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想いを繋ぐ!離島薬局経営物語

更新日: 2022年12月10日 キクオ

薬局開業のためにはここまで必要!? スナックで現地調査、クリニックの患者数の調べ方を語ります

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こんにちは!薬剤師キクオです。私は島根県にある離島。隠岐の島で薬局経営をしているアラサーの薬剤師です。昔ながらの地域の健康薬局として経営されていた薬局を引き継いで現在に至ります。また「地方創生」をキーワードに薬局経営以外の取り組みもしています。
今回はこれから独立を考える薬剤師が知りたい情報の集め方を実体験をもとにしてお話していきます。私のように地方の薬局をM&Aで引き継いで、独立を目指す薬剤師に少しでも役立てたら幸いです。それではいきましょう。

独立のための第一歩はクリニックの外来診察数を知ること

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薬剤師として独立を考えたとき、最初にクリニックにどれくらい患者さんがいるのかを知ることが大事です。
例えば、島根県の場合「島根県医療機能情報システム」でクリニックの外来数をチェックできます。
http://www.mi.pref.shimane.lg.jp/shimane/ap/qq/men/pwtpmenult01.aspx
引き継ぎを狙っているなら、その薬局周辺のクリニックはすべて調べましょう。

「島根県医療機能情報システム」は基本情報や開局時間などの把握に役立ちます。加えて「院内処方」、「院外処方」なのかがわかります。

特に実績の項目では1日当たりの外来診察数を把握することができます。ざっくりですがどれだけ人気なクリニックなのかを数値化して見ることができます。都道府県別でもチェックすることができるので、薬局独立を考える方はエリアのクリニック情報をインターネットから調べるのが1つの方法です。

現地調査をして患者さんの口コミを聞いてみよう

狙いをつけた薬局があれば、現地調査に行くのもいいでしょう。私の場合は隠岐の島まで行きました。特に役立ったのは地元スナック。そうです、情報が集まる安定の場所です。

隠岐の島には旅行者向け、現地人向けスナックが意外にあります。スナックを運営している方は隠岐の島に住んでいる人が多かったです。なかには御年80歳を超える老舗スナックもあり、そこにも行きました。そのスナックでは、隠岐の島のクリニックの先生の評判はもちろん、医師の出身場所や、その医療一家の恋の話まで聞くことができました(笑)。スナックのママさん自身も、私がM&Aをする予定の薬局の患者さんだったのは面白かったです。

私が狙っている薬局がどう変わっていったのか、そこに実際に来る患者さんはどんな方なのかがわかった気がしました。口コミには主観的な意見が入ると思うのですが、お酒の席ではそれが誇張気味になることには注意したいです。

この薬局からお薬をもらった患者さんに声をかけることはできなかったのですが、本気で独立を目指すためには恥は捨てて、自分から情報を集める姿勢が必要です。

周辺の薬局情報を検索してみよう

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さらに、競合する薬局情報を検索するべし。では、どうやって?
これもクリニック同様にまずはインターネットから検索ができます。またもや「島根県医療機能情報システム」です。ある程度の数値を把握することができます。
http://www.mi.pref.shimane.lg.jp/shimane/ap/qq/men/pwtpmenult01.aspx

私は薬局の地域から調べるをクリックして一つ一つ情報を読み解いていきました。特にチェックしたいのは「実績、結果等に関する事項」です。

現場の薬剤師数が多ければそれなりの薬局であることがわかりますよね。また処方せんを応需した延べ患者数も記載があるので、数値から1日当たり、月当たりのおおよその処方せん枚数を推定することもできます。

医薬品卸の担当からも情報を得よう

医薬品卸さんからの情報は確実に掴んでおきたいです。理由は周囲のクリニック、薬局や施設の内情を詳しく知っていることが多いからです。

立ち上げ準備の時点で1つでも良いので医薬品卸のエリア担当と話す機会を作りましょう。お取引がないと会って内情は話してくれないかもしれませんが、次にこの薬局を引き継ぐ可能性があることを話せば会ってくれる可能性は上がると思います。

エリア担当歴が長い方であれば周辺医療機関の変化から、内部事情にも精通している可能性があります。医薬品卸の担当とはwin-winな関係構築をして話し合いをしておくことが重要になるでしょう。

エリアの介護施設にあいさつをしよう

薬局があるエリアの介護施設へのあいさつに関しては必須ではありませんが、しておいて損はないと思います。私は隠岐の島では、すぐではなく、現場が落ち着いてからあいさつをしました。施設長と会えるようにタイミングを考え、ケアマネージャーやキーマンとなる方から情報把握をすることを忘れないようにしておきましょう。看護師さんと仲良くなり、施設長やケアマネージャーを繋いでもらうことも視野に入れましょう。介護施設ではどんなお困りごとがあるのか、ニーズを掴むことが第一歩だと思います。

町役場に顔を出そう

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地元の役場に顔つなぎのお邪魔をするのも良いでしょう。地域のイベントや地域包括支援の情報をヒアリングすることができます。私は開業前に町役場に足を運んでいませんでしたが、役場にもコロナ感染対策の部署や地域連携の部署があります。役場がどんな取り組みを町全体でしているのかを、薬局経営者は知っておくべきです。

自分の薬局の弱点を見極めよう

以上、町で医療が関わる場所には顔を出すことをおすすめしました。
周りの施設の良いところ、悪いところは把握できたでしょうか?
おっとそれも大切ですが、自分の薬局の良いところ、悪いところを一度考えてみませんか?

薬局の弱点と言いましょうか。例えば私が感じた自分の薬局の弱点は「薬の位置がバラバラ」「商品の陳列が多すぎて見にくい」でした。もし自分が患者さんだったらと、考えて見ることが必要です。そしてライバルの薬局の強み・弱みはなんだろうと応用して考えるのも大切です。弱点を補強しながら、強みを出せるように動けると開業時の貴重な経験になるはずです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?開業の準備は融資などもありますが、まずは現地調査が大切だとわかりました。情報戦を制するものは薬局を制す!そして情報を獲得するためには、人脈作りが基礎になると私は考えます。

街の医療をハックできるようにとにかく薬局から飛び出すことなんだなぁと記事を書いてみて感じました。少しでも独立を考える薬剤師のためになれたらうれしいです。それでは、また!

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キクオ
現役薬剤師ブロガー

薬学部をストレートで卒業後、新卒で入社した職場で社会の洗礼を受ける。周りから「人が変わった」と言われるも、心配いらないと、謎の強がりを見せる。その後、頭皮を気にする。
働き方と未来を考えて転職を決意。病院や薬局、派遣薬剤師を経験。今後は「個人の薬剤師がどう社会に貢献出来るか」に興味あり。
「どーせ仕事をするなら楽しく」をモットーに現職の調剤薬局で楽しく働いています。「薬剤師は日本中に浪漫を届けたい」をテーマに薬剤師・薬学生向けのメディアを運営しています!

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