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想いを繋ぐ!離島薬局経営物語

更新日: 2022年10月21日 キクオ

離島薬局から学ぶ「お金と仕事のやりがい」

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こんにちは!薬剤師キクオです。私は島根県にある隠岐の島で薬局経営をしているアラサー薬剤師です。昔ながらの地域の健康薬局として経営されていた薬局を引き継いで現在に至ります。「地方創生」をキーワードに薬局経営以外の取り組みもしています。
今回は離島薬局におけるお金とやりがいに関してお話しします。それでは、いってみましょう!

離島の物価は高いのか?

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パン!麺!ガソリン!調味料~!
実は離島は物価が高いって知ってました?はい、特売品に目がないキクオです。
隠岐の島には大手のコンビニエンスストアがありません。デイリーヤマザキは遠く離れたところに1件だけありました(爆)。

隠岐の島の個人商店ではちょっと高いんじゃない?と思ってしまう価格で商品が陳列されています。他の離島で経営している薬局オーナーにも聞いたのですが、離島は全体的に物価が高いようです。

愛知県にいたとき、ドラッグストアに陳列されている商品は良心的な価格で販売されているので、私はそちらで商品を購入してしまいました。
薬局オーナーになってからは、地域に還元を考えて、薬局経営をしています。島の物価は本土よりも少し高いのですが、長い目でお金の事情も考えるべきだと思います。

例えば駄菓子屋をずっと昔から営んでいる患者さんが隠岐の島にはいます。
薬の配達のときにその患者さんの駄菓子屋にお邪魔しました。店内にはべっこう飴などけっこう個性的な商品、懐かしいお菓子も陳列されています。私は地域の方にも喜んでもらえるように、この駄菓子屋で購入したお菓子を薬局で無料プレゼントしたこともあります。
けっこう人気です。

離島薬局の「仕事のやりがい」

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私は離島薬局こそ”街のよろず屋さん”になれると思っています。
それはなぜか?
実は離島の薬局は薬だけの相談が来るわけではありません。
話し相手になってほしいおばあちゃんもいれば、介護に悩む患者さんの声もあり、普段の生活のお困りごとにも耳を傾けてきました。離島の薬局には属人的な性質があるのでは?とも思います。

そして私は仕事のやりがいに「感謝されること」が1つ挙げられると思っています。
一緒に働く人、サービスを提供する方、経営者など身近な人に感謝されることで、働く人はやりがいを感じるのではないでしょうか?
島にいると医療を提供しているだけで感謝されることがあります。
例えば患者さんから「こっちに来て薬局をやってくれてありがとうね」と言ってくれたり、地域のイベントに参加しても感謝をされるのです。

年に1回の恒例行事。隠岐の島では西町と東町が馬を引く伝統のパレードがあります。
地元の青年会が実施しているのですが、そういったイベントに薬局の薬剤師が関わることで、仕事だけでなく、人生のやりがいが少し見えてくるのかもしれません。
新しいこと、そして自分では決してやらないことにチャレンジしてみるのも良いと思ってます。そんな環境が離島には眠っていると思います。

お金とやりがいを考えるキッカケは「島暮らし」

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キクオも30代になってより一層考えることがあります。お金とやりがいどっちも欲しい。
どちらも大切。どっちを優先するべきでしょうか?

私はオンラインで薬剤師の働き方相談に乗っているので、このお金かやりがいかは、よく質問を受けます。
島暮らしをしていると物価が高いのでお金の大切さが身に染みます。でも、ボウリングなどの遊ぶ場所はありません。そんな風にお金を意外と使わないので支出を減らして暮らすことができるのです。

暇になるとなにか新しいチャレンジをするタイプと、まったくなにもしないタイプがいると思います。島暮らし=暇という認識の方は多いかもしれませんが、時間の流れは都心よりもゆっくり感じます(人混みが少ないなど)。

薬局の仕事はもちろん忙しいときもあり、一概に島の薬局がゆっくりしていると認識をすると痛い目をみることになるでしょう。島暮らしは都会と比較することで自分自身と向き合う時間が増えると思っています。「田舎と都会」の変化を感じられる環境は、島暮らしならではですね。

離島での薬局経営とは?

薬局の話

薬局経営には売上が必要です。
そのために薬剤師が、介護の領域でやりがいを見つけ出すこと。それは島の生活に密着をする必要があります。
薬剤師が在宅の領域でもやりがいを見つけるために”感謝”を1つポイントとして考えてみてください。感謝されることには価値があります。

例えば、薬剤師が薬を配達するだけでなく、しっかりと管理をして飲み忘れを防いでいることは、価値があります。無料でなんでもするのではなく、価値をアピールすることが必要です。
離島では薬の配達をしていない、できていないエリアがあり、逆に言えば新規薬局はチャンスが多いと感じています。やはり在宅医療を推進する薬局が生き残る未来になるのだと思いますね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?離島で暮らして新しく気が付いたお金のこと、やりがいのこと。そして経営のこと。在宅医療がキーワードになっていると思います。その在宅医療を担う薬剤師の人材不足も離島には感じます。誰かがやらなければいけない。島のヒーローになれるのは薬剤師ということが、再確認できました。
少しでも離島薬局に興味を持ってくれたらうれしいです!
今回はこの辺で!それでは、また!

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キクオ
現役薬剤師ブロガー

薬学部をストレートで卒業後、新卒で入社した職場で社会の洗礼を受ける。周りから「人が変わった」と言われるも、心配いらないと、謎の強がりを見せる。その後、頭皮を気にする。
働き方と未来を考えて転職を決意。病院や薬局、派遣薬剤師を経験。今後は「個人の薬剤師がどう社会に貢献出来るか」に興味あり。
「どーせ仕事をするなら楽しく」をモットーに現職の調剤薬局で楽しく働いています。「薬剤師は日本中に浪漫を届けたい」をテーマに薬剤師・薬学生向けのメディアを運営しています!
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