で楽しく働いています。「薬剤師は日本中に浪漫を届けたい」をテーマに薬剤師・薬学生向けのメディアを運営しています!
QRコード 薬キャリLINE

「薬剤師タイプ診断」や「薬剤師国家試験クイズ」薬剤師の最新情報や参考になる情報を配信中!右のQRコードから登録をおねがいします!

キーワード一覧

想いを繋ぐ!離島薬局経営物語

この記事の関連記事

アクセス数ランキング

新着一覧

25万人以上の薬剤師が登録する日本最大級の医療従事者専用サイト。会員登録は【無料】です。

m3.com会員としてログインする

m3.comすべてのサービス・機能をご利用いただくには、m3.com会員登録が必要です。

注目のキーワード

薬剤師ブロガー 医薬品情報・DI 調剤報酬改定 ライフ・雑学 店舗経営 マンガ 医療クイズ 診療報酬改定 ebm 感染症対策