目の前にいる患者さんはどこの誰? 医療と町をつなげる薬剤師・野田学先生のファーマシストの流儀
「ファーマシストの流儀」第6回は、病院薬剤師として働きながら、地元の地域医療に貢献する活動を推進している野田学先生です。薬剤師の働き方、地域医療への思いなどをうかがいました。
野田学(のだ・まなぶ)先生
薬剤師/プライマリケア認定薬剤師/スポーツファーマシスト/介護支援専門員
近畿大学薬学部卒業後、全国チェーンの大手調剤薬局に入社。西日本エリアの山口県に配属され、管理薬剤師を含め7年間勤務した後、地元・福井県のJCHO(独立行政法人地域医療機能推進機構)若狭高浜病院(90床)へ転職。正薬剤師として勤務中8年目。地域医療に貢献するボランティア活動にも積極的に取り組む。福井県出身。
薬剤師の仕事をよく分かっていなかったスタートライン
全国チェーンの調剤薬局薬剤師から、出身地である福井県高浜町の病院薬剤師へ転身されました。薬剤師としての働き方や考え方にどのような変化があったでしょうか?
野田先生(以下、敬称略):大学を卒業してすぐ全国チェーンの調剤薬局に入社したのですが、当時は薬剤師が何をするのかをあんまり分かってないような人だったんですよね。患者さんの応対をして薬歴を書くのか、それくらいの認識で入りました。
薬剤師として「あれをやりたい」「これをやりたい」というのは特になく、任された仕事をやっていたという感じで、その調剤薬局で薬剤師として育てていただきました。
薬局は忙しく、調剤や薬歴といった仕事を速くするのはもちろん大事、それでも慣れてくれば、ゆっくり話せる患者さんとはゆっくり話すことは心がけていました。薬局の一員、会社の一員として役に立てたらいいのかな、活躍することができたらいいなと思って働いていましたが、薬剤師という職業にそれほど情熱を感じていたわけでもなく、辞めてもいいかなと考えていた時期もありました。
でも、学会や勉強会などに参加するようになって、そこで面白い薬剤師っていっぱいいるんだなと学びまして、それが本当に大きかったなと思います。
薬剤師っていろんな可能性のある職業なのかなと感じ、薬剤師は続けていこうかなと思うようになった。そうこうしているうちに、地域医療の話とぶつかったんです。
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